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ブカレスト国際航空ショー2024(B.I.A.S2024)参加レポ

東欧、黒海に面したあたりにルーマニアという国があります。枢軸国として第二次世界大戦に参戦し、ソ連にボコボコにされ、戦後共産化し苦難の道を歩み、ルーマニア革命を経て西側諸国の一員となり、現在は対ロシア最前線のEU、NATO加盟国として存在感を発揮している、そんな国です。今回はそんなルーマニアの首都ブカレストで行われた、エアショーの記録です。

ブカレストへ

2024/8/30(土)の4:30に起床。足早に荷物をまとめてパディントン駅に向かいます。朝早くの帝都ロンドン、動く人は殆どいません。静かなものです。
えぇ、確かに起きている人はいませんでしたが…
まさか路上生活者がど真ん中で寝てるとは思わないでしょ…危うくキャリーケースで轢くところでした。

地下鉄駅も閉まっていた。
パディントン駅まで来ると、流石に動く人もいる。

数年前に開業したばかりの地下鉄エリザベス線の車両に乗ってロンドン・ヒースロー空港に向かいます。ヒースロー・エクスプレスに乗ったつもりなんですが、いまいちよくわかりません。

アーチ屋根が美しい。

20分ほどでヒースロー空港に到着。英国入国はガトウィック空港だったので、初めてのヒースローです。今回はごはんのおいしいBritish Airways利用なので、ターミナル3へ。煌々たる輝きを放つ空港に気押されつつ自動チェックイン機でチェックインを済ませ、預け荷物もないので保安検査へ向かいます。

ゲーミング・エアポート

保安検査を抜け出国審査に向かうものかと思っていたら…あれ?免税エリア?出国審査は?どうやらヒースローは保安検査が出国審査を兼ねているらしい、こんなにあっさりと英国を出国するとは思わなかった…。制限エリアの売店で軽くパンを買って朝食。彼の国のカスみたいな物価高は日々のパンまで響いてきます。
朝食を済ませて搭乗ゲートへ。今回搭乗するのはBA696便、ウィーン国際空港行きです。機材はA320ceoでした。

各ゲートに部屋みたいなのがあった。
この旅2回目のA320。ヒースローの外壁,レンガなんだね。

ゲートに着くのと時を同じくして搭乗開始。窓側席のGroup3なので、そこそこ早めに搭乗できました。

安全のしおりの形式も日本とかなり違う。

かなり待ってP/B開始、モニターがないのでCAの実演で機内安全の説明が行われます。ゴリゴリマッチョのCAばかりでビビり散らかしてました。
「Hay!」じゃねぇよ、怖ぇよ。
ヒースローは広い空港なんで、タクシーするだけで色々面白いものが見れました。

ヴァージン・アトランティックのA330
BAのA380の群れ。
BAのA320(One world塗装)

ロンドン・ヒースロー空港のRWY09Rより離陸。4日間滞在した英国を離れます。非常に過ごし易く、良い国でした。また来たい!

グッバイ!UK!

ウィーンまで1時間半ほどのフライトです。機内サービスはベルトサインが消えた後にCA(マッチョその2)から貰ったペットボトルの水とクッキーでした。

ペットボトルでの機内サービス、安全でいいね。
Wi-Fiはカスだった。

全体的な印象は劣化JALといった感じ。機内Wi-FiはPeachですらある位置情報が見れないし、ネット接続…ない。結局自分がどこの上を飛んでるのか分からないまま、眼下に広がる平原を眺めてました。(後で分かったことだがドイツの上空だったらしい)
ヨーロッパらしい風景を眺めつつ大きな都市の上空に出ました。どうやらウィーンのようです。

ウィーン市街地
ウィーン国際空港の上を一度通ってアプローチ
ノイジドール湖

ウィーンの近郊を一回りして、ウィーン国際空港RWY34に着陸!滑らかな着地でした。

ウィーン国際空港に着陸!
オープンスポットで降機

降機して、バスでターミナルへ。入国審査を受けて、シェンゲン圏に入境します。入国審査に日本語案内があって驚愕。審査自体は至ってスムーズですぐにスタンプをもらえました。

やさしい
EU入境!

