体温計
息子が体温計を作った。
「美顔ローラーと生物を組み合わせる」がコンセプトらしい。何故その2つを組み合わせたのかよくわからないし、何故それが体温計になるのかもわからない。けれどその感性は、どこか私と似たものを感じる。さすが親子。
(ちなみに美顔ローラーは我が家には無く、実家の母のを見たのだと思われる)
見た目通り胴体を持って、目の部分で体温を測るものらしい。早速測ってもらった。
体温計を顔に当てて
「ピッ。49度でーす」
「!?」
高っ!息子よ、さすがに高すぎないか!?
人の体温は普通にしてたらそんなに上がらない!とかいろいろ言いたかったものの。5歳相手にそこまで言わんでも、とも思うし。
「えーと、ごめん。もう1回測ってもらっていい?」
測り直してもらうことにした。
息子は毎日保育園に行く前に体温を測っているし、それを毎回読み上げているのである。人間の平熱を大体知っているハズなのだ。
「ピッ。57度でーす」
「上がっとるがな!」
思わず突っ込んでしまった。
「息子よ…。さすがに人の体温として57度は高すぎると思うんだよね…」
それとも何か。この体温計は人間界の温度には対応してなくて、57度と言っても私たちの思う57度とはまた違うのか。
息子は仕方ないなぁという感じでもう一度体温計を私の顔に当てた。
「ピッ。1度でーす」
「低っ!」
確かに低くなったけど今度は低すぎる!
「えーー。じゃあ、お母さん自分で測ってよー」
体温計を渡されたので。
「ピッ。36度5分でーす。……くらいじゃない?」
「ふーん」
やる気のない息子の相槌。自分で言ってて思った。前までのインパクトと比べて普通すぎて面白くない。
遊ぶ時の体温は、少々高めや低めに言う方が面白い。そう学んだ昨日だった。
「36度5分」と口に出すとほぼ必ず脳内で流れる曲でも最後に貼っておく。
ではまた明日。