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【本当に怖い】 糖尿病

みなさんどうも、救急医のかたかたです🚑
日々活用できる、知ってて自慢できる救急の知識を提供しています👊🏻

今回は、放っておくと恐ろしいことになる糖尿病について説明します。
救急というより内科じゃない?と思った方、鋭いですね。
しかし、糖尿病は万病の元でもあり救急で関わることも非常に多い病気です。
そしてコントロール(治療具合)が悪い人が一定数いる病気のうちの一つです。
糖尿病、きちんと理解したり対処したりしないと「本当に怖い」です。
多くの場合ひどくなるまで症状が出ないことが多いので気付くのが遅れたり、病気自体を舐めてかかっている人が多いです!!
どれほど怖いかにもふれつつ、病気自体の理解を深めましょう。
ちなみに後述しますが、ここで扱う糖尿病は2型糖尿病がメインです。
ちょっと気合いが入りすぎて長くなりました、すみません。

結論

糖尿病には2つのタイプがあり、いわゆる生活習慣病は2型糖尿病
あらゆる理由で体の性質が変わることで血糖を処理する能力が落ちてしまい、最終的には万病の元となる
早期対処、早期治療によって進行をグッと遅らせることは可能
ちゃんと治療しましょう


糖尿病とは

定義

まず糖尿病は大きく二つに分けられます。
1型と2型の二つに分けられ、詳細は省きますが世間的によくいわれるような生活習慣病の一つとされているのは2型糖尿病です。
ここでは主に2型のことを指しますので、糖尿病=2型と思っていてください。

糖尿病の特徴は「高血糖」「インスリン抵抗性の増加」「インスリン分泌の障害」の3つです。
高血糖は血糖値が高いことです。
ちなみに血糖とは血液内の糖分です。甘いものを食べると上昇します。
インスリンも聞いたことがありますか?
簡潔にいうと体の細胞に血糖を取り込むためのホルモンです。
要は血糖値を下げてくれるホルモンです。
そのインスリンに対する反応が悪くなるということと、インスリン自体が分泌されにくくなるということです。

まとめると、血糖値が高い状態が続くが、インスリンへの反応が悪くなったり、インスリン自体が出にくくなったりすることで血糖値が下がりにくくなるといった病気を糖尿病と言います。

診断基準

糖尿病はおもに定期健康診断などで当たり前のようにされており、皆さんもご存知かもしれません。
以下診断基準です。

  • 空腹時血糖:126mg/dL以上

  • 75g OGTT 2時間後血糖値:200mg/dL以上

  • HbA1c:6.5%以上

75g OGTTとは75グラムの糖(サイダーみたいなもの)を口から含んで血糖値がどのくらい上がるかを見たものです。インスリンがちゃんと働いているかみてます。
HbA1cとは、健康を気にしている人は知っているかもしれませんが、直近2ヶ月くらいの血糖値をみるためのものです。

リスク因子

糖尿病には環境因子と遺伝因子があると言われています。
環境因子には、食べ過ぎ、肥満、年齢、生活習慣(椅子に座ることが多いなど)があります。
遺伝因子とはつまり、自分の近しい血縁に糖尿病がいると発症リスクが上がるということです。
環境因子は「インスリン抵抗性の増加」「インスリン分泌の障害」に対して特に関係しており、遺伝因子は「インスリン分泌の障害」に主に関わると言われています。
ということは、遺伝の要素も重要ですが、環境因子をコントロールすることで糖尿病発症を予防できそうですね。


どんな治療がある?

簡単に。
糖尿病予備群(境界型糖尿病)であれば、まずは食事療法やダイエット
軽症糖尿病もまずは食事療法だが、経過を見ても改善が乏しければ薬剤併用
中等症以上は薬剤治療を最初から併用する


放っておくとどうなる?

本当にたくさんあります。
有名なものは手足の痺れ、目がかすむ、腎臓の機能の低下です。

重症なものは以下があります。

  • 心筋梗塞

  • 高血糖緊急症

  • 感染症になりやすい、また重症になりやすい

  • 糖尿病性足潰瘍(足がただれる)

間に合えば死に至ることのないものもありますが、後遺症が残り障害をかかえる可能性もあります。
特に足潰瘍はすぐに命がどうとかはないことが多いですが、歩けなくなる、入退院を繰り返すなど苦労を重ねる可能性が高いです。

総じて、糖尿病の合併症には非常に深刻なものが多いです。


この記事を通して言いたいこと

まず第一に、糖尿病にならないよう心がけることが重要です
一度糖尿病になってしまうと、すでに多くのリスクを抱えることになるからです。
そしてなってしまったとしても、かかりつけ医と二人三脚でしっかりコントロールするように努めて欲しいです。
コントロールがつかないと全身にあらゆる合併症を持つことになります。
ひどくなれば死に至りうる、そうでなくても障害を残し生涯付き合っていかないといけなくなります。
怠慢が原因でもひどくなった時に診るのは病院の医師の役目ではありますが、できればそんな人は0にしたいと私は思っています
ひどくなろうが自分の自由と思っている人、そんなわけにはいきません。搬送されて入院した場合はご家族が呼ばれることになります。身内がいなくても後見人やケアマネージャー、市の職員などが動員されることもあります。
自分の健康に向き合うか、向き合わず自分を大事にせず他人も巻き込むか、選択肢はあなたに委ねられています。

あなたはあなたの人生の主人公です
あなたは今の生活で、どれだけ自分の健康を優先できていますか?
もし振り返ってみて不安があるなら、今が行動を起こす時かもしれません。
自分のことを大事にして、生きていますか?


本紹介

医学や病気から、人生や自分を大事にすることを私は皆さんに伝えたいと思っています。
医学から以外ではたくさんの本がありますが、自分の人生に向き合うのにとても良いなと思う私の大好きな本を紹介しておきます。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
疑問・質問などお待ちしております!
それでは、お疲れ様でした!

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