皆んなどう歌ってるの?宇多田ヒカルのあの部分
歌手の歌い方のクセをすぐ茶化すのは、関西人の悪い癖なんだろうか。
純粋な耳で聞き、真っ新な気持ちで受け止めたい気持ちはちゃんとあるのだが、どうしてもふざけてしまう悪い文化がDNAに組み込まれている。
音楽
そもそも普段話している言語も音楽の一つである。なので私生活から積極的に愛着を持って私たちは常に音と触れ合っているのだ。
音楽は一定の法則に基づいた音を組み合わせて人の聴覚に訴える美を表現する。
それは音楽好きを公言する人だけでなく、多くの人類に力を与え、耳に入れることで快感すら得ることができるのだ。
この音楽に対する性向を「音楽愛・ミュージコフィリア」と呼ぶ。
いや、性向て大袈裟な?と思うが、そもそも鳥のさえずりも、求愛や縄張り争い、警告のコミニケーション手段であり、生きていくための「生命愛・バイオフィリア」の一つである。
本能に埋め込まれているもの。音楽に躍動感を感じるように、それらも同じく生まれ持った生き物の性向本能と思われる。
少し澄んだ気持ちになった気がする。
先月、ブルーノマーズが来日して日本を騒がせた。
東京ドームライブはチケットも即SOLDOUTと大盛況。
来日だけでもお腹いっぱいのなのに、ジェントルすぎる彼は「日本人にもっと楽しんでもらいたい!」とセットリストに日本人に馴染みのある日本語の曲を入れてくれた。素晴らしい心遣い過ぎて、日本全国民が彼に足を向けて眠れない。
ここで坂本九の「上をむいて歩こう」と、美空ひばりの「川の流れのように」が思いつくと昭和だが、平成〜令和をときめくブルーノ様は、AKB48のヘビーローテーションと宇多田ヒカルのFirst Loveの2曲を披露してくれた、らしい。
悲しいお知らせだが、私自身は現地に行けなかったので、Xで知ったのだ。
ここでふっとあることが気になった。
宇多田ヒカルのFirst Loveのある部分である。
私がいつも気になるのは最後の「誰を想ってるんだろう」の部分。
私は何回聞いても
「誰を想ってるんだha〜♩」に聞こえる。
だが、人によっては
「誰を想ってるんだるぉ〜♩」だろ?と言う人もいる。
懐かしい曲ではあるので、本人よりモノマネで誇張されすぎたのを聴きすぎた可能性もあるが、寂しい事に引退されてしまったコロッケさんにモノマネされない限りオリジナルを凌駕することはまず無いと思う。
Spotifyで聞き直してみても、宇多田ヒカルはちゃんと(?)だha〜で歌っている。
さぁ、ブルーノマーズはどっちで歌うんだ?
日本語の歌詞を確実にチェックして歌っていれば「想ってるんだるぉ〜」だが、耳コピなら「だha〜」のはずだ。
私は探した。
外国人アーティストは動画撮影OKが多い。誰かがきっとXで流してくれるはず。
圧倒的にヘビーローテーションが多い中、やっとFirst Loveを見つけた!
ミュート解除で聞いてみる。
だが、それは伴奏のみで会場の日本人に歌わせるスタイルだった。
愕然としながらも、会場の日本人の声に耳を傾けると「だha〜」よりの「るぉ〜」の中途半端な仕上がりだった。
日本語として正しいのは「あいつ何言ってるんだは?」では無く「あいつ何言ってるんだろ?」だ。だは?でも通じなくはないが、語尾が気になって会話が進まなくなる。
なんでだは?
歌い方の癖?雰囲気?ノリ?勢い?鳴き声?
彼女が生粋の大阪のヤンキーなら「私のことフって他の女のとこ行くとか意味わからん、ハァッ?💢」だが、彼女はニューヨーク生まれのマンハッタン育ち、歌ってる奴は大体友達。そんなお洒落な人が、バチバチのヤンキー言葉を曲に入れるとは思い難い。
宇多田ヒカルは、この曲に自身の悲しい失恋の思いを込めている。
謎は全て解けた。
ため息だ!
きっとこれはヒカルのため息だ。
今フラれて、明日のことを思って憂鬱になっているヒカルのため息だ!
「何を思ってるんだろう?はぁ・・・」が何度も歌い重ねる事で「だha〜」になっていった、感情移入ではないか!
失恋ソングのため息。
それは、気持ちよく歌詞の世界に没頭する事で、盛り上がりに助走をつけ「だha〜」で高く飛び上がり、最高到達点でサビに気持ちよく入れる、ロイター盤のようなもの!
て、結局茶化してしまってるんだha〜♩
どうぞよしなに↓