整体は推理小説より難しい
骨盤矯正・ボキボキ手技・ストレッチを
一切やらない異色の整体師トリプルKと申します。
この記事は、整体の奥深さを知っていただきたいと思って書いた記事です。
【お礼】
「シゲク@noteサークルはじめました。」さんのイラストを頂戴しました。
記念すべき初投稿のイラストです。有難うございます。
お恥ずかしい話ですが、
整体師歴15年以上のキャリアがあっても、原因をすぐに特定出来ないケースがあります。
誤解のない様にお伝えしますが、ほとんどのケースは原因をすぐに特定出来ています。
感覚的には95%位で、
100人診たら5人位は原因の特定が難しい患者さんがいるものです。
これを多いと見るか少ないと見るか、
様々なご意見があると思いますがここで僕が言いたいのは、
多かれ少なかれ原因の特定が難しい患者さんがいるという事です。
整体の難しさは、症状の出ている場所と原因が一致しない所にあります。
例えば、腰痛がある場合、
腰や骨盤に原因があると思われがちですが、
ほとんどは別の場所に原因があります。
特に慢性化している症状の場合、
別の場所に原因があると思って間違いありません。
その別の場所にある原因にアプローチしない限り、症状を根本的に改善する事は出来ません。
これが整体の難しい所です。
もう10年位前になりますが、
僕が全身の繋がりを意識する様になったエピソードをご紹介します。
ある男性の患者さんが、
首の痛みを訴えて来られました。
聴けば、最近になって痛みが出始めたとの事。
触診で確認すると、
右首の付け根の所にゴリゴリとした硬い部分がありました。
僕は、最近になって出始めたという所に何かありそうだと感じ、こう質問しました。
僕)「痛みが出始める前に、何か今までと変わった事はありませんか?」
男性)「そう言えば、最近ジョギングを始めました」
ジョギング?と、
ふと仰向けになったその人の足を見ると、
足がかなり外に開いているのです。
それも特に右足が。
!?と閃いた僕は、
足首の動きを確認しました。
すると想像した通り、
右足首の方が動きが悪いのです。
もしかすると、
この足首のつまりが首に影響しているかもと思い、右足首の調整をしました。
結果は・・・
見事に予想が的中し、
右足首の動きを調整しただけで、
首のゴリゴリが消えて、
痛みまで無くなったのです。
この時の臨床が、
全身の繋がりを意識するきっかけとなり、
どの様な症状でも全身を診る必要があることを思い知らされたのです。
首の痛みの原因が足首にあるなんて、
想像出来ますか?
つい先日も、左背中の痛みが、
幼少期の左手首脱臼が原因だったケースがありました。
この様に、痛みの原因は頭の先から足先まで、どこにあるか分かりません。
僕は推理小説さながら、
問診や検査、触診、独自の足裏CTスキャンによって痛みの原因を特定しています。
症状が出ている所だけを診ていては、
痛みを根本的に解消する事は出来ないのです。
整体とは、
そんな単純なものではないという事です。
整体は推理小説より難しい。
整体を突き詰めていくと、
その奥深さにどんどんはまっていきます。
人間の身体というのは、本当に不思議がいっぱいで、未だに謎の部分があるのですが、だからこそ面白いし、まだまだ精進しなければいけないなと思うのです。