10℃前後のロンドンから急に25℃くらいのウィーンに来たもんだから、気温差で辛かった…
手荷物回収を華麗にスルーして地下の鉄道駅へ。ここウィーンから遠く離れたルーマニア首都ブカレストまでは鉄道で向かいます。さて、空港アクセス鉄道たるCity Airport Train(CAT)はウィーン中央駅には行かず、ウィーン・ミッテ駅に行ってしまうので今回はÖBBのRailjet(RJ)でウィーン中央駅に向かいます。
地下ホームでRJを待っていたところ、反対側のホームには推進運転のCATが入線してきました。ここで始めて推進運転(ドイツ語で言うペンデルツーク:Pendelzug)を見た日本オタクは仰天してしまいました。てっきり電車かと思ってたや…

二階建て客車の推進運転。要素が多い!

その後数分ほどでウィーン中央駅方面(確かインスブルック中央駅行き)のRJXが到着。観光客でごった返す2等車をスルーして1等車へ。手頃な席を見つけて腰を落ち着けます。Eurail First Class Pass持ってて良かった〜。

快適な1等車座席。

空港線地下区間を出て、地上へ。内陸のウィーンに大きな化学プラントが立ち並んでいてびっくり。中には貨物列車が止まっていました。ドナウ川の水運と鉄道輸送で回してるんでしょうけど、日本に居ると内水面の水運を意識することがほぼ無いので,このような形で見せつけられた気分です。

鉄道線が引き込まれていくプラント。
広大な、あまりに広大な貨物ヤード

15分ほどでウィーン中央駅に到着。2012年に供用開始した非常に新しい駅です。屋根の形が素敵。

ウィーン中央駅に到着。

ウィーン中央駅での乗り換え時間は二十分ほど、ホームを移動してブダペスト東駅行きのRJに乗り換えます。ウィーン中央駅のエスカレーター、地元の博多駅で見るタイプで驚きました。

博多駅のアレと同じ
待っていたら来たICE-T これに乗るわけではない。

ホームで駅員さんに「どこに停車しますか?」と聞いたらばさらっと二等車に誘導されかけたので諦めて自分で探すことに。意外とシンプルでホーム案内も割とすぐ理解できました。
間も無く入線してきたブダペスト東駅行きのRJに乗り込み、空いてる席に腰を落ち着け、一路東を目指します。このタイミングTwitterを見てると"防衛省の概算要求が出たらしい‼️"とのこと。ウキウキでRJのWi-Fiに繋いで防衛省のサイトにアクセスしようとしたら…
「「アクセスを遮断されました」」
なんてこったい。千葉県以下のGDPのくせに生意気な。

アクセス遮断…

仕方ないので電話回線からダウンロードしてOneDriveに保存して、そこから端末ダウンロードというかなりの手間をかけて読むことができました。(ブカレストまでじっくり読んでた)
さて、列車はウィーン市街地を抜けオーストリア東部鉄道で一路ハンガリーへ。ヨーロッパらしい平原の景色を眺めながら過ごします。

自動車用貨車だ、初めて見た。

そろそろお昼時…ということで食堂車に行きラザニアを注文。しばらくすると座席に持ってきてくれました。列車の中でも陶器の皿と金属のナイフとフォークで温かい食事を楽しめる。素晴らしいの一言に尽きます。

ラザニア。注文に苦労した。

昼食を済ませて少しするとどうやらオーストリアを抜け、ハンガリーに入国したらしいです。国境の表示とかは特に何もない…これがシェンゲン協定、欧州連合の力ですか…

いつの間にかハンガリー

国境越えた感じは「架線柱が変わったかな?」くらいでほとんど感じなかったです。トラムがちらほら車窓に見え出しすと、ハンガリーの首都ブダペストの市街地。オーストリア方面からの列車は大きく弧を描いてブダペスト東駅に入線します。

東側の香りがするトラム

列車は定刻通りブダペスト東駅に入線。非常に荘厳な駅舎に圧倒されつつ、駅前を軽く散策します。

ブダペスト東駅(正面)
よく分からない銅像
駅前の通り
トロリーバス!

