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キルティング、メープルシュガーづくり|第3章 新しい国での生活|アメリカでの40年間(1821-1861)

Forty Years of American Life 1821-1861
Thomas Low Nichols


キルティング

キルティングはとても女性的な手仕事で、表向きはベッドキルトを作ることになっています。ですが、これは社交の場としての集まりで、おしゃべり、お茶会、おそらくちょっとしたゴシップやスキャンダルを聞いたりしました。そして夜には男っ気が加わって、いい出会いがありました。多かれ少なかれそういったお楽しみと戯れが含まれます。

キルトの表面は、女性らしい勤勉さによる見事な成果、パッチワークで彩られます。裏面はより控えめなキャラコで、内側は綿またはウールが入っています。全体は膨大な数のステッチで構成された精巧な模様のキルティングでまとめられています。枠の周りに座れるだけの多くの老若男女が布を囲み、縁から始めて枠を丸め込みながら徐々に中心に向かって作業を進めていきました。

これは社会的な事業なのです。だって、キルトは大きいから部屋を占領してしまうでしょう?ひとりふたりで作業したら時間がかかって邪魔になるでしょう?だからみんなで集まって作業するのです。言い訳ですけれどね。


メープルシュガーづくり

サトウカエデは、森の地面が2〜3フィートの雪に覆われている早春に採取すると、大量の甘い樹液が得られます。桶にためた樹液は、空き地につくったキャンプ場に集めて、おいしいシロップや砂糖になるまで煮詰めます。森の中、薪の火の上に大きな鍋がゆらゆら揺れています。ヘムロックの枝が敷物代わりに雪の上に広げられます。夜になると、若い男性と乙女たちが火の周りに集まります。いよいよ樹液が煮詰められてメープルシュガーになると、雪の上にたらして固めてキャンディーにしたり、結晶化して砂糖になったりするのです。これは田舎での最も楽しい集まりのひとつです。

冬のそり遊びについてはすでにお話ししましたね。夏はというと、山や野原でワートゥルベリーやブルーベリーを摘むパーティーが開かれ、丘の斜面や荒れた牧草地では大きくておいしいラズベリーやブラックベリーを摘むパーティーが開かれます。


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