トルコ ベルガマの町(旧ペルガモン)にて(1)
トルコ最大(たぶん)の遺跡エフェソスの近くにセルチュクという町があるエフェソスは有名な観光地だけど、エフェソスのすぐ横にあるセルチュクは全く知られていない。
有名な”世界の七不思議”のひとつ、”エフェソスのアルテミス神殿”は
エフェソス遺跡の中ではなく、この町の外れにある(歩いて10分)
この遺跡は、現在は柱が1本残っているだけ(しかも復元)
実はガッカリ遺跡ですが、復元模型やアルテミス像の復元模型なども
ここセルチュクの博物館にある。
もしエフェソス遺跡に行くなら絶対にセルチュクにも立ち寄った方がいいですよ。ほんの2時間くらいでもいいから。
そのセルチュクで3泊もした僕は
そろそろ次の目的地ベルガマへ移動することにした。
ベルガマにはやはり有名な遺跡ベルガモンがある。
セルチュクからベルガマへは直行バスは無く、
町中から出発する早朝のバスで第3の都市イズミルへ移動して
イズミルでベルガマ行きのバスを捕まえるしかない。
出発の前日にセルチュクのバス乗り場と時間を確認し、
それに間に合うようにホテルに朝食とチェックアウトをお願いした。
でも忘れられていた。
あー やっぱりね。
いつも通りの時間に女性がやってきて朝食が用意された。
バス出発時間まで30分。
しかし、取り柄の少ない僕の
ほとんど唯一の取柄は食事のスピードが速いことだ。
噛む速度はそんなに早くないから、きっと噛まずに飲み込んでいるのでしょう。(噛むのが早かったら不気味だ)
10分で全て食べ(飲み)、余裕の微笑みでコーヒーなどを飲んでみせる。
バスの出発時刻まであと15分。
でもすでに部屋は片付け、荷物はロビーに置いてある。
あとはコイツを背負い上げてバス停へ向かうだけ。
そしてバス停はほんの50mくらいのところだ。
1月のトルコは結構寒い。
朝8時過ぎの冷気の中をバス停まで数分。
寒いのでバスターミナルで温かいコーヒーでも飲みたかったけど、
イズミル行きのバスは小さかった。
たぶんトイレは無いだろう。余計な水分は取らないことにした。
寒いし。
乗り込んだ小さなバスはほぼ定刻通りに出発し、
1時間半後、定刻にイズミルのバスターミナルに滑り込んだ。
よく冷えた早朝のバスは暖房が効かなくて、体の芯までよく冷やされた。
「イズミルに着いたらまずトイレに行ってからベルガマ行のバスを探そう」
車内でモジモジしていた僕は、いそいそとバスを降りた。
「トイレはどこかな?」と見回すと!
横のバスに”BERGAMA”と書いてある。
横に立っている男性に確認するとやはりベルガマ行きだった。
「ラッキー!探す手間が省けた。でもトイレ行きたい。」
僕は運転手らしき人にバスの発車時刻と空席を確認し、荷物を積んでトイレへ走った。
体を少しだけ軽くした僕は、先ほどの教訓から厚着をして寒さに備えた。
今度のバスは暖房がバッチリ効いていた。
ベルガマまで3時間。
じわーっと汗をかきながら到着。やはり定刻通りだ。
しかも乗ったバスが少し小さいヤツだったので、町外れの幹線道路沿いにある新しくて大きなバスターミナルではなく、町の中心地まで行けた。
運転手はほとんど英語は話せなかったけど、お互いに知っている単語と身振り手振りで少しだけ意思疎通をした。
ひげ面の強面運転手は、とても優しいおじさんだった。