駅前を軽く散策したあとは駅に戻って、これからの長距離移動に備えて何か飲み物と食べ物を…と駅に戻るも…ん?カードが使えない…?現金?ATMこれでいいの?といった具合でもたついてる間に出発時刻ギリギリに。慌てて乗り込み、ユーレイルから送られてきた寝台券に指定されたクシェットに。同室はドイツ人×2とスイス人×1といった具合。

ルーマニア・ブカレストへ!
ブダペスト東駅を出発!

部屋に落ち着いて間も無くブダペストを出発。ルーマニアへの15時間の旅の始まりです。同室の欧州人とも握手を交わし進路を南東に取ります。
どこか古い、ノスタルジーな客車はネジ式連結器を軋ませ、ルーマニアを目指し爆走します。

ねじ式連結器
たまたま同室が部屋を開けたタイミングで撮影

旧型だからなのか、冷房が全く効いておらず窓から身を乗り出して涼を感じることもありました。
どこまでも続く平原の風は心地よかったです。

ハンガリー平原
窓から入る光がまたいい。
寝台列車"らしい"通路。
6人部屋の案内。フックは外れかけている。
デッキ
意外と幅のある通路
ナニカのロゴが映える

4時間ほど経ったでしょうか。周りに何もないのにやたら大きな駅に止まりました。いよいよ国境、ということでしょう。

ハンガリー国内完結の客車はここまで。
やたらゴツい電気設備

ハンガリーの国境検査官が乗り込んできてパスポートをチェックしてきました。日本人は珍しいのか、二、三質問をされました。このところの私は「喉が渇いた…」「お腹すいた…」のダブルパンチでだいぶ疲れていましたが、まだまだ先は長いです。

国境のタイミングでたまたま空室を撮影

国境駅に30分ほど停車したあと、いよいよ列車はルーマニアに。一面の小麦畑を10分ほど走り、時計の針を1時間進めるとそこはルーマニアです。

国境地帯。両国の景色差はほぼない。

鉄道設備の古さ、そして朽ち果て方がルーマニア鉄道の時の止まった感じを演出します。たまに貨物列車牽引のユーロスプリンターがいるくらいで、普通列車はSNCFやらDBの中古車両。なかなか辛い鉄道事情ですが、それが魅力的でもあります。

ボロボロの機関庫
木製ホームに無蓋貨車、いつの時代だろうか…

国境のクルティチ駅でルーマニア入国審査。ここでは機関車の付け替えのためかなり長時間停車します。ブダペスト以来久しぶりにホームに降り立ち、まず飲み物と食べ物を探しますが、駅前には何もない…。仕方ないので駅に戻って、付け替え作業を観察します。ねじ式連結器の連結作業、自動連結器に比べて本当に大変そうです。

連結待ちの客車
ルーマニアの機関車に交代!

幸いなことにホームに水飲み場があったので水分補給、多少はマシになりました。3両に減った客車とともにクルティチを発車。足取りも軽く次の駅、大都市アラドへ向かいます。アラドはティミショアラに並ぶルーマニア東部の主要都市。鉄道オタク視点だとかつて多くの車両を送り出したアラドの車両工場が有名でしょう。
アラドでは20分の停車、流石にアラドならなんかあるだろ!ということで駅舎に行くとクレジットカード対応の自動販売機が!とりあえずこういう時はどこでも味が信用できるコカコーラをチョイス。食事は買えませんでしたが、それでもあるだけでだいぶマシです。
急に1時間すぎたのもあって、そろそろ夜。明日は1日エアショーなので、早めに寝ます。

夜に近づく

明朝、目覚めるとブカレスト手前70kmくらい。本来ならもうちっと近くにいないといけない筈なのに….まぁ、ルーマニア鉄道の定時運行率はDB並み、率直に言ってカスなので仕方ないですね。LNERでもらっていたクッキーを軽く食べ、顔を洗い、体を拭いて降り支度を。ブカレスト市街地に近づくにつれ車両も増えてきました。間も無く終点、ブカレスト北駅です。

