砂の器
松本清張「砂の器」を入手しました。
目的は作中登場人物である和賀英良のコンサート描写です。
「砂の器」は母親が買った本で、当時高校生で活字に飢えていた私が家にあった古びた本を読んだ記憶があります。想像以上に面白かったのと、高校生らしく和賀英良の属するヌーヴォー・グループに反感を覚えて記憶があります。(松本清張氏の意図通りにノセられたといえばその通りです)
この小説のことは時々思い出していたのですが、最近になって和賀氏の音楽が気になっていました。映画版はドラマ版だと普通のオーケストラか何かに改変されていて、原作で何と呼んでいたかが気になり借りてきました。
ミュージック・コンクレート(Musique concrète)をYoutubeで検索すると様々な音源が出てきますが、1万回再生されているような音源はかなりまれ。
それでも理解できたことは「これらの自然音や人の声や不協和音を使う手法、今では普通にボカロP達が取り入れてる手法だよな」という事。そしてそれを私以下の世代は割と普通に受け入れて頭脳ではなく感覚として楽しんでいる、という事です。
多チャンネル化したスピーカーだって今では普通に家庭に入り込んでいて、普通過ぎて誰も特別視しなくなりました。
ここに至るためにどれだけの人たちが試行錯誤を繰り返したのだろうな、と人の世の営みと無常に少し心が動くのでした。
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