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シャープも実践!”エンタメ度99%の広告”とは? 共感を得られる次世代の広告手法

「聖地巡礼」の代名詞にもなった「君の名は。」や「ラブライブ!」。競馬を擬人化したことで注目を集めた「ウマ娘」。これらのコンテンツは、単なる映画やアニメ、ゲームといった枠組みを超えた、様々な影響・経済効果を生み出しています。今回は、そんなエンタメコンテンツをフックとした企業のブランディングについて、最新事例を交えてお話します。


エンタメ度99%広告「エンタメブランディング」とは?

エンタメコンテンツをフックとした企業のブランディング、トレンド・プロではこれを「エンタメブランディング」と呼んでいます。

上記の例だと、
「君の名は。」は岐阜県飛騨地方
「ラブライブ!サンシャイン」では静岡県沼津市
の地域ブランディングに大きく貢献しています。
「ウマ娘」は、これまでの競馬のイメージを一新し、
様々な層のファンを競馬界に取り込みました。

他にも最近実写ドラマ化した「正直不動産」は不動産業界のブランディング、4月から始まるアニメ「バーディーウィング」ではゴルフ界のブランディングになっています。

なぜ、近年このようなエンタメブランディングが注目されているのか。
それは、広告という媒体のあり方自体が見直されつつあることが理由です。
情報量が少なかった時代はアピールポイントをダイレクトに伝えたいわゆる「広告」がターゲットに届いていましたが、SNSやwebで毎日膨大な量の情報が行きかう近年は、そういった広告は届かなくなっています。
(youtubeで見たい動画の前に広告が流れてきたら反射的に飛ばしてしまいますよね。)

だからこそ、今後の広告はコンテンツの力を借りて、ターゲットに「伝わる」広告形態とすることが大切なのです。

でも、映画制作やアニメ制作はコストと手間がかかりすぎるため、中々手が出しにくいのが現状です。
そこで、アニメなどと比べると低コストで制作できるマンガを使ったエンタメブランディングを私たちは提案しています。

…とつらつら書いていますが、「結局どういうものなの?」というご質問にお答えするべく、最新の事例をご紹介します。


エンタメブランディングの例:シャープ株式会社


マンガを使ったエンタメブランディングの例として、シャープ株式会社を挙げます。シャープが立ち上げた美容家電ブランド「beauté A」(ボーテアー)のPR施策として、漫画家の弓家キョウコ先生とタイアップしてオリジナルの恋愛マンガを制作しました。この案件には私も編集担当として参加しています。制作したマンガは、弓家キョウコ先生のInstagram・Twitter、beauté AのInstagramアカウントからそれぞれ配信しました。

第一話:https://www.instagram.com/p/CX0XaG3l5Pc/
第二話:https://www.instagram.com/p/CYtCd8Dl-KO/
第三話:https://www.instagram.com/p/CZRCpWsJ7IX/
第四話:https://www.instagram.com/kyoko_yuge/?hl=ja

「マンガを使ったプロモーションはしたいけど、広告色の強いものにはしたくない」
という要望から、エンタメブランディングマンガを制作することになりました。

マンガは、過去の経験から恋愛に臆病になってしまった主人公(20代後半女性)と、そんな女性に淡い恋心を抱く同僚の後輩男子が一歩を踏み出すまでを、全4回に渡って描きます。「beauté A」のメイン製品であるドライヤーを想起させる、「濡れた髪」がマンガの一部に出て来るものの、製品自体は登場しません。

もちろん、製品について細かに言及もしていません。

ここが一般的な広告マンガともっとも異なる点です。
とはいえただのエンタメマンガとして出すのでは、読者にbeauté Aについて知ってもらえないという懸念があったため、マンガの最後に、イラストを用いたPRページ(制作:株式会社スタイルメント)をつけています。

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有名漫画家と企業のタイアップ広告は、一般的な広告と比べて多くの読者に見られやすく拡散力がある一方、一部の読者からは「PR案件」としてマンガの内容に関わらず毛嫌いされてしまう可能性もあります。
しかし、このマンガシリーズは、公開後すぐにコメント欄が「キュンキュンする!」「早く続きを読みたい!」などの感想が沢山寄せられ、PR案件としては異例の盛り上がりを見せ、弓家キョウコ先生のファンからとても好意的に受け入れられています。

これも、エンタメブランディングマンガの強みです。


制作の裏側

よりリアルで美しい絵とするため、弓家先生はいつも背景を描く時、実際の風景を写真に撮って作画されています。
そこで今回は3話に登場する居酒屋のシーンの背景として、トレンド・プロのオフィス付近のお店に許諾をいただきロケハンさせていただきました。
私にとっては初めてのロケハンだったのでとても新鮮でした…!
(通常、広告マンガでは正確な背景作画や機械の詳細を描く時以外、ロケハンには行かないのです)

お伺いしたのは、虎ノ門駅近くの「海鮮・寿司 舞」さん。
ネーム(マンガの設計図)と店内を見比べて、絵の構図に近い場所を撮影していきます。

▼撮影の様子

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背景だけではなく人物のポーズなども写真に撮ります。
(先輩編集者が女性役、私が男性役です。緊張した…笑)

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このロケ写真がどう活かされたか…はぜひ、Instagramの投稿をご覧ください!


おわりに

いかがでしたか?
「エンタメブランディングマンガ」を少しでも身近に感じていただけたら嬉しいです。

新たなPR手法として注目されるエンタメブランディング、ぜひ活用してみてください!

p.s.

ロケハンついでに、「海鮮・寿司 舞」さんにて、弓家先生とランチしました。
なんとメンバー全員今回のマンガと同じような経験をしたことがあると判明…!
恋バナが止まりませんでした。笑

そして、ブリあぶり定食もめちゃめちゃ美味しかった…!
聖地巡礼として「海鮮・寿司 舞」さんに行ってみても楽しそうですね♪

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