よく整備されてない
新型っぽいダブルデッカー客車

ブダペストから大体17時間、1時間遅れの9:40分にブカレスト北駅に到着。なんやかんや楽しい列車の旅でした。

Bucharest Gara de Nord

駅のATMで苦戦しつつレウを下ろし、時間もないので朝食をマクドナルドで軽く済ませ、会場を目指します。ルーマニアのマクドナルド、やたら飲み物のコップがゴツい。

ルーマニアのマクドナルド

ここからが悲劇(喜劇)の始まり。地下鉄駅を目指していた私はタクシーの客引きに捕まってしまった!(以下意訳)
運「どこ行くんや」
ワイ「アウレル・ヴライク空港やで」
運「オーケーオーケー!」
ワイ「ノーサンキュー!」
運「オーケーオーケー!エアポート!」
ワイ「Bucharest "international"air showやで、知ってんのか?」
運「international air? イエス!」
ワイ「お前ぼったくらんだろうなぁ?」
運「コレ公式のヤツ!絶対安心!」
ワイ「はぁ…わかった,乗るよ」
運「サンキューやで」
甘かった!そこらのタクシー運転手の英語力に期待することが間違いだ!400レウ取ろうとしてくるし、カード使えないと言い出すし、挙げ句目的地を間違える!目的地を間違えたカラクリは運ちゃんとのレスバ(with google翻訳)の中で発覚しました。説明しよう、下の航空写真を見てくれ。

上がアンリ・コアンダ国際空港、下が目的地のアウレル・ヴライク国際空港

どうやらタクシーの運転手は私の"international"という単語に引っ張られて、北のオトペニにある主要空港のアンリ・コアンダの方と勘違いしたらしく、私の目的とするアウレル・ヴライク空港を颯爽と通り過ぎて行ってしまった!

ワイ「馬鹿野郎!さっきのとこが目的地だ!」
運「Not international!」
ワイ「うるせぇ!俺はあっちに行かなきゃならねぇんだ!」
運「Not international!!!」
ワイ「Not internationalだとも!用事があるのはMilitary Air Baseだこの野郎!」
運「はよ言えよ!」
ワイ「何回も言ったわ!さっさと戻れ!」
まぁこんな具合でありました。

目的地の方

運ちゃんと交渉して200レウ取り返し、タクシーを降りました。降りる時に、次からはUberかboltを使おう。心からそう思いました。
紆余曲折ありながらも、ロンドンから1日かけて無事会場にたどり着くことができました。天気はなかなか渋い…昨日は晴れていたらしいですが、運がないですねぇ…

ついたー!

ここからはイベントレポです。つまり、ここからが本題です。

会場本編

ここからは写真が多めです、通信容量にご注意ください。私が会場入りする前にもラファールとかヘリとか飛んでいたっぽいですが、会場入りして最初に飛んできたのはエクストラEA-330!アクロバット機の王様EA-300ファミリーのひとつですね!編隊で美しい演技を見せてくれました。

息ぴったり
遠い..
凄い密度

続けてICPサヴァンナS 3機による展示飛行!
イタリアの軽飛行機らしいです、レジ調べるまでセスナかと思ってました。

箱型胴体が特徴的

そして、最初に飛んだ戦闘機はまさかのMig-15!Mig-21ではなく!Mig-15!ヴィンテージものにも程がある!!すごい!!!クリーモフVK-1の音なんて初めて聴きましたよ!

Mig-15×2

Mig-15は単座型と複座型2機による機動飛行。ピッタリ息のあった旋回です。

前席しか乗っていないらしい
初期型ジェットらしい急な後退角。
増槽付きで着陸、素敵。

ポーランドの民間団体による動態保存機ということですが、非常に状態が良く、是非日本にもこのレベルの動態保存機が欲しいなと強く思ったものです。
Mig-15の後、リモートで参戦したのはルーマニアのフラッグキャリア、タロム航空のB737-700!(機体番号YR-BGH)。日本ではAIR DOでしか見ませんが、福岡でも馴染みのある機体です。

大きく腹を見せて旋回
ギアを上げてこんなに近いカットは普通撮れない
空荷だとこんなに動けるのか!
カッコいい!

