「庄内コラボセンター・ショコラ」豊中南部地域の"(ほぼ)なんでも公民館"ってどんなとこ?/前編【#とよなかって】【#3】
皆さん、こんにちは!
【#とよなかって】です。
今回は、独自記事第一弾・前編として、2023年2月に設立された、大阪・豊中の南部地域「庄内」にある"(ほぼ)なんでも公民館"「庄内コラボセンター・ショコラ」(以下:ショコラ)について、施設・機能や設立の経緯などを紹介していきます。
※たくさんの施設・機能を一つの記事で紹介しているので、とても長い記事になっています。「ここだけ気になるねん!」という方はぜひ、目次機能を使って、目当ての箇所だけでも読んで下さると嬉しいです!
(また、こちらの後編では、2023年2月のオープンから今までの活動や、まちで何かにチャレンジしたい皆さんがショコラとどう関わっていけるのか、についてご紹介していきます。ぜひ前編と併せてお読みください!)
本記事の執筆にあたっては、ショコラ職員の橋本館長、久野さんにインタビューをさせて頂きました。ご協力ありがとうございました!
ショコラってどんなとこ?
ショコラは、2023年2月、豊中南部地域「庄内」に設立された"(ほぼ)なんでも公民館"です。
子育て支援センター「ほっぺ」 南部分室
市民公益活動支援センター
庄内保健センター
庄内図書館
こども・教育総合相談窓口(+まなびの場)
庄内コラボセンター貸室
豊中市役所 庄内出張所
豊中しごと・くらしセンター
庄内介護予防センター
庄内公民館貸室
という10個の施設・機能が備わっていて、近隣住民の生活に関する事柄について、"ほぼ"なんでも相談できることが、ショコラの大きな特徴です。「"ほぼ"なんでも」としているのは、障がい支援などの高度な専門性が求められる分野に関しては「市立障害福祉センターひまわり」などの独立した施設が存在するためです。
もちろん、
・まずはショコラに相談に来る
→相談者のニーズに合わせて、その他の施設や団体と連携を行う
というのもショコラの機能の一つなので、近隣にお住まいの方にとっては「生活上の困りごとがあれば、まずはショコラに行けばいい」という目印になるといってもいいと思います。
もう一つの特徴は、同じ敷地内に「豊中市立 庄内さくら学園」という、9年制の「義務教育学校」(一般の「小学校+中学校」に相当するもの)が併設されていることです。地域の小中学生(相当の子どもたち)が、地域の人たちと自然と接点を持つことができる仕掛けとなっています。
それでは、ショコラのフロアごとの機能や様子を、もう少し詳しく見てみましょう。
1階
まず、1階には
子育て支援センター「ほっぺ」 南部分室
市民公益活動支援センター
庄内保健センター
の3つの施設・機能があります。また、これらに加えて、「しょうないREK」という図書館リサイクル本の販売や、市民団体の方が日替わりでお店番を務めるカフェ、フリースペースでの展示イベントなどが運営されています。
子育て支援センター「ほっぺ」 南部分室
まずは「子育て支援センター「ほっぺ」 南部分室」について。
「ほっぺ」の対象は、「0歳から小学校に入るまでの子ども」と「その保護者」です。施設・機能としては、子育ての相談ができる窓口と、親子で遊べるプレイルームがあります。
開館時間内はプレイルームにスタッフさんが常駐していることもあってか、基本的に曜日や時間帯を問わず、いつ覗いてみても賑わっている印象です。
また、ショコラのコンセプトの一つに、「子育て世帯の応援」があります。ですから、1階ロビーにはベビーカー置き場があり、赤ちゃんの保護者の方でも、手荷物の置き場に困らないようになっています。
市民公益活動支援センター
続いては、「豊中市立市民公益活動支援センター(通称:トヨカツ)」にいて。
トヨカツでは、ボランティアやNPO、地域のお祭りといった市民活動(市民の自主的な社会貢献活動)を支援しています。
様々な市民活動を紹介・展示していたり、市民活動に参加するきっかけを相談できたり、助成金や会計についての情報やアドバイスをもらえたり、市民・市民団体同士の交流を図ったり……と、「まちで何かをやってみたい」、「まちで何かをやってみたら困った……」ときに真っ先に相談できる場所です。
庄内保健センター
