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1月7日…追想

はこべ(繁縷) Stellaria media

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ナデシコ科/ハコベ属/越年草/草丈10〜30cm/開花3〜9月

はこべは、春の七草の一つとして、日本の食文化と生活に古くから深く結びついている植物である。柔らかく繊細な葉や茎は、食用として親しまれ、特に栄養価が高い点で注目される。ビタミンBやビタミンCを豊富に含み、古来より冬場の栄養補給に欠かせない存在であった。

また、はこべは薬草としての役割も果たしてきた。民間療法では、煎じた汁が消炎や解熱の効果を持つとされ、腫れや痛みを和らげるために用いられてきた。さらに、乾燥させて炒ったものを塩と混ぜることで歯磨き粉としても使われ、衛生的な用途にも活用されていた。

その白く小さな花は、朝日を浴びるとふんわりと開く性質を持つ。この姿から「朝しらげ」や「日出草」といった別名が生まれた。「朝開け」という呼び名の由来でもあり、一日の始まりを告げる清々しさを感じさせる。

はこべの花言葉「追想」は、過去を振り返り、懐かしい思い出に思いを馳せる心情に由来している。その静かで控えめな姿は、心の奥にしまわれた記憶をそっと呼び覚ますような、不思議な魅力を持つ植物である。


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