旅客機というのは普通乗客を安全に目的地まで輸送するために穏やかな飛行をする物ですが、邪魔な乗客も貨物も無いと、ここまで軽快に動けるのかと感心しました。
TAROMの展示飛行が終わると、ルーマニア陸軍部隊による空挺降下展示!
パラシュートより何倍も大きな旗をたなびかせて振ってくる様子は圧巻でした。

母機のC-130
NATO旗
堂々たるルーマニア国旗

続いてのお出ましは超ヴィンテージもの、ハンガリーの民間団体、Goldtimer Foundation所有のダグラスDC-3(HA-LIX)!DC-3!?あの?
あのDC-3です。ダグラスの最高傑作にして第二次世界大戦での連合国の勝利に貢献したスカイトレイン。あれが飛んでます。正気か?
所有団体のインスタはこちら

操縦室の窓が開くらしい。
尾輪式ですよ
良い突っ込み!
綺麗な腹!

ハンガリーのDC-3が飛んでいる間、地上では2機のEJ200うならせタクシーするドイツ空軍のユーロファイターが、いよいよ現用戦闘機のフライトです。ドイツ空軍のユーロファイターデモチームによる機動飛行!
ちょっと前に独空軍は日本にも来てましたが、果たして…?

IKEAを背景に離陸!
ローパスからのハイレート!
良い空の色!
リヒートを焚いて曲がる!
きれいな背中!
ランディング!

正直中の人の撮影技術的に、終始圧倒されっぱなしでした。会場アナウンスが聞き取れないので、中々うまくいかず…
精進しないといけませんね…
さて次に飛んだのはルーマニア国産の練習機IAR-99!直線翼が美しいジェット練習機です。

チェコスロバキア臭もする。
ギアダウン!
着陸!

続いては再びプロペラ機、ギリシャ空軍のT-6テキサンⅡがお目見え!今後空自に導入されるらしいピタラスベースのハイパワー練習機ですね。よく曲がるしよく昇る!T-7とは音が違うなぁ。余裕の音だ、馬力が違いますよ。

排気管がよく見える。
突っ込みが効く!
青が映えますね。
背面飛行もお手の物!

ジェット機に比べると格段にゆっくりで撮りやすいですね!今後日本で見るのが楽しみな機体です。
次はまたまたヴィンテージもの、ソ連の傑作レシプロ練習機、Yak-52をルーマニアのアエロスター社が尾輪式に改め主脚を完全引き込みにし、エンジンを換装したIak-52TW、三機によるアクロバット!

低く離陸!
縦にそろって旋回
背面上昇!
突き抜ける
ダイブも何のその
パッカンして終了!

編隊飛行だとピントに迷いが生じてしまいますね…
地上ではラファールのスタッフがくつろいでいました。航空祭で折りたたみ椅子、日本じゃ怒られるやつ…

ここが涼しいんだろうな…

さて、ここからは一旦飛行展示を離れ地上展示を見に行くことに。地上展示のエリアは飛行展示の見学エリアから少し離れていたので、スーツケースを持って移動します。まずいたのはルーマニア陸軍の新型装輪装甲車、ピラーニャV!96式などと比較してもかなり背が高かったように感じました。最近の装輪APCはどんどんデカくなりますね…

ピラーニャV、ルーマニアには2018年から導入

次に目についたのは英国世旅客機で最も成功したことで名高いBAC1-11!ルーマニア空軍創設100周年記念塗装ですね!しかしBAC1-11ですか…いつの機体だよ…B737やA320と比べてかなり主翼が低かったのが印象的でした。CRJ700みたいな感じですね

BAC1-11!まさかの!!
機内の入り口が尾翼下にも!

