営業経験ゼロのコミュ障オタクが飛び込み営業をやって絶望したお話
とよいけです。
最初にお伝えしよう。
オレは大のコミュ障だ。
補足:コミュ障とは、コミュニケーション障害の略で他人とコミュニケーションをとるのが苦手なことを指す。
頭ではわかっていても言語化するのが難しく、自分の言いたいことを相手に伝えるときにいつも困る。
・大事なお知らせを友人に伝えるとき
・会社でトラブルが起こってその事情を上司に説明するとき
・興味のないお客さんにサービス内容の説明をするとき
他にもたくさんあると思うが大きくあげると、この3つだ。
タイトルを見たらわかると思うが、オレは飛び込み営業をやって、とてつもなく苦労することになる。
あまりにもアポイントが取れなさすぎて全国営業成績ランキングワースト1になったことさえある。
もっとひどいのが、オレ以外のメンバー全員がアポイントをとれた日があった。
メンバー全員が盛り上がっているなか、オレ1人だけ公園で泣いていたことがあった。
そのストーリーを詳しくお話ししよう。
飛び込み営業をはじめたきっかけは?
これは2019年3月頭のころだった。
当時は、仕事に飽き飽きしてバイトを辞めてしまい、収入がゼロだったので実家で居候するというゴミクズみたいなニート生活をおくっていた。
しかし、これには親も黙ってはいなかった。
なにか手に職をつけないといけなかったので、正社員で仕事を探していた。
本当はバイトがよかったが、ちゃんと働いて収入を入れてほしいという親の願いと居候の件もあって正社員にせざるを得なかった。
そこで、たまたま見つけたのが飛び込み営業の仕事だ。
募集文では、「飛び込み営業」というフレーズは一切なく、
『頑張れば頑張った分だけ評価されます!』
『平均月収30~50万円』
『「職場に来るのが楽しみ」と言ってる方もいます!』
みたいなキャッチコピーだった。
オレはまんまと引っかかってしまい、この会社に応募した。
そして、オレは重大なミスをやらかしてしまう。
飛び込み営業をはじめる前から大失態をおかす
それは面接当日のできごと...
オレは『正社員になりたくない気持ち』と『元からめんどくさがり屋』のどちらもあってか、事前の準備をおこたってしまい、面接に遅刻をしてしまう。
それも連絡なしの遅刻。
遅刻をした理由は、面接当日に履歴書を作成し、持ち物や面接会場も確認せず、あたふたしていたからだ。
飛んだマヌケ野郎だ。
まず就職用の履歴書がなく、バイト用の履歴書しかない。
時間がなかったので、バイト用の履歴書で代用することに...。
そして1番時間がかかったのは、履歴書の志望動機だ。
そもそも志望動機などない。
実は就職する4年ほど前に、その会社に営業をかけられ、サービスを受けることにした。
結果的には受けてよかったサービスだったので、それを志望動機のネタにした。
でも本当の志望動機は...
・平均月収30~50万円
・「職場に来るのが楽しみ」と言ってる人がいる
・チャリで30分圏内だった
というキャッチコピーに引っかかってしまったことと、チャリ通勤できることだった。
過去に1度だけお世話になったにも関わらず、まさかこちらが営業をかける側になるとは夢にも思わなかった。
そして、契約を交わした後に待っているのは地獄の仕事というのも予想すらしなかった。
脱線したので話を戻そう。
志望動機はなんとか書きあげた。
しかし、更なる失態をおかす。
スーツ用の写真がないのだ。
自分の部屋にもパソコンのフォルダ内を探しても見つからない。
仕方なかったので、バイト用の私服姿の写真を用意し、これを代用した。
終始あたふたしていたので、必要だった職務経歴書の記入が間に合わず、提出しないことに。
長くなったので、遅刻するまでの工程でやらかした出来事をまとめてみよう。
・当日に履歴書を完成させる
・スーツ用の写真がなく、私服姿の写真をつかった
・職務経歴書は断念する
・そもそも履歴書がバイト用だった
これらを踏まえたうえで4分遅刻してしまった。
社会人として、もはや論外...
