酢酸とアレルギー
栄養学と生化学が大好きな豊田浩史です。
普段はパーソナルトレーナーやサプリメント開発に携わっています。
今回は「酢酸とアレルギー」について話していきます。
酢酸は食物繊維などを材料に生成される短鎖脂肪酸です。
この酢酸が制御性T細胞(iTreg)の分化を促進します。(※1)
制御性T細胞の働きは免疫細胞の暴走を止めることです。
アレルギーは免疫細胞の暴走であるため、この制御性T細胞を活性化することによってアレルギーを緩和することができます。
酪酸は脂肪酸酸化(FAO)を加速してiTreg分化を促進するのです。
また、酢酸はブチリル-CoA(BCoA)に変換されるのですが、これはCPT1Aを阻害するマロニルCoAと拮抗することによってCPT1Aをアップギュレートします。
CPT1AはFAOの律速段階であるため、CPT1AをアップギュレードするということはFAOを加速し、これもまたiTregの分化を促進することにつながります。
まとめると、酪酸の生成は健康に生きるために大切だということです(笑)
<参考文献>
(※1)Butyrate enhances CPT1A activity to promote fatty acid oxidation and iTreg differentiation
Fengqi Hao, Miaomiao Tian, Xinbo Zhang, Xin Jin, Ying Jiang, Xue Sun, Yang Wang, Pinghui Peng, Jia Liu, Chaoyi Xia, Yunpeng Feng, Min Wei
Proceedings of the National Academy of Sciences Jun 2021, 118 (22) e2014681118; DOI: 10.1073/pnas.2014681118