BAC1-11を堪能した(撮影当時はフォッカー100と勘違いしていた)後は、再び陸戦兵器を見に。
これは日本でもお馴染みHIMARSですね。ルーマニアも最近導入しました。迷彩色の上に貼られたラウンデルが目立ちますね。

キャビンのポン付感が好き

その他UGVや地雷処理装置

UGV
地雷探知装置と思われる

続いてはルーマニア陸軍に四両しかいない対地雷伏撃防護装甲車(MRAP)、クーガーHEです。EOD部隊に配備され、かつてはアフガニスタンに派遣されていたそうです。米軍の砂漠迷彩に見慣れていると、東欧仕様濃緑迷彩が新鮮で良いです。

ごつい

地上展示はまだまだ続きます。続いてはソビエトの傑作複葉機An-2!おそらく退役機でしょうが、今でも民間団体によりとても綺麗に維持されています!今でも飛べるようです。

今でも愛されているようですね

続いては外来機、元西ドイツ陸軍、現在はドイツ空軍所属のCH-53G輸送ヘリコプターです。すでに米軍では消え、日本で見れなくなって久しい機体ですがこんなところでお目にかかれるとは。しかし、後継のCH-47Fが入ってきてるので見られるのも残りわずかでしょうか…

CH-53G、デカい!!

地上展示最後はルーマニア空軍のF-16A戦闘機!機体の隅々まで人に囲まれてて撮影が大変!ついにMig-21が退役したルーマニア空軍にとって唯一の戦闘機です。これからF-35Aも入りますが、まだまだ頑張ってほしいところです。

F-16の流麗なキャノピーがよくわかる。

再び飛行展示に戻りまして、飛ぶのはルーマニア空軍F-16A!
格納庫でルーマニア企業の出店を見ていたらいつの間にか飛んでてビックリ、大慌てでレンズを構えましたが、割とすぐ飛行展示が終わってしましました。気づくのが遅かった…

フレアを盛大にまいていく
腹を見せてくれる
シンプルな上がり
A/Bのパワーで曲がっていく

初めて飛んでいるところを見たF-16がルーマニア空軍っていう日本人はなかなか居ないんじゃないですかね?米空軍のF-16も飛んでるところを見たことがなかった気がします。そもそも初海外エアショーがルーマニアな時点で大概ではありますが…
次の機体は再びプロペラ機、オリジナルに近いYak-52(lak-52)です。正直私に見分けはつきません…ソ連練習機に詳しいオタクは是非ご教授ください…

最初だけ四機編隊で登場
主翼のテーパ―がよくわかる。
ギアダウンで直上を通過!
お手振りいただきました!

レシプロ前脚機、いいですね…
続いてはヘリコプター!アエロスパシアル・アルエットIII(SA316)をルーマニアのIAR社がライセンス生産したIAR-316です。

ちょっと古めかしい
二機で堂々たる行進
カッコいい!!
足置きがルーマニア国旗カラーなのが良い
反転上昇!

我が国とは全く系統の違う、平原にあわせた迷彩塗装をが印象的な機体でした。黄色系は日本では見ませんよね…
再びの登場、IAR-99、今回は二機編隊での展示飛行です。

二機編隊
パイロンもある
おなかのライン
バンクして去っていく

続いては日本でもおなじみ傑作輸送機C-130Hハーキュリーズ!安心しますね。

こう見ると意外とギアがでかい?
ローパスを決める
良い突っ込み

日本じゃ灰色のH型ハーキュリーズを見る機会は減りましたからね..
再びアエロスパシアルのライセンス機、SA-330ピューマをライセンス生産したIAR-330L SOCATです。ルーマニアはMi-24を導入しなかったので、IAR-330に機関砲とロケットポッドやスパイク対戦車ミサイルなどを装備した改修型がそこそこいます。機首部分のチェーンガンや暗視装置が特徴的です。

三機編隊!
お手振り
双発なのがよく分かる
原型機にはない武装パイロン
輸送ヘリにも見えるが攻撃ヘリ。

我が国陸自は対戦車ヘリコプターを全廃するらしいですが、せめて武装UHは残してほしいですね…
さて、再び輸送機。ルーマニア空軍のイタリア製傑作軽輸送機C-27Jスパルタン!

