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『How Will You Measure Your Life』④経営学者が考える最良の子育てとは

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『How Will You Measure Your Life?』Clayton M. Christensen

経営学者である著者が人生の教訓をまとめたユニークな本書。著者の子育てに対する主張は、教育や育児の専門家とは異なる視点からの気づきを与えてくれる。

アウトソーシングのリスク

金銭コストや工数削減などを目的に行われるアウトソーシング。うまく使えば業務効率化につながるが、リスクがあることも理解しておかなければならない。

デメリットの一つとして「目的意識やプロセスが継承できなくなること」があげられる。前回の記事で取りあげたように、企業や個人にとっての資産とは、何を持っているか・何ができるか(what)だけではない。それをなぜ行うかの優先順位の付け方(why)、そして、どのように行うか(how)も重要な資産なのだ。

本当に子どもに教えるべきこと

これは企業に限った話ではなく、個人でも同じことがいえる。僕たちも日常生活の中で何気なくアウトソーシングを使っている。外食、家事サービス、宿題代行などはその例といえるだろう。

特に、子どものいる家庭では効率よく雑務を片付けたいと思う親は多いかもしれない。しかし、Christenenは警鐘を鳴らす。「どのような過程で」「なぜ」雑務を片付けるのか、それを子どもに共有することこそが親としての役割ではないか。アウトソーシングの多用によってその機会が失われてはいないかと。

親が自身の価値観とプロセスを繰り返し示すことによって、子どもは時間をかけてゆっくりとそれらを継承する。子どもを専門機関に預けることによって、手っ取り早くスキルを形成させることはできるかもしれないが、何が正しくて何が悪いかという家族の文化を伝えることはできない。決して子育てに即効性を求めてはいけない。また、身についたスキルだけを重視してもいけない。成功のための経験価値判断基準こそが子どもにとっての財産であって、親が子どもに与えられる最大の贈り物であるといえるだろう。

僕が親になったら子どもにしてあげたいこと

僕にはまだ子どもはいない。だからこそというべきか、この本を読んでからどのように子育てをしてみたいかを考えてみた。

願わくば、子どもと一緒に話せる時間を毎日確保したい。どれだけ仕事が忙しくても、一日の出来事を親子で共有できる場を持ちたい。そして、悩みに立ち向かう方法を子どもと一緒に考えられるようになりたいと思った。

うまくいかないことも多いかもしれないが、正しく導びこうとする親でありたい。決して子育てを丸投げせず、育てることに誇りをもてる親になりたい。そうすれば、きっと、僕自身も幸せを感じられるのではないかと思う。


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