超短編小説『ナンセンス劇場』044
【思春期】
“ガガ…今日のゲ……ガガ…さんは休みの…ガガ……という…”
「おい、これは壊れかけのレディオなんじゃないのか?」
「いや、これは直りかけのレディオなんだ」
「じゃあ、本当の幸せは教えてくれないのか?」
「ああ、残念ながら…」
【デジャヴ】
「はい、チーズ」
「わぁ、ありがとう。これカマンベールチーズね」
「そうよ、フランス旅行のお土産」
「ねぇ、チーズ食べてるところSNSにアップしたいから写真撮ってくれる?」
「いいわよ、じゃあ撮るね。はい、チーズ」
「わぁ、ありがとう。これカマンベールチーズね」
【総合診療科】
「先生、私ぜんぜんモテないんです」
「そうですか、じゃあ、お薬出しときますね。
1日1回寝る前に飲んでください」
「先生、不渡りを出して会社が倒産しそうなんです」
「そうですか、じゃあ、お薬出しときますね。
1日3回、食間に飲んでください」
「先生、世界大戦が勃発しそうなんです」
「そうですか、じゃあ、お薬出しときますね。
核ミサイルが発射される寸前に飲んでください」
【贅沢】
「え~、また牛ヒレとフォアグラのロッシーニ風~…」
「バカモン、世界には牛ヒレとフォアグラのロッシーニ風を
食べられない子供だっているんだぞ。
贅沢を言っとらんで早く食べなさい」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?