筋肥大か命か
こんにちは。豊田浩史です。
普段はパーソナルトレーナーやサプリメント開発に携わっています。
今回は「筋肥大を寿命」について解説していきます。
前回のnoteでこれからはコンパクトで頻度を多くと言ったばかりなので、なるべく簡潔にまとめます。
今回のnoteで学べること
・FoxOについて
・筋肥大を追いかける懸念点
①FoxOについて
FoxOは「Forkhead box O」の略で転写因子のことです。
哺乳類では4種類(FoxO1,FoX3a.FoXO4,FoxO6)があります。
働きとしては、ストレス応答や代謝制御、細胞周期、アポトーシス、細胞分化、DNA修復、免疫機能、炎症のなどに関連する多くの遺伝子の発現を促します。
この転写因子を活性化することによってがん細胞の増殖を抑えられることから近年注目が集まっています。(※1)
②筋肥大を求めると
筋肥大を求めると食生活は炭水化物やタンパク質(アミノ酸)を多く求めるようになり、インスリンやアミノ酸の影響でmTOR経路が活性化します。
インスリンやIGF-1、PI3K/AKTシグナル伝達はこのFoXO3aをリン酸化して、転写活性化を抑制します。
つまり、がん細胞の増殖の手助けをすることにもなります。
しかし、アミノ酸や炭水化物の摂取量を少なうすれば骨格筋量は低下します。
これではサルコペニアなどを亢進することにつながります。
また、FOXO1の過剰発現は体脂肪を増加する報告もあります。(※2)
このようなことを踏まえると、若いうちに筋肉量を蓄え、ある程度歳を重ねたら筋肥大はあまり追い求めないのが長寿の秘訣かもしれません。
<参考文献>
(※1)Sunayama J, Sato A, Matsuda K, Tachibana K, Watanabe E, Seino S, Suzuki K, Narita Y, Shibui S, Sakurada K, Kayama T, Tomiyama A, Kitanaka C. FoxO3a functions as a key integrator of cellular signals that control glioblastoma stem-like cell differentiation and tumorigenicity. Stem Cells. 2011 Sep;29(9):1327-37. doi: 10.1002/stem.696. PMID: 21793107.
(※2)Kamei, Y., Miura, S., Suzuki, M., Kai, Y., Mizukami, J.,
Taniguchi, T., Mochida, K., Hata, T., Matsuda, J., Aburatani,
H., Nishino, I., & Ezaki, O.(2004)J. Biol. Chem., 279,
41114―41123.