...のはずだったが、まさかの当日採用が確定(笑)
理由はわからないが、当日あったことは『やる気がないこと』と『本当の志望動機』以外はすべて正直に話したからかもしれない。
オレの就職活動はわずか13日で幕を閉じた。
飛び込み営業を入社してからは...
[入社初日]
2019年4月の頭から仕事がはじまり、当日は研修がおこなわれた。
長くてつまらない研修だったため、終始睡魔との闘いだった。
クソどうでもいいが、当時、独り暮らしをしながら実家に入りびたっていた。
入社当日の深夜に気づいたことだが、スーツがまさかの独り暮らしのところに置き忘れたままだった。
それを取りに行っていたため、睡眠が大幅に削られ、研修中は睡魔との闘いで終始地獄だった。
ちなみに、話していた内容はほとんど覚えていない。
[入社2日目]
そして、その翌日から飛び込み営業がはじまった。
希望していた営業所とはちがう場所で集合となった。
その営業所を総括するハゲデブ上司いわく、
ハゲデブ上司:この1ヶ月間は研修として、ここで集まってみんなと一緒に盛り上げていくぞ!
ハゲデブ上司:他府県の役職者もわざわざ来てくれてることだし、わからんことあったら何でも聞いて、たくさん吸収していけよ!
とのこと。
ちなみに、この営業所は片道1時間半かかるので、正直これだけでもやる気をなくしていた。
で、仕事内容だが、至って簡単だ。
一軒一軒「ピンポン」鳴らしていってアポイントをとる。
ただそれだけだ。
しかし、なかなかアポイントがとれないのが現状。
なので、最初の3日間は先輩と同行する。
次に、同行の3日間が終われば逆同行が3日間ある。
これを2回繰り返して、はじめて独り立ちできる。
[先輩との同行]
もう何が何だかサッパリわからない。
とりあえず先輩のあとを追って、ピンポン鳴らしているところを見て、インターホンにでた人との会話をひたすら覚えるばかり。
補足:以後、『ピンポン鳴らす → 叩く』 と呼ぶ。
これの繰り返しでいろんな家を叩いていく。
見ている分にはラクだが、いざ自分が叩いていくことを考えると憂鬱でしかなかった。
[先輩との逆同行]
同行から3日後。
ついに逆同行という地獄の日がやってきた。
つまり、オレが叩いているところ先輩が後ろからついてくるということ。
コミュ障わずらっているオレからすれば、住民との会話もうまくできない上に、後ろから見られているので精神的ストレスが半端じゃなかった。
結局、同行についた先輩たちのアポイント取っているところを見ぬまま、逆同行がはじまってしまった。
社用車をコンビニやスーパーの駐車場にとめ、先輩とともに住宅のあるところへ向かった。
急に心拍数がめちゃくちゃ上がりだす。
ピンポンと押すと、緊張のあまりに頭がまっ白になってセリフを忘れる。
そして、透かさず先輩がフォローに入るの連続だった。
普通の人なら1日あれば、だんだん慣れてきて、緊張がほぐれることで自然体でトークができる。
でもオレの場合、1日どころか慣れるまで1ヶ月近くかかった。
この時点で営業にむいてない。
[入社から2ヶ月後]
この頃、会社全体のアポイントが取れていないらしく、役職者であろうが平社員であろうが関係なく、人事異動が命じられた。
まぁ出張みたいなもの。
各営業所を総括するボス的存在のめんどくさい上司の移動はないが、中ボス的存在の上司はよく異動させられた。
人を変えると営業成績が変わっていくと信じてやっていたのだろう。
異動させられた上司はかわいそうに...。
本当かどうかわからないが、"係長"という役職者もちの人(僕の元上司)が無断で会社をやめたという噂も耳にした。
控えめにいってヤバすぎる(笑)
それは元上司が退職してから1ヶ月後にそういう噂が耳にはいってきて、はじめて「ヤバい会社に入ってしまったな...」と危機感をおぼえた。
脱線したので話を戻そう。
で、異動してきた優秀な上司のうしろについて叩いているところを何度もみた。
しかし、トーク内容があまりに普通すぎて「なんでこの人がこんなにもアポイントがとれるんだろう?」と不思議にさえ思った。
叩き出しをするまえに、毎回事務所でロープレをするんだが、これも至って普通すぎてオレらもマネようとするが、たぶんできていない。
補足:ロープレとは、ロールプレイングの略。
1人がアポインター、もう1人は住民の役を演じて、アポインターがひたすら営業をかける練習をする。
そのため、優秀な上司1人だけが営業所の成績を伸ばしていることが何度もあった。
で、オレはというと相変わらず営業成績がゼロのまま伸び悩んでいた。
どれだけ成績のいい上司のうしろについても、もはや関係なかった。
元々やる気はなかったが、成績がゼロのままでは僕までも異動させられる可能性があったので、なんとしてもアポイントを取らないといけない状況だった。
サボろうと思えばサボれるが、サボれる状況でもなかった。
オレは必死になって叩きつづけた。
そして、ついに...
