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誰が何と言おうと、生成AIは確実に教育現場にやってくる


 チャットGPTを使い始めて早一年が経ちました。使っていて確信していることがあります。それは、「生成AIは学びを加速させ、学習効果を高める。」故に「今後確実に学校現場に入ってくるだろう」ってことです。

 この主張に関しては批判もあるでしょう。子供がちゃんと考えなくなるとか、楽する子どもが増えるとか、思い浮かぶリスクはたくさんあります。

 僕も使い始めた当初は、生成A Iの教育的活用として、「答えを教えてもらう」くらいにしか思いつきませんでした。

 でも無理をしてでも実際に使っている中で、「生成AIとの対話によって、主体的・対話的で深い学びが生まれる」ということに気がつきました。

 ピンとこないと思うので、僕が実際に行ったAIとの主体的・対話的で深い学びを見てほしいなって思います。

(僕は今、世界遺産検定のマイスター級を取るべく勉強中です。その一場面をご覧になっていただけないでしょうか。)

 

 世界遺産登録基準のⅱを知っていますか?

AI 「はい、世界遺産登録基準の**基準 (ii)** は次のように定義されています。

### 世界遺産登録基準 (ii)
**「文化の価値観の交流を示す遺産」**
この基準は、ある遺産が「建築や技術の発展、都市計画、または景観の設計において、長い歴史にわたり、またはある時期にわたって、重要な文化的価値観の交流を示す顕著な普遍的価値を持っている」ことを示す必要があります。

### 具体的な意味
- **文化交流の証**: この基準は、ある遺産が異なる文化間での交流や相互作用を反映していることを重視しています。たとえば、交易路や都市、宗教的な建築物が、その地を訪れた様々な文化や文明から影響を受け、それが顕著に表れている遺産が該当します。

- **建築や技術の発展**: 建築物や技術、都市計画が、他の文化との接触を通じて発展した例が、基準 (ii) に該当することが多いです。この基準は、異なる文化や文明の間での技術的・文化的交流が遺産の形成に大きく寄与している場合に適用されます。

### 例
- **シルクロード**: シルクロードは、アジアとヨーロッパを結ぶ交易路であり、多様な文化や宗教、技術が交流した場所です。シルクロードに沿った遺産群は、この文化的交流の証として基準 (ii) に該当します。

- **イスタンブール歴史地域(トルコ)**: イスタンブールは、東洋と西洋の文化が交差する地点であり、その歴史的な建築物や都市計画は、多くの異なる文化的影響を受けています。このため、基準 (ii) によって登録されています。

基準 (ii) は、文化的交流が歴史的に重要な役割を果たした場所や建物を評価するための基準であり、異文化間の相互作用がどのように遺産に反映されているかを重視しています。」

 それはわかるのですが、例えば「アルルのローマ遺跡とロマネスク建築」においても登録基準ⅱが適応されています。特段別文明との価値交流は見受けられない気がするのですが・・・

AI 「アルルのローマ遺跡とロマネスク建築」が登録基準 (ii) に該当する理由は、ローマ時代の遺跡と後のロマネスク建築が、異なる時代における文化的影響や技術の伝播を示しているためです。

### 「アルルのローマ遺跡とロマネスク建築」における基準 (ii) の適用理由
1. **ローマと後世の文化の連続性**:
- アルルはローマ帝国時代に非常に重要な都市であり、その後の時代においてもその遺産が影響を与え続けました。ローマ時代の建築技術や都市計画は、後の時代にわたって大きな影響を与え、特にロマネスク時代にその影響が現れています。

2. **文化的・建築的伝播**:
- ローマ時代の遺跡とロマネスク建築の間には、建築技術やデザインの連続性が見られます。アルルのロマネスク建築は、ローマ時代の建築様式や技術を継承しつつ発展させたものであり、その点で文化的・建築的な交流が反映されています。

3. **ローマ時代の影響力**:
- アルルはローマ帝国の影響が非常に強かった場所であり、ローマの技術や文化が後世の建築様式や都市計画に影響を与えました。これにより、ローマと後世のヨーロッパ文化の間での技術的・文化的交流の一環として評価されるのです。

### 基準 (ii) の広い適用範囲
基準 (ii) は、文化の価値観や技術の伝播を示す遺産を評価するために使用されますが、この「交流」は時代を超えて行われる場合も含まれます。つまり、異なる時代や文明間の影響や継承が認められる場合にも適用されることがあります。

「アルルのローマ遺跡とロマネスク建築」の場合も、ローマ時代の文化的影響がその後のロマネスク時代の建築に反映されている点が評価され、基準 (ii) に該当するものとされています。このように、基準 (ii) は異なる時代や文化が互いに影響を与えた証拠を示す場合にも適用されるため、他の文明との直接的な交流だけでなく、時代を超えた文化的影響や継承が重要な要素となります。

