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円安が飲食店に与える影響! 【ラジオ書き起こし】

 ▼ このnoteは、5/14にお話ししたこちらのラジオの書き起こしです。

今回のテーマは、円安が飲食店に与える影響。 このテーマ、すごく長くなっちゃう可能性が高いので、何回かに分けてお届けします。

“ 円安・円高 ” とかって、最近しょっちゅうニュースとかで聞くと思います。メカニズムとか、ややこしい解説は、経済の専門家の方がたくさんいらっしゃるので言及しませんが、ここでは、飲食店に与える影響にクローズアップしてわかりやすくお伝えしていきます。

まず簡単に、円安とはなんぞやというと、日本の通貨である円、日本円が、他の国の通貨より安くなっている、価値が下がっているという状態です。この円安でどんな影響が出てくるのか、大きく分けて5つあります。

① 輸入に頼っている食材が値上がりする。
② 消耗品、石油化学製品が値上がりする。
③ 光熱費が値上がりする。
④ 輸送コストが値上がりする。(・・・もう値上がりばっかりですけど。)
⑤ 海外からの日本の観光旅行が割安になる。

⑤だけはメリットと言えばメリットですね。海外から日本への旅行が割安でできるということで、日本に行ってみようという方は増えるはず。ただ、コロナ禍がダラダラと続いて、まだマスクしてるような状態で、さらにウクライナの危機があって、海外旅行需要が完全には復活してないので、このメリットはちょっと潰されちゃってる形になってます。

となると残りの4つはもう値上がりだけですね・・・。輸入品食材・消耗品・光熱費・輸送コスト、全てが値上がりして影響が出てくるということになります。

この値上がりを受けて、最も動きが速いのはチェーン店で、そこに見習うべきところはすごくあると思います。

チェーン店って大体、何店舗もやっていて、規模の大きさで仕入れを安くしたり、契約が割安でできたりといったことで原価や経費を下げることができてるんですが、こういった値上がりによって料理などの原価が1%上がっただけで、全体で何百万何千万と利益が変わってしまうので、本当にシビアです。

この間、サイゼリヤの社長さんが「これだけ逆風が揃ったことは今までないんじゃないか、円安は全て輸入品に効いてくる最悪の出来事の一つだ。」というようなコメントを出してました。サイゼリヤだとイタリア料理なので、ハム・オリーブオイルとかが影響してきますよね。

あと、中華料理の王将の社長さんも「秋に影響がかなり出てくるかもしれない。特に小麦粉。適正な価格転嫁、メニューの値上げをしないとやっていけないんじゃないか。」とコメントを出しています。

こんな感じで、海外から取り寄せてる食材を国産のものにするとか、あと自分のところで作るとか、メニュー自体を値上げするっていう対策を取るお店がだいぶ増えていくと考えられます。もうかなりリアルに値段が上がってきてるので、チェーン店じゃなくとも、すぐ実行した方がいいって話になりますね。

既に値上げされた代表格としては、小麦粉とかサラダ油なんかがあります。この2つは使ってない飲食店はほぼないだろうっていうようなメインの食材でもありますし、使用量も結構多いものです。さらに輸入のワイン、ウイスキー、お酒全般。それらの品目の平均として、11〜12%値上がりする状態です。

「12%」って、そのぐらいかって思うかもしれないですが、とんでもない金額の差で・・・結構大変なことです。例えば、食材原価率が35%程度の店舗のカレーが1000円で、食材費が12%アップした場合を考えてみましょう。

【原価率35%の1000円のカレー】
食材原価:350円 → 「12%」アップ → 392円
▶︎ 350円で作れていたカレーが392円に!
原価率 :35% → 39.2% ・・・ 「4.2%」アップ

【月の売り上げが300万円の場合】
300万円 × 「4.2%」 = 12万6000円
▶︎ 月に12万6000円の経費が余計にかかってしまう!

これって結構な死活問題で、相当なお店が黒字から赤字になっちゃったり、コロナ禍が終わったけど客足が戻ってきてないお店が倒産してしまうような金額だと思います。これが1ヶ月だったらいいんですけど、1年以上は続くだろうと言われています・・・。

そうなると持たない。じゃあやっぱり値上げをするしかないんじゃないかってことになってきます。

でも、値上げしたらお客さんが減っちゃうんじゃないかっていう心配も出てきますよね。なんとか値上げを最小限にとどめて、努力して乗り切れないかと考えるべきだと思うんですけど、この対策はなかなか難しい。

加工品がかなり値上がりするので、もし加工品をたくさん使っているお店、例えばドレッシングを業者から買っているとか、そういう店はできるだけ自家製にするってことを考えると思うのですが、ただ、それによって人件費が増えてしまうので、今度はそれとの相談っていうことになりますよね・・・。

イタリアンとかフレンチとか、割と高級なお店は何でも自分で素材から作っているお店が多いと思うんですが、想像が簡単なように、元々輸入食材が確実に多くて、さらにワインとかもあるので、値上がりはかなりきつい状態ですよね。なので、この辺をどうしていくかっていうところを、次回お話しようかなと思います。

円安が飲食店にもたらす影響を5つ挙げました。

① 輸入に頼っている食材が値上がりする。
② 消耗品、石油化学製品が値上がりする。
③ 光熱費が値上がりする。
④ 輸送コストが値上がりする。
⑤ 海外からの日本の観光旅行が割安になる。

今回は、1つ目の、「輸入に頼っている食材が値上がりする」をお伝えしました。材料費が12%アップするということは、利益が4%分減ってしまう大事なんですよ、というお話でした。

それではそろそろ開店の時間です。
本日もありがとうございました。太田とよしきでした。

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太田とよしき🎈飲食店経営コンサルタント
飲食業は最高に幸せなしごと。