三機編隊で進入
なんか一機だけ遠かったので
ウクライナ空軍のマークが見える
速い!
輸送機がしていい動きではない
六翅プロペラ
エルロン分割されてるのか

日本に導入してほしいという声が一部では聞かれますが、まぁ要らんのではなかろうかというのが実物を見た感想になりますかね。これ入れるならC-2とCH増勢した方がいいと思います。
一瞬だけ登場、ルーマニア政府所有のH145Mです。日本人はBK-117 D3と言いたくなりますが、堂々とAIRBUSと書いてあるのでなかなかごまかせなさそうです。救難ホイストを装備して救難の実演を行っていました。

H145M
救助隊員の服は日本と同じ。

レジ番がわからずどこの機体か調べるのに苦労しました。
続いては再びエレクトラEA-330、この時間帯からいよいよ雲が厚くなり日もだんだん傾いてきて撮影にはかなりつらい条件に。

相変わらずの密度
集団で旋回
地上から上げたスモークに
突っ込む!!
僚機の周りをロール

アクロバット機って、撮ってて楽しいんですよね。
ところで、会場の警備はルーマニア軍の皆さんが着剣装備で巡回していたんですが、それとは別に儀仗装備の兵隊さんが行進していて、とてもかっこよかったですね。ボルトアクション小銃と長い銃剣が素敵です

サーベル装備の隊長
警備の兵隊さん

続いて空に上がったのはYak-52シリーズ、併せて九機!こいつら一応50年ものの機体ですよね…いうてF-15もそんなもんか…

Iak-52(無印)前輪式
こちらがIak-52TW 尾輪式 表面がひどい
九機による大編隊
綺麗な矢印編隊
再び合流
ブレイク!

次のフライトはハンガリーの民間団体所有、Mi-2輸送ヘリコプター。たしか製造メーカーはPZLでしたか。ヘリのくせにドカドカスモーク炊いた迫力ある飛行をしてくれます。

このQR読み込むと団体HPにつながる
ラファールと
ドカドカ焚く
カッコいい

Mi-2といえば60年代のヘリですよ、平然と飛んでるの恐ろしいですね…
再びピタラス系列、スロベニア空軍のピタラスPC-9です。スマートでカッコいい胴体に濃い迷彩色が素敵です。

PC-9
パイロンが豊富
主脚収納部分が光ってる!
濃いですね…

続いては東側アクロバット機の傑作Su-31!リトアニアの個人所有機らしいです、昔日本に来たこともあるらしい?

Su-31,細い!
低く離陸!
スモークを長く引いてダイブ!
なんか凄い機動
こんな機動
スマートでカッコいい!

図鑑で小さいころに見た機体ですが、こんなにかっこいい機体とは思っていませんでした。ほかのアクロバット機と比べても明らかにスマートすぎる。四式戦闘機みたいな印象ですね。
再びDC-3とエレクトラの登場。もう驚かないゾ。

DC-3とMig-15、ここは朝鮮戦争か?
DC-3とエレクトラの編隊飛行!
意外と時代差ある編隊
スモークの上を抜ける

再び遠心式ターボジェットを響かせてMig-15がタクシーアウト、伝説の機体をこんなに近くで見ることができて感無量であります。

思ったより太い気がする
増槽つくだけで見た目四割増し
さらに近い!
稲妻!
おっさん、そこ代われ
航空技術の進歩…
並ぶともっと良い

続いてはありとあらゆるスポーツ、モータースポーツ、航空ショーに金と自前チームを突っ込むことでおなじみRed Bullの皆様、まじで彼らの力はすごくて、会場の飲料販売ブースにはでかでかとレッドブルの旗が掲げられ、レッドブルを大量に売りさばくほどの力を持っています。私は水を二本買いましたが。

飛ぶ広告塔
腕は確か。
背中合わせで突っ込む!
各機の尾翼には機体記号が
前機背面上昇、狂気!

日本ツアーしてくれないですかね…普通に人気出そうなもんですが、航空祭にスポンサーつけるのはなかなか厳しそうだから出来ないかなぁ…
次はルーマニア空軍のF-16A、二機編隊での進入です。翼端レールランチャーに装填されているのはAIM-9Lでしょうか。

