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#77【東洋医学】アレルギー性鼻炎(花粉症)に対する奇形治療

奇形治療の書籍も出版された高野耕造先生による、花粉症に対する奇形治療について紹介します。

1.花粉症の弁証

まず、花粉は外邪です。
そしてくしゃみ・鼻水・鼻づまりは風邪症状と類似しています。
そのため、花粉症は傷寒論で言う太陽傷寒証であるという見方ができます。

また目のかゆみを訴えることもあります。
目のかゆみとなると陽明の問題のようですが、陽明経の病は腹部症状が呈するときなので、目のかゆみについても表証であるとういことが言えます。
(そのため、花粉症は浮脈を呈することが多いようです)

目のかゆみにとどまらず、目の充血やのどのかゆみなどが併せてあれば、それはの症状とも言えます。

あるいは鼻水が大量に出るという症状もあります。
これは固摂作用の失調というようにも見れます。つまり、衛気の虚です。

2.陽維脈

全身の皮肌部に対応する奇形が陽維脈になります。
陽経脈は全身の浅いところを通っており、全ての陽経をつないでいる奇形が陽維脈だからです。ですので花粉という外邪に対抗する力をつけるという意味では、陽維脈にかかわる経穴を選穴するのが良いでしょう。

起始穴である金門、郄穴である陽交、あるいは風池(去風作用があり、解表効果も高いため花粉症には欠かせない)などを選ぶと、陽維脈が疎通されると考えられます。

刺鍼だけでなく、金門と陽交にパルスをするのも、疎通に効果的です。
また風池に関しては鼻水の改善に効果的です。

陽維脈の八脈交会穴は外関となっていますので、外関ー足臨泣の組み合わせもいいかもしれませんね。
少陽経の疎通は、前後の陽明経と太陽系の両方に影響を及ぼすことができます。

3.衛気の虚

気虚の体質で衛気の虚が考えられる場合は、金門や陽交にお灸をするのが効果的だと言います。
また督脈との交会穴である風府と瘂門に灸頭鍼などをすれば陽気を補うことができ、これも衛気の虚に効果的です。

陽維脈には気を補うツボは存在しません。
気を補うという場合は、任脈上の中脘や関元を使用しましょう。

4.陰陽カップリング治療

陰陽カップリング治療として、陽維脈と一緒に陰維脈を治療するのもおすすめです。

高野先生によれば、陰維脈には営血が貯蔵されています。陰維脈のツボを刺激することで、正経脈中に貯蔵された営血を放出して全身を滋養することができます。

選穴は陽維脈なので内関で良いかと思われます。
内関ー公孫の組み合わせがいいかもしれませんね。


以上、奇形八脈を利用した花粉症治療についてです。
奇形八脈の機能について理解が深まれば、さまざまな証に対応した奇形治療ができるようになりそうです。面白いですね。

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