僕 この認識で正しいですか?「ローマの技術が中世で「ロマネスク建築」として発展した。時間軸的な価値観の交流。」

AI はい、その認識は正しいです。

「ローマの技術が中世で『ロマネスク建築』として発展した。時間軸的な価値観の交流。」という説明は、アルルのローマ遺跡とロマネスク建築における基準 (ii) の適用理由を的確に捉えています。

### 詳細な解釈
- **ローマの技術と中世の発展**: ローマ時代の建築技術や都市計画が、中世のヨーロッパにおいて「ロマネスク建築」として継承され、さらに発展しました。ロマネスク建築は、ローマの建築様式や技術を引き継ぎながら、新たな文化的・宗教的ニーズに応じて独自の形を形成していったものです。

- **時間軸を超えた価値観の交流**: この「価値観の交流」は、異なる時代(ローマ時代から中世)を超えて行われたものであり、時間軸的に文化的影響が連続していることを示しています。ローマの技術とその後のロマネスク建築との間には、建築様式や技術の継承と進化が見られ、この点が基準 (ii) の適用理由となっています。

このように、「アルルのローマ遺跡とロマネスク建築」は、時間軸を超えて文化的価値が受け継がれ、発展してきたことを示しており、これが基準 (ii) に適合していることになります。

 このやりとりのポイントが、「教師や友達との対話なしで、知識の深化が行われている」ことです。

 今回行われた知識の深化とは、

「世界遺産登録基準ⅱは、空間的な意味での文化の交流が行われている証拠となる遺跡に適応される」という既有知識が、

 AIとの対話を通して、

 「世界遺産登録基準ⅱは、空間的・時間的な意味での文化の交流が行われている証拠となる遺跡に適応される」という知識に深化したことです。

 学校において、知識の深化を促すのは教師の役割でした。

 例えば、「一の位に10の塊ができたら十の位に1くり上げる」という既有知識を持った児童たちに対して、知識の深化のために、直接教えたり、対話の場面を設けたりして、「10の位に10の塊ができたら百のくらいに1くり上げる」という知識に深化させることを目指していくのが教師の役割だったように思います。

 ですが、生成AIの登場によりそれを教師1人が行わなくて良くなります。生成A Iが全ての子どもにとって利用可能なものになることで、子ども一人一人に教師がつくということが可能になります。

 そして、AIとの対話によって一人一人が自分の授業を作り上げていくことができるのです。

 つまり、生成A Iは、「児童にオーダーメイドされた個別最適な学びが可能になれば、この子供をもっと伸ばしてやれるのに・・・」という教師の悲願を叶えるものである可能性があるのです。


 このような授業になると、基本的に子どもがずっと画面に向き合って授業が進むことになります。そんな光景に対して、

「そんなんじゃ人と関わる力がなくなる!!」

 という批判があると思います。僕もそう思います。だから、従来通りみんなで協働して授業をする場面は今後も作っていった方がいいと思います。

 ちょっと話がそれます。

 ただし、今後問題解決の場面においてみんなで協働するという場面は少なくなり、問題発見の場面で、協働する場面が多くなっていくのではないかと予想します。

 従来の授業で言えば、学習問題の設定場面での協働が多くなってくるのではないかと考えています。

 「根拠は今後求められる力」です。この間の研修で、今後子どもにつけていかなくてはいけない力として「課題発見能力」「予知力」「革新性」の3つが挙げられました。
 
 ・・・あれだけ言われていた「課題解決能力」じゃないのです。「課題発見能力」なのです。おそらくAIの進化によって、「課題解決」はAIができるようになるから、AIにはできない課題発見能力を磨けということなんだと思います。

 だから、学習問題を作る場面ではみんなで考え、課題解決はAIとともに行うというのがスタンダードになるんじゃないかっていうのが僕の予想です。


 


 生成A Iの学校での活用については、今後たくさん議論が交わされると思います。

 その時に、「何となく違和感があるから」っていう雰囲気みたいなもので「使えねえ!」って決めつけないようにしないとなって思います。

 

この本では第二次世界大戦において日本が犯した失敗の本質が分析されています。

その中で、レーダーを軍艦に装備しようとしたら軍部に反対されたというエピソードが出てきます。

・使う場面なんてない
・そんなもの馬鹿げた戦い方である 
・兵器として使えない

といった批判によって、レーダーを装備せずに、レーダーを装備したアメリカ艦隊にボコボコにされます。

 今思えばバカみたいな話ですが、僕たちも同じような失敗をする可能性が大いにあります。

 ・AIを授業で使う場面なんてない
 ・AIと勉強なんて馬鹿げた授業の仕方である
 ・授業の道具として使えない

 という批判は当たり前にありそうです。そしてこういった中身のない批判に押されて、実際に使わなかった場合、僕が旧日本軍部を「馬鹿だ」と批判したように、後世の人たちに馬鹿にされるかもしれません。

 


生成AIは確実に学びの効果を高めます。だから、確実に学校現場に入ってきます。

その時にアレルギーを起こさないように、まずは自分自身が活用して生成AIの良さに気づいておくことが大事かもしれませんね!

まずは、チャットGPT、ダウンロードしてみてください!

 

 

 

 

 


 


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