1階最後のメイン施設は「庄内保健センター」です。
妊娠中のお母さんと、主に就学前のお子さんの健康・育児に関する相談ができる施設で、
①妊娠・出産・子育て相談窓口
②母子健康手帳の交付
③乳幼児健診
④その他、「よい歯の教室」「離乳食講習会」等の教室
の4つの機能を持っています。「ほっぺ」と一緒に寄っていく保護者さんも多いそうです。
その他
2階
続いて、ショコラの2階には、
庄内図書館
こども・教育総合相談窓口(+まなびの場)
庄内コラボセンター貸室
の3つの施設・機能があります。
庄内図書館
2階の大半を占めるのが「庄内図書館」です。蔵書は約7万冊、ショコラ内であれば本を持ち出して好きな場所で読むこともできるという、都市部のカフェ併設系書店もびっくりのくつろぎ空間です。
こども・教育総合相談窓口(+まなびの場)
続いて、「こども・教育総合相談窓口(+まなびの場)」。"0歳から18歳になるまで"の子どもとご家庭に関する相談ができる場所です。"特に学習や学習環境に関するお悩みや問合せ"を受け付けているということで、現在はコロナ禍を経て更に顕在化してきた「引きこもりや発達障害」に関する相談が多いそうです。
庄内コラボセンター貸室
最後に、「庄内コラボセンター貸室」。
貸室は2、3、4階にまたがっているのですが、2階の貸室については、基本的には近隣の学生向けの自習室として無料で開放していることが多いそうです。
取材にお邪魔した日も、ちょうど放課後にかかる時間だったので、自習に取り組む学生さんをちらほらと見かけました。お隣にあることもあって、庄内さくら学園の生徒さんが、学校帰りに自習していくことも定番なんだとか。
3階
続いて、3階には、
豊中市役所 庄内出張所
豊中しごと・くらしセンター
庄内介護予防センター
庄内コラボセンター貸室
の4つの施設・機能があります。
豊中市役所 庄内出張所
まずは、メイン機能の一つ、「豊中市役所 庄内出張所」。
豊中しごと・くらしセンター
続いては、「豊中しごと・くらしセンター」。書いて字のごとく「しごと」と「くらし」についての相談ができる施設です。具体的には、
・職業相談
・就職支援講座、合同面接会
・求人検索・紹介状の発行
・くらしに関する相談
の4つのサービスを実施しています。
庄内介護予防センター
「庄内介護予防センター」。
実は、ショコラの中でもかなりの「人気施設」なのがこちら。例えば、"朝の体操"の時間には、一室に50人以上の方が集まることもあるそうです。取材に伺った日時には、皆さんで囲碁をされていました。
ちなみに、こちらで囲碁と将棋を嗜む高齢者の皆さんは、「さくら学園」の囲碁、将棋の部活動のサポーターとしても活動されています。部活動のサポーターとして活動する際は、ショコラとさくら学園を繋ぐ2階の渡り廊下を渡って、学園とショコラを行き来することもあるそうです。
庄内コラボセンター貸室
2階の貸室は「自習室」利用が主ですが、3階(と4階)は、地元企業さんの会議利用と、なぜか「ミュージカル・演劇」の練習利用がとても多いそうです。「半分聖地みたいになってるんちゃうかな」と、館長の橋本さんも驚いていました。
4階
最後に、4階です。4階には、
庄内公民館 貸室
庄内コラボセンター 貸室
の2つの施設・機能があります。
庄内公民館 貸室
「庄内公民館 貸室」は、主に豊中市民向けの貸室で、ショコラの貸室と比べ、より特定の用途に特化した機能・備品を備えた部屋が多いです。
・制作室
・和室
・料理室
・第1学習室
・第2学習室
・視聴覚室
・講座室
・音楽室
・第1ダンス練習室
・第2ダンス練習室
・陶芸窯室
・保育室
の12の部屋があり、「5人以上、利用者の半分が豊中市民」の場合のみ利用が可能です。「保育室」の利用は、基本的には「庄内公民館 貸室」利用者のみ可能とのこと。こちらにはスタッフさんが常駐しているわけではないこともあり、1階の「ほっぺ」と組み合わせて利用する方も多いようです。
庄内コラボセンター 貸室
4階のショコラの貸室は、隣接する巨大な「多目的室」が2室(一つの大部屋としても使用可能)と、小ぶりな「音楽練習室」が2室あります。多目的室は、「#とよなかって」が生まれたきっかけである「とよなか地域創生塾」の会場にもなっています。
ショコラはなんでできた?
