写真下手くそ選手権 in 渋谷vs三遠戦
写真は被写体よりよりも、技術とタイミングである。
カメラの性能、照明の明暗、負の条件があちこちに転がっている。
暗さを渋みに変える。明るさを神々しさに演出。機能の衰えをレトロ感にしたノスタルジー。
ブレを速さに見立てた躍動。
その場の全てを味方にして超越するのが匠ってやつだ。
特に今は、プロよりも一般の人が美麗な写真やコメントをつけてSNSに流して普及するマーケティングが主流。
カメラ撮影の許可がおりているなら、美しく撮影し普及。
もしくは選手の為にカッコいい写真を、本人や団体関係者に提供するのもファンの仕事。
私は一回、選手に殴られた方がいいかもしれない。
いっそ殴ってくれ。
姉に「動画で撮って切り出した方がいいんじゃない?」とかアドバイスしておいて、私は動画回してないしな。
スマホのカメラに限界はあるように、選手の我慢にも限界はあるだろう。プロで一流でも、聖人ではない。
1人の人間なのだ。
本来ボカすべき観客の方がくっきり映っている。
試合前のアップを見学している時点で早々にカメラを諦めて、試合は両手放しで応援する事にした。せっかく金払って来てるんや、悩むより臨場感を全力で楽しもう。
会場は、豊橋市総合体育館。
愛知県豊橋市から、渋滞に掛からなければ車で約20分。
三遠ネオフェニックスの本拠地とあって、豊橋駅は選手で装飾されている。
あいにくの雨の中、バスに乗り込みいざ試合会場へ!
会場にはキッチンカーが並び、行列が出来ている。
館内は飲食物の持ち込みがOK(✴︎規定はアリーナや体育館によって異なります)広島風お好み焼きが大人気だったが、肉と白米が食べたかったので肉巻きおにぎりを選択。
肉弾戦を見る時は肉に限る!
入場の列に並びながら、一緒に買った20センチはあるロングポテトフライを食べる。
味は懐かしのポテロング。だが倍ぐらい長いのでポテロンゲスト。
私は肉と白米で両手が塞がっていたので残念ながら写真を撮れていない。
入場すると、席を確認して一階へ降りる。
体育館内にもゲートが設けられていて、再度チケットのチェックを受け、コートに入る。
ここからは選ばれし者(金出した奴)しか降り立てない場所。
姉の推しで、私の最推しの富樫選手の推しでもある田中大貴選手のいる渋谷はアウェイ側(右半分)
私が取ったのは前から3列目の席。
見えやすくする為に、段差をつけた上に座席を置いてくれている。
プロレスだと、リングの高さがあるから全員フラットなので新鮮に感じ、キョロキョロする私の隣で姉の時が止まる。
「コート近い」
「あそこ!大貴アップしてる」
「大貴・・・」
胸の前で手を合わせたまま姉、完全に静止。
「あたし、大貴はCGかホログラムやと思ってたけど、ちゃんと存在したんやな」
「大貴はちゃんと生命体やで?」
「ボール、持ってる」
「バスケットボールプレイヤーやからな?」
姉、コートに合掌。
ブルーバックでモーションキャプチャー付けたスタントやと思っていたのだろうか。
「顔ちっさい」
「ほんま。思ったより細い」
「それ!手足長い」
「もっと言って!」
慣れてきた姉が推しのスタイルの良さを欲張り出した頃にロスター(出場選手)とスターティング5(先発選手バスケは5人)の発表。
選手入場口の側なので、選手が入退場する際は、床がズシっと揺れて尻に重みを感じる。
特に外国籍で重量級選手(ジェフ・ギブス選手。今季で引退・・・寂しい)の重みは歩く音と揺れだけで迫力がある。
よし、大貴が隣を走ったら思い切り息を吸おう。
今回の私の旅の目的である「最推しの推しがいる空間で、最推しがいつも吸っていた空気を吸う」を実施するべく姿勢を整える。
大貴の吐く二酸化炭素の全てを私が吸い、CO2の削減に尽力し地球を救い、私のメンタルも救う。気持ち悪いことを言っているが、もう少しお付き合い頂きたい。
ミシミシと音を立て、少し伸びた真っ黒な癖毛を靡かせて大貴が通る。
私が深呼吸をして軽く身を乗り出した瞬間に、隣の三遠のブースター夫婦が後ろに仰け反った。
マズイ・・・私の奇行がバレたか・・・?
ティップオフを前に警備員を呼ばれてはいけない!
早めに言い訳しようと笑いながら謝ったら、ご夫婦はニコニコしながら話しかけてくれた。
「渋谷のブースターさんですよね?どうぞどうぞ!」
「俺達がカメラ映り込むといけないから」
なんて素敵なご夫婦!!敵チームなのに!
「どうぞどうぞ!」
「かっこいいですね!田中選手」
「ありがとうございます!」
でも言えねぇ・・・写真じゃなくて大貴の空気を強めに息吸ってるって言えねぇ。
姉が素早く動画を回し、事なきを得た。
だが、続いて反対側の三遠のロスター発表!推しの代名詞である大野HC(監督)の空気を吸わなくては!
だが、ホーム側は遠い!
「大野HC遠い!なんか筒状のものが欲しい!」
私の変人発言に慣れている姉は即座に理解。
「そうやなラップの芯でもいいから繋げて長くしたら」
2人で手を筒状にして爆笑。
するとお隣の優しい夫婦が笑いながら
「確かに!ラップの芯でもピント合わせれば望遠鏡になりますね!大野HCも好きなんですか?」
「あ、私、実は通りすがりの千葉のブースターなんですよー!渋谷は姉で!」
「千葉?あぁ、富樫選手ですか!それで田中選手も見に来たんですね!千葉は今日はアルバルクか、チケットなかなかとれませんよね〜」
終始和やかに会話するが、内心は冷や汗である。
私その筒、望遠鏡でなくストロー的な感じで使おうと思ってました。
なんて言えないな。
この人達が優しければ優しい程言えない。
いざ試合になるとそんな事も忘れて大熱狂。
ディフェンス機能してないな、走られてるな、など思ことだらけで試合終了。
コティの復帰がもう少し後ならなぁ。ラベナの侵入許しまくってたし、三遠の方が技術が上回ってたって事だ。
試合後は豊橋のイタリアンバルでダラダラ。
チーズが美味しかった。
推しの空気吸う前にこれからも試合行くなら写真練習しなな。
次の日は名古屋の私の推しのいるダイヤモンドドルフィンズのアリーナと、齋藤拓実選手と佐藤卓麿選手のお勧めの店に巡礼する。
推しのいない推し活、楽しい!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?