全国営業成績ランキングワースト1
気がつけば、全国営業成績ランキングワースト1になっていた。
これは月1でボス上司のいる営業所(片道1時間半)に出向かないといけなくて、そのときに知らされた。
ボス上司はイスに座りながらこういう...
おい、とよいけ。
おまえ今の状況わかっているか?
おまえ今月どれだけアポイントとれてん?
おまえ本当にヤバいってわかってる?
おまえだけやで!全国の営業所で1番アポとれてないやつは!
証拠みせようか!?
機嫌が悪いときは名前でよばず、やたら「おまえおまえ」と上からモノを言ってくるめんどくさい上司だった。
朝っぱらから疲れているところ、さらに疲れがドッとのしかかってきた。
こんなに脅されてもオレの成績は変わらず...。
もはや毎朝のロープレといい、アポイントをとれている人の後ろについてもすべてが無意味だった。
そして、あの地獄の日がやってきた。
営業職やってて味わった最大の絶望
それは入社してから半年がたった、10月の半ばのころの出来事だった。
新入社員が1月ごとに入社してきて、営業所もにぎやかになっていた。
当然、オレが先輩になるわけだが営業成績は全国ワースト1のままだから、なんというか接しにくい。
成績も後輩にどんどん抜かれていった。
その中で1人最短で役職についた人がいた。
ちなみに、その人はオレと真逆で営業成績トップ3にランクインしていたと思う。
しかし、入社してから半年でやめてしまう。
理由は、
1.部下がわがままなヤツばかり
2.上司も部下に責任なすりつけるから
3.他にも色々あって職場にいてもストレスでしかないから
とのこと。
オレはなぜかその人に好かれていたが、オレ自身かなり苦手なタイプだったため、一緒に仕事をしていて苦痛だった。
また脱線したので話を戻そう。
そんなある日、新築住宅ゾーンを叩きにいくことになった。
この日に限り、みんなはめちゃくちゃアポイントを飛ばす。
ちなみに、メンバーはオレ含めて7人いた。
なので、3人アポイントが飛んだときは、
オレ:え、みんな張り切りすぎじゃない?
4人だと、
オレ:いや、なんでみんなそんなにアポ飛ばせるんだ!?
5人で
オレ:はぁ!?勘弁してくれよ...
アポイントが飛ぶごとにプレッシャーがかかる。
もはやメンバーを応援する気持ちはミジンもない。
そして、6人目のアポが飛んだ。
そう、オレ以外のアポインター全員がアポを飛ばした(お客と契約を結んだ)のだ。
LINE通知が鳴りやまない。
オレ以外のメンバー全員が興奮して盛り上がっているのだ。
頭にきて、思わずLINE通知をきった。
オレはアポイントを取ることに集中し、どんどん叩いていった。
しかし、どれも留守か即ギリ(おことわり)の嵐だ。
会社に戻らないといけない時間がどんどん迫ってきた。
終盤になるにつれて、ピンポンダッシュに限りなく近かったと思う。
それでもアポイントは取れず、オレの心は完全に折れてしまった。
近くに公園があったので、そこで休憩することに。
仕事の都合でLINEもずっと無視するわけにはいかなかったので、チラッとのぞいてみた。
すると、相変わらず盛り上がっていた。
なんで真面目に叩いているのにこんなにも取れないんだ...?
イヤイヤでも毎日ロープレやって、実践に繋いでるはずなのになんで...?
