チャットGPTを使い始めて早一年が経ちました。使っていて確信していることがあります。それは、「生成AIは学びを加速させ、学習効果を高める。」故に「今後確実に学校現場に入ってくるだろう」ってことです。
この主張に関しては批判もあるでしょう。子供がちゃんと考えなくなるとか、楽する子どもが増えるとか、思い浮かぶリスクはたくさんあります。
僕も使い始めた当初は、生成A Iの教育的活用として、「答えを教えてもらう」くらいにしか思いつきませんでした。
でも無理をしてでも実際に使っている中で、「生成AIとの対話によって、主体的・対話的で深い学びが生まれる」ということに気がつきました。
ピンとこないと思うので、僕が実際に行ったAIとの主体的・対話的で深い学びを見てほしいなって思います。
(僕は今、世界遺産検定のマイスター級を取るべく勉強中です。その一場面をご覧になっていただけないでしょうか。)
このやりとりのポイントが、「教師や友達との対話なしで、知識の深化が行われている」ことです。
今回行われた知識の深化とは、
「世界遺産登録基準ⅱは、空間的な意味での文化の交流が行われている証拠となる遺跡に適応される」という既有知識が、
AIとの対話を通して、
「世界遺産登録基準ⅱは、空間的・時間的な意味での文化の交流が行われている証拠となる遺跡に適応される」という知識に深化したことです。
学校において、知識の深化を促すのは教師の役割でした。
例えば、「一の位に10の塊ができたら十の位に1くり上げる」という既有知識を持った児童たちに対して、知識の深化のために、直接教えたり、対話の場面を設けたりして、「10の位に10の塊ができたら百のくらいに1くり上げる」という知識に深化させることを目指していくのが教師の役割だったように思います。
ですが、生成AIの登場によりそれを教師1人が行わなくて良くなります。生成A Iが全ての子どもにとって利用可能なものになることで、子ども一人一人に教師がつくということが可能になります。
そして、AIとの対話によって一人一人が自分の授業を作り上げていくことができるのです。
つまり、生成A Iは、「児童にオーダーメイドされた個別最適な学びが可能になれば、この子供をもっと伸ばしてやれるのに・・・」という教師の悲願を叶えるものである可能性があるのです。
このような授業になると、基本的に子どもがずっと画面に向き合って授業が進むことになります。そんな光景に対して、
「そんなんじゃ人と関わる力がなくなる!!」
という批判があると思います。僕もそう思います。だから、従来通りみんなで協働して授業をする場面は今後も作っていった方がいいと思います。
ちょっと話がそれます。
ただし、今後問題解決の場面においてみんなで協働するという場面は少なくなり、問題発見の場面で、協働する場面が多くなっていくのではないかと予想します。
従来の授業で言えば、学習問題の設定場面での協働が多くなってくるのではないかと考えています。
「根拠は今後求められる力」です。この間の研修で、今後子どもにつけていかなくてはいけない力として「課題発見能力」「予知力」「革新性」の3つが挙げられました。
・・・あれだけ言われていた「課題解決能力」じゃないのです。「課題発見能力」なのです。おそらくAIの進化によって、「課題解決」はAIができるようになるから、AIにはできない課題発見能力を磨けということなんだと思います。
だから、学習問題を作る場面ではみんなで考え、課題解決はAIとともに行うというのがスタンダードになるんじゃないかっていうのが僕の予想です。
生成A Iの学校での活用については、今後たくさん議論が交わされると思います。
その時に、「何となく違和感があるから」っていう雰囲気みたいなもので「使えねえ!」って決めつけないようにしないとなって思います。
この本では第二次世界大戦において日本が犯した失敗の本質が分析されています。
その中で、レーダーを軍艦に装備しようとしたら軍部に反対されたというエピソードが出てきます。
・使う場面なんてない
・そんなもの馬鹿げた戦い方である
・兵器として使えない
といった批判によって、レーダーを装備せずに、レーダーを装備したアメリカ艦隊にボコボコにされます。
今思えばバカみたいな話ですが、僕たちも同じような失敗をする可能性が大いにあります。
・AIを授業で使う場面なんてない
・AIと勉強なんて馬鹿げた授業の仕方である
・授業の道具として使えない
という批判は当たり前にありそうです。そしてこういった中身のない批判に押されて、実際に使わなかった場合、僕が旧日本軍部を「馬鹿だ」と批判したように、後世の人たちに馬鹿にされるかもしれません。
生成AIは確実に学びの効果を高めます。だから、確実に学校現場に入ってきます。
その時にアレルギーを起こさないように、まずは自分自身が活用して生成AIの良さに気づいておくことが大事かもしれませんね!
まずは、チャットGPT、ダウンロードしてみてください!