さて、ここまで「ショコラ」の施設・機能一覧をざっくりと紹介してきました。ここからは、そもそもなぜショコラ(そして、「庄内さくら学園」)が作られたのか、について書いていきます。
まず、豊中市、特に、南部地域の大きな課題として、
・子育て世帯の人口減少・流出
・教育の貧困
・地域、市民活動の担い手の高齢化
の3つがありました。これに加え、公民館をはじめとした各種公共施設の老朽化・建て替え、子どもの人口減少による学校の再編などの時期が重なりました。そこで、これらの課題を一挙に解決すべく、「地域の拠点となる総合施設」を作り、
・子育て世帯への支援拡充
→子育て世帯の人口増加、また教育の強化
・多世代交流の促進
→高齢者の居場所作り、地域活動の担い手創出
に取り組むことになったそうです。
こういった背景もあって、ショコラの部屋割の特徴として、1階に「市役所出張所」ではなく、子育て支援や、市民活動支援の機能が置かれていることがあります。(市役所の出張所は3階)。
最も利用者が多いであろう市役所の出張所を1階に設置しないことには賛否両論あったそうですが、課題として根強い「子育て・教育」の分野に注力することも考えて、今の配置になったんだそうです。
実際、今回の取材や「とよなか地域創生塾」の講座などで何度もショコラに通っていますが、1階で子連れ(特に未就学児)の保護者さんを見かけることが多いように感じます。
また、放課後の時間になると、ランドセルを背負ったお子さんがちらほらと来館します。利用者さん同士、必ずしもコミュニケーションをとりあうわけではないですが、「同じ空間に、自然と多世代が居合わせる」ことは、現代社会においてかなり珍しい光景なのではないでしょうか。そういった辺りに、豊中南部地域の「下町っぽさ」が垣間見られるように感じます。
ショコラへのアクセス
最後に、ショコラへのアクセスも確認しておきましょう。ショコラの所在地は、
です。
近隣にお住まいの場合は以下の地図が分かりやすいかと思われます。
駐輪場、駐車場も広いので、自転車やバイク、車での来館も安心です。
続いて、電車を使って来る場合は、以下の道筋を参考にしてください。
さて、ここまで、【#とよなかって】の独自記事第一弾・前編として、豊中市の南部地域「庄内」に新設されたほぼなんでも公民館「ショコラ」の施設・機能についてご紹介してきました。
後編では、施設・機能といった"ハード"ではなく、"ソフト"の部分、
・2023年2月の設立から、どのような取り組みが行われてきたか
・「あなた」がショコラに関わるには?
といった辺りをご紹介していきます!
【#とよなかって】ではこのように、独自の取材による記事のほか、皆さんがハッシュタグ【#とよなかって】を付けてくれた投稿などをキュレーションし、豊中の魅力を創造/想像・発信していきます。
あなたの【#とよなかって】投稿をお待ちしています!
それでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
筆者:増田ひろ