タンスをどかすと壁にカビ。「どうしたの?」指差すと彼女は笑う。「ちょうど潮時だったのかもね」次々運び出される僕の荷物、彼女の荷物。行き先はばらばら。「さようなら」なんて正しい別れの挨拶。彼女が去るとカビの生えた僕らの時間と二人きり。目をつむる。ぴかぴかの僕らが笑う声が遠く響いた。
いつもありがとうございます。サポート頂いたお金は、創作の肥やしになるものに大切に使わせていただきます。細々とがんばります。
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