【○○が鍵】ニキビを防ぐ栄養学
今回のnoteで学べること
・ニキビの生理学的な要因
・チョコレートとニキビ
・血糖値とニキビの関係性
・ニキビに効果的な栄養素
思春期からニキビに悩む方は多いと思います。
筆者も思春期の頃はニキビに悩まされていました。
また思春期をしぎても完全にニキビは消えず悩まれている方も多いのではないでしょうか?
今回はニキビに悩まれている人の救いになるnoteになればと思います。
①そもそもニキビの原因とは
ニキビの主な原因は、皮脂分泌の増加や皮膚の炎症、ターンオーバの乱れ、バクテリアの増殖があげられます(※1)
さらには、遺伝的要因やホルモン異常、免疫力低下、心理的要因、環境的要因があります。(※2)(※3)そのため、「これをすれば確実にニキビがなくなる!」というものはないと考えられます。
むしろ、そのようなことを謳っている広告は少し怪しいかもしれません。
そのため、今回は自分でコントロールすることができる「食事」について解説していきます。
②高血糖がニキビのもと
チョコレートの話をちょこっと
ニキビを増やす食べ物というと「チョコレート」などがよくあがりますが、チョコレートがニキビを増やすというのは文献によって結果が異なり、懐疑的なものがあります。
カカオを10倍にしてもニキビとの関係性はないという文献もあるため、筆者としては、加工チョコレートに含まれる油や砂糖が原因であると考えています。
ニキビと最も関係性があるGI値
ニキビの発症に最も影響を与えるのがGI(グリセミック・インデックス値)の高い食品とされています。これは筆者としても体感があり、糖質制限をするとニキビが減少するのがすぐわかります。
GI値がニキビに影響を与えると理由としては、血糖値にあります。
GI値が高い食品は急激に血糖値を上げるため、インスリの分泌を強く引き起こします。
インスリンの上昇は男性ホルモン(アンドロゲン)の分泌を促し、ニキビの発症を起こす皮脂の分泌を増加させることが報告されています。(※4)(※5)
このようなことからも、ニキビで悩まれている人は糖質を制限するか、低GI値の糖質を選択することが効果的だと考えられます。
③ニキビに効果的な栄養素
1.食物繊維
ニキビの患者が高食物繊維のシリアル(一食当たり13g)を毎日摂取させた研究では、皮膚の状態が有意に改善が見られています。(※6)
食物繊維の積極的な摂取は食事全体のGI値を下げることからもこのような効果が考えられます。
2.オメガ3
オメガ比(オメガ3とオメガ6の比率)は炎症メカニズムを調節する要因の1つでもあります。オメガ6の摂取量が増えると炎症体質になり、オメガ3の摂取量を増やすと炎症が抑制されやすくなるのはこのnoteを読んでいる方は承知のことだと思います。
実際にも、オメガ3は炎症性サイトカインを抑制することによって、ニキビに治療効果を期待できるとされています。(※7)
3.抗酸化物質
活性酸素は炎症進行を促します。
実際にニキビの多い人は抗酸化物質の血漿濃度が有意に低いことが報告されています。(※8)
また、セレンの濃度が低いことからグルタチオンペルオキシターゼ活性が低い傾向もあるようです。(※9)
筆者もどちらかといえばニキビ体質で、最近尿中の栄養素を検査したのですがセレンの濃度が低かったです。そのため、すかさずセレンを購入!
