〈読書録:THE TEAM〉
人を幸福にするのもチームであれば、不幸にする可能性を持っているのもチーム。
それなのに、学校でも会社でも、「どうやってチームをつくるのか?」は教えてもらえない
多様性の高いチームが一概にいいチームではない。コミュニケーションが多いチームが一概にいいチームではない。
環境変化度と人材連携連携度合いによって異なるチーム構成と制度作りが必要である。
チームの活性化や統率方法などなど時代の変化、社会心理学を背景にした論理構造を紐解いた書籍。
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チームの目標設定の粒度はチームを構成するメンバーの能力と思考レベルや行動力によって変えるべき
■目標設定の3分類
意義目標:ブレイクスルーが起きやすい
↓↑
成果目標:
↓↑
行動目標:とるべき行動か明確である
※意義目標がないと作業の奴隷になる
※意義が明確に言語化されて初めてメンバーは自主性や創造性を発揮できる
■チーム作りについて
チーム編成、ルール作りは「害環境の変化度合い」と「人材の連携度合い」によって最適解が異なる。
高「害環境の変化度合い」高「人材の連携度合い」→アプリ開発チーム
高「害環境の変化度合い」低「人材の連携度合い」→パーソルRAはここ
低「害環境の変化度合い」高「人材の連携度合い」→飲食店舗チーム
低「害環境の変化度合い」低「人材の連携度合い」→向上製造ラインチーム
※環境の変化度合いの大きい状況においてはメンバーを入れ替えたほうが勝率が高い
※人材の連携度合いが小さいのであれば似たタイプのメンバーを集めたほうが成果の最大化が図れる
※リールの粒度は人材の連携度合いによって編かさせる(連携度合い低、環境変化高)はその時々の変化に対して個別判断ができることで裁量があることが成果の最大化につながる
※環境の変化度合いの大きいチームは最終的に創出された成果でないと評価しづらい
※ルールに関してはP114
■モチベーションタイプ
相手の特徴を理解しなければコミュニケーションは成立しない
■アタックタイプ(達成支配欲求)
自力本願でありたい、成功を収めたい、周囲に影響を及ぼしたい、意志薄弱な状態や人への依存を避けたい
∟反応しやすいキーワード
∟言われて嬉しい言葉は「すごいね」
■レシーブタイプ(貢献調停型欲求)
人の役に立ちたい、平和を保ち葛藤を避けたい、中立的な立場でいたい、他者との闘いよりも協調を大事にしたい
∟反応しやすいキーワード:善悪、正邪、愛憎、
∟言われて嬉しい言葉は「ありがとう」
■シンキングタイプ(論理探求型欲求)
様々な知識を吸収したい、複雑な物事を究明したい、勢いだけで走ること無計画な状態を避けたい
∟反応しやすいキーワード:真偽、因果、優劣、
∟言われて嬉しい言葉は「正しいね」
■フィーリングタイプ(審美創造型欲求)
新しいものを生み出したい、楽しいことを計画したい、自分の個性を理解されたい、平凡であること同じことの繰り返しであることを避けたい
∟反応しやすいキーワード:美醜、苦楽、好嫌、
∟言われて嬉しい言葉は「面白いね」
■ポータブルスキル
・対自分力
外交的スキル(決断・曖昧・瞬発・冒険)←→内向的スキル(忍耐・規律・持続・慎重)
・対人力
父性的スキル(主張・否定・説得・統率)←→母性的スキル(傾聴・受容・支援・協調)
・対課題力
右脳的スキル(試行・変革・機動・発想)←→左脳的スキル(計画・推進・確動・分析)
上記の「志向」と「ポータブルスキル」を生かしたコミュニケーションをとることが相手を動かす
レシーブタイプ&内向的スキルへのコミュニケーション
∟いつも「支えて」くれて「ありがとう」とても助かっているよ。あとこういうのもやってくれるとすごい助かるんだけどお願いできない?
■心理的安全性の確保
環境変化のスピードが日に日に増しているン下で、「ルール」は陳腐化しやすい。成功のパターンをルールの中に見出すことが難しい時代。
コミュニケーションの中で臨機黄変に連携を図り、アイデアで壁を乗り越えるための工夫が必要
心理的安全性を阻害する要因
∟無知だと思われる不安:NGワードこんなことも知らないのか
チームが作り出す機会:率直質問→メンバーに生み出す心理:聞いてもいいんだ
∟無能だと思われる不安:NGワードこんなこともできないのか:
チームが作り出す機会:失敗共有→メンバーに生み出す心理:間違ってもいいんだ
∟邪魔だと思われる不安:NGワード今の言う意味あった?
チームが作り出す機会:発言促進→メンバーに生み出す心理:言ってもいいんだ
∟批判的だと思われる不安:NGワードそれは絶対違うでしょ?
チームが作り出す機会:反対意見→メンバーに生み出す心理:人と違っていいんだ
■合議をスピーディーにするための方法
①選択肢を選ぶための基準を出すこと
②出した基準に優先順位をつける
③選択肢を複数出す
④優先順位の高い選択基準に合致する選択肢を選ぶ
■影響力の5つの源泉
・専門性:すごいと思われるスキルや技術を持っている
・返報性:ありがたいと思われる支援や関与をしていること
・魅了性:素敵と思われる外見、内面的魅力を有していること
・厳格性:怖いと思われる規律や威厳を持っていること
・一貫性:ぶれないと思われる方針や態度を持っていること
■エンゲージメントを高めるための4P
・フィロソフィー(理念・方針)
・プロフェッション(活動・成長)
・ピープル(人材・風土)
・プリビレッジ(待遇・特権)
■すべてに資源投下はできない。どこにエッジをもたせるか?
各Pのメリットデメリット
・フィロソフィー(理念・方針)
∟アサインメントコストとコミュニケーションコストは低そうだが、それぞれのメンバーの目標がチームの目標にどのように接続されているかというゴールセッティングが重要
・プロフェッション(活動・成長)
∟アサインメントコストは高いが、こみにゅケーションコストがかからない
・ピープル(人材・風土)
∟コミュニケーションコストはかかるが、メンバーの志向を気にせず役割分担や機会提供をしやすい
・プリビレッジ(待遇・特権)
∟FEEコストがかかるがアサインメントコストがかからない
■エンゲージメントの方程式
報酬・目標の魅力(WILLやりたい)×達成可能性(CANやれる)×危機感(MUSTやるべき)
∟上記を意識した仕組みをチームに盛り込むことはエンゲージメントを高める
■チームが機能しなくなる落とし穴
・自分一人くらい(社会的手抜き)
∟当事者意識を持足せるための仕組み ※「当事者意識をもて!」という根性論は意味がない
・あの人がいっているから(社会的権威)普段しないような間違った意思決定をする
∟チームの中に議論というプロセスを組み込む&心理的安全性を確保する
・みんなが言っているから(同調バイアス)
∟チームの雰囲気をコントロールする(雰囲気マネジメントはその時々に好ましい態度をとっているメンバーにスポットライトを当てることでコントロールできる)
・あの人よりやっているから(参照的バイアス)
∟基準とすべき人、行動の参照点を意図的に決める
■考察
今までは会社内部情報の取得が難しかったのですが、事業や組織の透明性がインターネットの隆盛や、口コミサービス等で非常にオープンになりつつある。
最近SNSやマーケティングのテクニック、面接のテクニックなど大量にいろんなサービスが出てますが、実際「採用ってテクニックなのか?」と。
テクニックがない企業はテクニックをつけていくべきですが、そもそも根本的には「企業内部の体質」を改善していけないと採用できないのでは?と
採用支援に携わる中で最近思うこと。