超短編小説『ナンセンス劇場』069
小学校1年生のマナブ君は1人でバスに乗り親戚のおじさんの家まで遊びに来ていた。
「あなた、マナブ君たら凄いのよ。
まだ1年生だっていうのにもう掛け算の九九全部言えるんだから」
「ほう、そりゃ凄いな。
じゃあマナブ君七の段言えるかい?」
「おじさん、七の段を言わせようとするところがちょっといやらしいですね。
七の段は九九の中で1番難しい段ですからね。
心の優しい人なら二の段か五の段あたりを訊いてくると思うんですが。
でもまぁ僕は九九を全部覚えているので七の段でも一向に構い