「秩序がある」かつ「子どもが伸び伸びとしている」授業を実現するにはどうしたら良いのでしょうか?
どうも!三連休なんの予定もないT.Puです!
あまりにも暇なので、相棒に聞いてみました。
・・・。つくづくつまんない人間だなと思いつつ、やることもないので知的活動に勤しむことにします。
さて😢
知的活動(読書)に勤しんでいたら、素敵な本に出会いました。
この本、理論だけ、実践報告だけに終始するのではなく、理論と実践がうまく結び付けられていています。また、僕がこれまで読んできた本をコンパクトにまとめたような本でもありました。
できれば書いてある内容を全部紹介したいところではありますが、そんなことしていたら数ヶ月かかりそうです。よって僕の困り感をもとに問いを立てた上で、この問いを本書を使って解決していくというスタイルをとっていきたいと思います。
ではまず、「問いを立てる」ことから始めましょう!
みなさんには理想の授業がありますか??
恐らく、多くの先生方が「子どもが伸び伸びと学べる、楽しい授業がしたい!(学力が上がる前提として)」と思われているのではないでしょうか??
しかし「伸び伸びとさせる」ことにはリスクもつきものです。実際、僕は伸び伸びを意識しすぎて学級がわちゃわちゃになってしまったという失敗をしています。
だから、「学習規律」などで子どもが秩序をもって学習に取り組めるようにしていくわけですが、それも行き過ぎると子どもの主体性を損ねてしまいます。
この塩梅で多くの若手は苦労しているのではないでしょうか??(僕はめっちゃ苦労してます!!)
でも、みなさんご存知の通り”秩序はありつつも、子どもが伸び伸びと学んでいる授業”を実現している先生は実際にいらっしゃいます。
では、このような先生はどうやって”秩序はありつつも、子どもが伸び伸びと学んでいる授業”を実現しているのでしょうか??
この問いを本書を使って解決していきたいと思います!!
それではよろしくお願いします!!
大雑把な結論から言うと、「学級経営」です。
本書では、うまくいっている学級の構成要素を、現場への教員へのアンケートをもとに分析しています。その結果、4因子が抽出されました。
受容的、心情的に相当する「受容」。生活規律に関係する「しつけ」。学級内の一体感である「和やかさ」。子どもがルールを守る「秩序」、これらの4因子でした。
これらが存在する学級は順調な学級であるそうです。興味深いのがこの4つの因果関係です。みなさんはどんな因果関係があると思いますか??
どんな因果関係があるかというと、「受容」が「しつけ」と「秩序」を生み、「受容」と「しつけ」が「秩序」を生み、「秩序」が和やかさを生む、といった因果関係です。そして「和やかさ」が生まれれば、秩序はありつつも、子どもが伸び伸びと学んでいる授業”が成立する素地ができるのだと思います。
この図によれば、僕たちがまず何から始めなくてはいけないかが明確に見えてきます。「子どもを受容すること」です。
・子どもが話しかけてきたら仕事の手を止め傾聴する
・子どもの感情に寄り添う反応をする 例)「悔しかったね」「嬉しかったね」
・ちょっとした頑張りに気付き、認める。努力を評価する。
・個々の違いを尊重する
・困っている時はいつでも助けられる姿勢を示す
などがあると思います。こういった受容的な姿勢を示すことで「しつけ」や「秩序」の指導が通りやすくなっていくと言います。
そして、「受容」とほぼ同時進行に進めなくてはいけないのが「しつけ」です。本書では、「しつけ」を”人としての礼儀作法や振る舞いを身につけさせること”と定義しています。
そして人としての礼儀作法や振る舞いを具体化した人物像として以下を挙げています。
僕はこれに激しく共感します。このような人物を育てられたら、教員としては嬉しいです。
少し話がそれましたが、「しつけ」とは主に対人間との関わりで必要となる力を身につけさせることであるということです。
より具体化すると、
1時間を守る
2周りを綺麗にする
3言葉を綺麗にする
このようなことを「しつけ」ることで、次の「秩序」づくりにつながっていきます。
「受容」と「しつけ」がうまくいけば、今度は「秩序」づくりも行いやすくなります。
本書では、「秩序」の構造要素を「しつけ」と「手順」に分けています。お気づきの方もいらっしゃると思いますが、「秩序」の構成要素自体に先ほど説明した「しつけ」が入っているので、ここで言う「秩序」づくりは「手順づくり」のことを指します。
手順とは言葉の通り、「朝登校してきたら何をすれば良いのか」「掃除はどのようにするのか」「給食当番はどのようにすれば良いのか」「休み時間はどう過ごせば良いのか」といったものです。
これが定まっていない学級は、子どもが各々自分の判断で行動するしかなくなります。そうなると、子どもは不安になるし、喧嘩も増えるし、混乱も増えるしで教室内の秩序は乱れていくことでしょう。
だから、こういった手順を定着することは学級の安定には必須なのです。手順の定着には以下の3ステップを踏みます。
1説明する:伝える、説明する、手本、実演してみせる
2練習する:指示のもと、手順を練習する
3強化する:再度教え、練習し、定着するまで強化する
ここまでして、手順は子どもたちのものになるのです。
さて、「教師に受容してもらえる」「人間関係で必要な能力が各々に備わっている」「みんなが学級内での過ごし方を知っている」集団は子どもにとってどうでしょう??
きっと居心地の良いものになるに違いありません。雰囲気は「和やか」になるでしょう。
「和やか」になれば、授業でも失敗を恐れなくなります。友達との関わりを躊躇わなくなります。結果、授業は子どもが伸び伸びと学べる場になるでしょう。
結論です。主題に戻ります。
秩序はありつつも、子どもが伸び伸びと学んでいる授業”を実現しているのでしょうか??
それは・・・「受容」「しつけ」「秩序(手順づくり)」「和やかさ」の関係を意識した学級経営を行うこと。
なのではないでしょうか??
「個別最適な学び」「協働的な学び」
それを実現するための「複線型の授業」
その一つである「自由進度学習」
色々授業の方法論が出てきています。いずれも子どもが伸び伸びと学べるようにするものです。
こういった学びに対して、「うちの学級では無理だ」と思うことがあります。
でも、そう思うのはこのような学びに向かうための基盤となる学級経営が不十分だったからであり、基盤を固めることができれば恐らく実現可能なものになるのだと思います。
僕たちは「個別最適な学び」「協働的な学び」の方法論を探るだけではなく、それらの学びが成立するための「学級経営」についても再度考え、実践していく必要があるのではないでしょうか??
ここまで読んでくれて、ありがとうございました!!良い3連休をお過ごしください!
余談です。最近、良い読書術を発見して!共有させてください。
その名はズバリ、「しおりメモ」です!
京大カードをしおりとして挟んでおき、大事なことをメモしていくのです。これによって、いつでも、どこでも本の内容をアウトプットすることができます!
皆さんも良い読書術があったら教えてください😊