セレンとビタミンEを12週間摂取させたところ、皮膚の状態が改善されたことが報告されています。(※10)
その他緑茶カテキン(※11)や亜鉛(※12)ビタミンA(※13)がニキビの効果的と報告があります。
是非ニキビで悩まれている方は参考にしていただければ幸いです。
まとめ
ニキビの主な原因は、皮脂分泌の増加や皮膚の炎症、ターンオーバの乱れ、バクテリアの増殖、遺伝要因、心理的ストレス、免疫力の低下、環境的な要因など様々である
チョコレートでニキビができるというのは、恐らく加工油や添加された砂糖などが原因だろう
インスリンの上昇は男性ホルモン(アンドロゲン)の分泌を促し、ニキビの発症を起こす皮脂の分泌を増加させる
ニキビを防ぐ効果的な栄養素は食物繊維、オメガ3、抗酸化物質がある
今回の内容の総括としては、ニキビを防ぐには血糖値の変動を少なくして、オメガ3や抗酸化物質などで体内の炎症を抑え、加工食品を少なくすることが重要だといえます。
本当に根本的ですが、何か特定の食品を摂取するよりも全体を見直すことがニキビを減らす上で非常に重要になると考えられますね
参考文献
(※1)Bergler-Czop B, Brzezińska-Wcisło L. Pro-inflammatory cytokines in patients with various kinds of acne treated with isotretinoin. Postep Derm Alergol. 2014;31:21–8.
(※2)Biegalska J, Żaba R. Trądzik pospolity. Przeg Lek. 2004;6:34–60.
(※3)Jakubowicz O, Jarmuda S, Żaba R, et al. Trądzik pospolity – etiopatogeneza, obraz kliniczny i leczenie. Postep Derm Alergol. 2012;29(Suppl. 2):42–9.
(※4)Emiroğlu N, Cengiz FP, Kemeriz F. Insulin resistance in severe acne vulgaris. Postepy Dermatol Alergol. 2015 Aug;32(4):281-5. doi: 10.5114/pdia.2015.53047. Epub 2015 Aug 12. PMID: 26366152; PMCID: PMC4565837.
(※5)Costa A, Lage D, Moisés TA. Acne and diet: truth or myth? An Bras Dermatol. 2010 May-Jun;85(3):346-53. English, Portuguese. doi: 10.1590/s0365-05962010000300008. Erratum in: An Bras Dermatol. 2012 Sep-Oct;87(5):806. PMID: 20676468.
(※6)Kaufman WH. The diet and acne. Arch Dermatol. 1983 Apr;119(4):276. PMID: 6220675.
(※7)Rubin MG, Kim K, Logan AC. Acne vulgaris, mental health and omega-3 fatty acids: a report of cases. Lipids Health Dis. 2008 Oct 13;7:36. doi: 10.1186/1476-511X-7-36. PMID: 18851733; PMCID: PMC2577647.
(※8)El-Akawi Z, Abdel-Latif N, Abdul-Razzak K. Does the plasma level of vitamins A and E affect acne condition? Clin Exp Dermatol. 2006 May;31(3):430-4. doi: 10.1111/j.1365-2230.2006.02106.x. PMID: 16681594.
(※9)Bowe WP, Joshi SS, Shalita AR. Diet and acne. J Am Acad Dermatol. 2010 Jul;63(1):124-41. doi: 10.1016/j.jaad.2009.07.043. Epub 2010 Mar 24. PMID: 20338665.
(※10)Michaëlsson G, Edqvist LE. Erythrocyte glutathione peroxidase activity in acne vulgaris and the effect of selenium and vitamin E treatment. Acta Derm Venereol. 1984;64(1):9-14. PMID: 6203294.
(※11)Liao S. The medicinal action of androgens and green tea epigallocatechin gallate. Hong Kong Med J. 2001 Dec;7(4):369-74. PMID: 11773671.
(※12)Michaëlsson G, Juhlin L, Ljunghall K. A double-blind study of the effect of zinc and oxytetracycline in acne vulgaris. Br J Dermatol. 1977 Nov;97(5):561-6. doi: 10.1111/j.1365-2133.1977.tb14136.x. PMID: 145237.
(※13)Kligman AM, Mills OH Jr, Leyden JJ, Gross PR, Allen HB, Rudolph RI. Oral vitamin A in acne vulgaris. Preliminary report. Int J Dermatol. 1981 May;20(4):278-85. doi: 10.1111/j.1365-4362.1981.tb04338.x. PMID: 6453848.
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