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【臨床医学各論】この冬猛威を奮った「溶連菌」について小学生にもわかるように復習していくよ!

この冬猛威を奮った溶連菌、息子の隣のクラスは学級閉鎖になるほどだったのだとか。我が子も例に漏れず、弟→兄の順に感染しました。
子どもが体調悪いと本当に可哀想で……、居た堪れない気持ちになってしまいます。代わりたいくらい。

さて、この溶連菌は猩紅熱(しょうこうねつ)という疾患です。それではこの溶連菌を「臨床医学」の観点から見ていきましょう。

<概念>

「A群溶血性連鎖球菌」を略して溶連菌と言います。
感染すると、以下の炎症を起こします。

  • 急性上気道炎

  • 咽頭炎

  • 扁桃炎

お口を「アーン」して赤くなっていたら咽頭炎と言えます。
A群溶血性連鎖球菌という毒素により皮疹(ひしん:皮膚が赤くなりブツブツに)を伴う疾患です。


<疫学>

  • 罹りやすい年齢・・・・・3〜12歳で発病することが多いです。

  • 流行する季節・・・・・・冬〜春に流行します。

うちの子どももドストライクの年齢で、溶連菌に罹ったのは2月くらいでした。ホント当てはまってる……!

ちなみに、新型コロナウイルスで2類から5類へと引き下げ……的な話が延々とされていました。あれは「感染症法」の分類(例 1類:熱系、2類:呼吸器系、3類:消化器系)ですが、この溶連菌については感染症法から削除されています。

<病態>

A群溶血性連鎖球菌により急性上気道炎、咽頭炎、扁桃炎を起こしますが、これらは「飛沫感染」によりうつっていきます。
罹患すると、全身性皮疹を伴います。

弟→兄の順に罹患したのですが、兄は症状がないけど発赤がある。もしかして……と思って病院に行ったことで判明しました。

<症状>

  • 潜伏期・・・・・2〜4日

  • 症状①・・・・・38〜40℃の発熱、咽頭痛、嘔吐、頭痛、倦怠感や食欲不振を訴えます。

  • 症状②・・・・・発症後は12〜24時間以内に発赤が全身に現れます。

特徴として、イチゴ舌と呼ばれる舌乳頭(舌のブツブツ)の発赤、そして口囲蒼白(口の周りが真っ白になる)が現れます。

<検査法>

血液検査ではASO並びにASK数値が上昇します。ASO、ASKとは血液中の抗体で、それぞれ対応する媒体があります。

  • ASO・・・ストレプトリジンO抗体(毒素に対する抗体)

  • ASK・・・坑ストテプトキナーぜ抗体(溶連菌自体に対する抗体)

<治療>

基本的には上述の症状を経過すると早期に回復する病気です。
ただ、場合によってはリウマチ熱急性糸球体腎炎を続発させることがあります。

これは長年にわたり身体の中に潜みリウマチ熱として現れる場合、そして腎臓の糸球体(動脈の毛細血管が球状になったもの。必要な水分や栄養は体内に戻し、不要なものを尿として捨てる役割)に目詰まりして炎症を起こすものです。


溶連菌は上述のとおり冬から春にかけて流行するウイルスです。春らしい日も増えてきましたが、まだまだお気をつけて……。


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