印刷屋に勤めた飲食人間は印刷屋が運営するCAFEを作っちゃった 紙カフェレター その3

印刷のこと、うちの会社のこと。② by妹ともぞう

印刷屋さんである実家に帰って8年。今までの職業とはまったく畑違いの職場で四苦八苦しながらも、だんだんうちの会社の面白さがわかってきました。

うちは印刷の機械でいえば、少ない部数用のオンデマンドという機械と、封筒印刷用機械と、食品用プリンターくらいです。中心は組版といわれる印刷までの前工程。なので印刷機械よりもパソコンが多いです。広い部屋にパソコンがずらっと並んでいて、みんな黙々と向かっています。
出来上がった組版は、大きな印刷機械を持っている別会社に頼みます。紙も紙屋さんで注文して、それをデータと一緒に届けて、印刷し終わったら製本屋さんに回して、完成したらお客様へお届けする、までがお仕事。(めっちゃざっくり)

受注から納品までがわりと時間がかかるのも印刷屋。ページ数も文字も多くてデザインが入るとなおのこと。あと、個人情報保護法に則った扱いも問われます。ちゃんと守れているか抜き打ちでチェックが入ったり(!)でもそこをクリアしているからお客様は安心してうちにお仕事が頼めるわけですし、印刷屋仲間同士でも信頼が生まれるわけです。
知れば知るほど、印刷って奥が深くて面白い世界なのですよ…。

ゆーても、まだまだまだまだ印刷のことは勉強中。どんどん技術も進化しているのでアタマが追いつかない…。でも、業界の皆さんすごく親切で仲間意識が強いので助かってます。経営側の立場の皆さん同士の勉強会を積極的に行ったり、情報交換も活発だったり。
会社さんごとに得意分野が違っていたり、仕事の受け止め方も目線も違ったり。
そのうえでうちの役割は?みたいなことを姉といつも話し合っているんです。印刷屋さんができることって?うちならなにができるんやろう?と。

その姉、なんですが、この業界では有名?というか…うーん。とにかく「好かれてる」のが分かります。長年この業界に居るけど、ちっとも偉そうじゃないから?かな。印刷機に紙にも技術にも、業界の若者たちにも先輩方にも「愛」がある。無愛想な姉からは想像もできないくらい周りには人がたくさんいて、姉もニコニコしてる。
外には極端に人見知りなので未だに独身ですが、毎日楽しそうならいいかと、横から見ている次第。

そして残念ながら、わたくし妹は印刷営業にも制作にも全く向いていなかったので「紙cafe」という場所を作りました。堺が大好きな姉が「堺の情報サイト つーる・ど・堺」を社内で立ち上げ、私も数年ライターとしてもお手伝いしていたんですが、「これでは金にならん!!」と母が激怒しだして(笑)
そらそうだわな。てなわけで
「紙と堺をリアルで発信できるお店をつくろうよ!印刷の受注もできるようにして。「つーる・ど・堺」で取材させてもらった先の食材を使ったメニューを出して、紹介しながら食べてもらって、堺を周遊できるための入り口になったらいいなあ」
姉も「いいねえ」となり。2012年5月6日に、堺の古いふるい商店街「山之口商店街」で紙カフェがOPENしたのです。

その続きは「紙カフェレターその4」にて。


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