奥にピント合っちゃった…
暗くなってきた、つらい。
全遊動式の水平尾翼がなせる技
T/Gに向かう
地面を力強く蹴りあげる

F-16Aをまだまだ使うというのは大変でしょうけど、ルーマニア空軍にはF-35Aまではこれで頑張って欲しいと思います。
さて皆様、航空祭に行くときは当然カメラのバッテリーは二つほどフル充電して臨まれると思いますが海外エアショー初参戦の私は予想以上の飛行間隔によりこの時フル充電のバッテリー一つをすでに使いつぶし、もう一つも残り20%少々と大変まずい状況に追い込まれていました。ここで私は非常に重要な決断を下したのです。「撮影を減らそう」と…
残り20%でまだ独ユーロファイター、仏ラファールのラスボスが控えています。ここでプロペラ機をガチって肝心の連中を撮れない…となったらどうしようもないので、最低限の撮影にとどめよう。そう決意しました。
日本でこんなにも連続して飛ぶことはないですから、バッテリー消費というものを完全になめていたと思い知らされました…EVFで連写しまくってたらそりゃバッテリーを一瞬で消費しますよね…反省です。
ここからはかなり数が減ります。
ルーマニア空軍MB-339、三回目の登場です。

IKEA(大迫真)
直線~

そしてギリシャ空軍T-6テキサン2、音の質がこの機体は全く違いますね。

お手振り
着陸する

そしていよいよ本丸其の一、ドイツ空軍のユーロファイターデモチーム

一機のみ
タクシーアウト、いい音!
ハイレート
ハイレートからの反転
一瞬の夕日を背景に
どこか直線的
前縁フラップが特徴的
綺麗な炎をはいて
着陸してスポットイン

ヘリの最後はIAR-330L、フレアをばらまきます!ヘリがこんなに撒いてくれると海外に来た甲斐があると感じますねぇ。

結構派手に撒く

続いては…なんかよく分からないグライダー
盛大にスモークを撒きながらまっすぐ降りていきます。作ってみたいですね。

グライダー

さぁ、いよいよ最後の機体です。フランス空軍が誇る第4.5世代戦闘機ダッソー・ラファール!2024年のラファールデモチームの記念塗装機がスネクマM88を高らかに唸らせて前進します。美しい!とても美しい機体です!

美しい
キャノピーが大きいですね
大観衆
離陸待ち
綺麗なスぺマ、大好物
おなかのデザインもいい!
三色旗はフランスの誇り
あまりに綺麗な曲線
暗さが残念過ぎる。
カナード下に90年記念ロゴが
粘って粘って着陸する

いやはや、素晴らしい展示飛行だった…
新田原の外柵で離着陸を狙うのがバカらしくなるほど素晴らしい。
暗かったのと、途中でバッテリーが切れ、ごまかしつつの撮影となったので写真としてあまり残せなかったのが悔やまれます。いつかリベンジしたい…
カメラのバッテリーも切れたので会場を後にします。

この緩い雰囲気、素敵ですね
空冷星型エンジンにペットボトルが…?

初めての海外エアショーでBIASを選んでよかった!心からそう思えるあたたかいエアショーでした。

ルーマニア空軍のみなさん、ありがとうございました!

行きはタクシーでさんざんな目にあったので、観光も兼ねて歩いて北駅近くのホテルに向かいます。大通り、車はたくさんいるのに歩いてる人がだんだんいなくなります。いよいよ暗くなりだんだん寂しくなってきますね。

歩道って、知ってるかな…?

目抜き通りをひたすら歩きます。なかなか虚無です。バスもタッチ決済使えるか若干怪しくひたすら歩くしかない。(追記:普通に使えたらしい。)

ルーマニア国旗色に彩られた噴水
報道の自由の館、共産主義政権時代から新聞社本社が入っています。
手前は革命後設置された反共産主義の戦いの記念碑「翼」です。
ブカレストの凱旋門、本家パリにも負けない立派なものです

凱旋門についたあたりで私の体力は限界を迎え、Uberを使い北駅へ。行きの数分の1で行けて今更ながらタクシーの運転手のふてぶてしい顔が思い起こされ腹が立ちます。「びぃっぐどらふぃっくwww」じゃねえよ、シバくぞ。

五分ほどで北駅前のホテルに到着。二日ぶりの風呂に感謝し、ゆっくり休んでバッテリーと体力の回復に努めました。

今回の記事はここまでです。ありがとうございました。次は高専カンファレンスin富山参加記録、ルーマニア・オーストリア編となるでしょう。


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