別にアホみたいにアポイント取れなくたっていい。
でもこういう日ぐらい取らせてくれよ...。
どんな面さげて上司に会えばいいんだよ。
真面目に叩いてるのになんで怒られないといけないんだ...。
オレの居場所がなくなる...助けてくれ...。
悔しさのあまり、涙があふれてきた。
そろそろメンバーたちのいる社用車に戻らないといけない。
でもこんな泣き面さらしたくない。
そうだ、筋トレして気をまぎらわそう...。
オレはその場で限界まで腕立て伏せをした。
それでも涙が止まらない。
疲労に疲労が重なっただけだった。
オレは一度泣くと泣きやむまでにかなり時間のかかる人間だ。
あたりには子供たちが鬼ごっこをして遊んでいる。
ギャーギャー騒ぎながら全力で楽しんでいた。
彼らを見てうらやましく思った。
オレも彼らと混ざって鬼ごっこしたい。
もういちど子どものころに戻ってだれかを追いかけまわしたい。
こんな地獄みたいな環境から抜け出したい。
だいぶウツ状態になっていたが、時間も時間だったのでどうしても帰らないといけなかった。
オレは涙をこらえ、社用車にもどった。
幸いまわりのメンバーが気づいておらず、目の充血を隠しとおすことができた。
これで終わるはずだった...。
が、そうはいかなかった。
その日の夜に、後輩からLINE電話がかかってきた。
なんだろう?と思い、電話にでた。
すると、いきなりタメ口でブチギレてきた。
内容は...
お客さんのおうちで使った機材を回収せずにずっと連絡なしでほったらかしにして、結局、自分が回収にいかないといけなかった。
とのこと。
事情を説明するとややこしくなるが、オレらは2台の車をつかって現場にむかう。
その1台の車がアポイントを1日の必達をクリアしたから先に帰って、まだ帰っていないオレらが連絡をとって回収をしないといけなくなった。
本来ならアポイントをとった人間のいる車が回収にいかないといけないはずが、なぜか先に帰っていった。
アポイントをとった人間はとった後のことは何も考えていない。
使った機材をクローザー陣にまかせ、それっきりで事務所にもどったのだ。
それでクローザーの後輩は予定いっぱいの中、機材回収せずに帰ったことで自分が機材回収しないけなくなり、上司からはこき使われ、自分は営業かけようにもかけれずでイラついていた。
で、機材回収できたはずで、かつ、アポイント本数が1番とれていないオレが後輩にめちゃくちゃ怒られないといけないというなんとも理不尽なハプニングが起こった。
すでにボロボロのメンタルにさらに追い打ちをかけられ、もはや立ち直れなかった。
オレは社長に退職するムネを電話で伝えた。
そして社長は、
社長:わかった。翌日、直接あって話そう
といい、その日はおわった。
しかし、翌日に会社にいくと社長からある提案をされた。
社長:キミは真面目だから掃除スタッフやってみない?
と言われた。
この掃除スタッフはある意味、地獄の仕事だ。
冒頭でもいったが、お客さんと契約を交わしたあとが1番面倒なんだ。
それは地獄の仕事をこなさないといけないからだ。
社長「営業はかけなくてもいいから、きみはその仕事をやってみないか?」
他の仕事を探すのが面倒なうえに、この職場の条件がそんなに悪くなったので、退職せずにイヤイヤでも仕事を引きうけることにした。
これでオレの営業人生は幕をとじた。
そして、オレは掃除スタッフにかわり、とんでもない地獄を見ることになる。
続きの話はこちらからどうぞ。
おわりに
オレの営業成績は最低なものだったが、営業を通じて学べたことは多い。
なぜうまくいかなかったのか、そしてオレには営業職は向いていないという明確な理由もわかった。
めちゃくちゃ苦労はしたが、決して無駄な経験ではなかった。
その経験を今後の人生に活かせられるかはわからないけど、とりあえずネタにさせてもらった。
その営業を通じて学んだことは、次回に語ろう。
その記事がこちら。
あなたが営業に向いているか、そうでないか一瞬でわかる。
営業に興味があろうがなかろうが、勉強がてらに読んでみることをオススメする。
好評なら、こういう体験シリーズをどんどんアップする予定だ。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました!
最後に一言...
営業なんて二度とやるかあああああ!!!