印刷屋さんのペーパーフリマ開始秘話 紙カフェレター その6

紙と紙カフェ、ペーパーフリマのこと。③ by妹ともぞう

紙、というのはもともと、とても大きいものです。種類によって異なりますが、紙屋さんが大きな断裁機で必要な大きさに切ってから印刷屋さんへ納品します。

印刷屋さんはお客様からご注文があって初めて紙を仕入れるのですが、この紙ならあの仕事もこの仕事も対応できるな、と判断したらあらかじめ多く仕入れて在庫として保管していることもあります。さらに言えば、様々な理由で「刷り直し」という恐ろしいことも稀に起こるので、やっぱり紙は多めに注文しておくんです。

でもそういった紙たちも月日を追うごとにだんだん溜まってきます。その紙たちは「余り紙」として倉庫に増えてくるわけですが、破棄するのは紙が可哀想だし、使ってくれそうな近所の幼稚園や学校、各施設へ寄付しに回ってました。

しかし本業があるのでなかなか時間も取れず、お配りする機会が減り…どうしたものかと考えて「よし、近所の皆さんに持って帰ってもらおう!」“印刷屋さんのペーパーフリーマーケット”の企画が浮上。姉も「それ、ええやん!」となり、仲良しのパステルアート作家さんと一緒に余り紙でレターセットや栞や紙の詰め合わせなどを作りまくり、50円だの100円だの小学生のお小遣いでも買えるよーな価格帯にしました。

そして見てくださいこの手作り感溢れるチラシを!!💦
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第5回 ペーパーフリーマーケット チラシ

第9回 ペーパーフリーマーケット チラシ

2011年の冬に第1回目を開催。
もう10年も前のことなので初回チラシは見つからなかったけど、第5回と第9回のは見つけました。これ妹(私)が描いてます。子供の方が上手なんじゃないの?なクオリティ。なんやねんこれ黒歴史もええとこやがな。

広報手段はチラシとTwitterのみ。まあ10人くらい来て下さったらラッキーかなと思っていたのが、蓋を開けたらのべ70人以上もお越しくださったのです!当時、うちの周りにはなにもなく、工場と住宅くらいでコインパーキングも無く…。堺の辺鄙なこの場所に、電車やバスなどでわざわざ足を運んでくださった。
そして皆さんとにかく大量に購入してくれ、めちゃくちゃ喜んで帰ってくださる。

「紙ってこんなに需要があるんだ!」と思い知らされた瞬間でした。
紙変態は私たちだけじゃなかったのか…!!

そして回を重ねる度に、近所の皆さんや遠方から来てくださる方々が増え、クラフト作家さんや飲食店さんを招いたり、その場で作れるカレンダーや名刺づくりや紙で作るワークショップ等など、コンテンツも増えていきました。

そうそう、近所のお店屋さんにも足を運んでほしくてスタンプラリーも盛り込みました。
とにかく、こんな辺鄙なんだからうちだけじゃなくて良いお店の存在も知って回ってもらわなきゃ!今まで「堺の情報サイト つーる・ど・堺」でお世話になった皆さんに声をかけると即ご快諾くださり、スタンプラリーの景品までご提供くださるようになりました。

社内スタッフも一丸となって準備をして、チラシを撒いて、会場レイアウトを決めて、当日を迎える。増えていくお客様の対応や、新しいコンテンツの内容、スタッフ配置、人数のカウント、自転車の誘導などなど、何度もミーティングを重ねて、終わった後も反省会を開き、よりスムーズに進めるよう進化していきました。
そうすることで、スタッフの信頼関係も育まれていったのです。実は姉と妹のウラの目的でもあったので、それも嬉しかったなあ。

そんなことがあって「紙cafe」はますます、紙好きな方々へのマストなお店になるんじゃないか、思うさま紙変態話に花が咲かせられるんじゃないか、とゆーワクワクもあり、2012年、OPENに踏み切りました。

紙cafeから本社までは自転車で15分ほど。紙cafeに来られるお客様に「今度ペーパーフリマやるんですよ!」と宣伝も出来るし、逆にペーパーフリマに来て下さった皆さんに紙cafeをご紹介できたりして。

余った紙を使って、地域の皆さんとのふれあいの場を作れた。印刷屋さんにとっては当たり前のものが人と人を繋ぐ資源になったんです。色んなところから取材依頼もきて、これは本当にやりがいがありました。

ペーパーフリーマーケットの様子

ホウユウ本社

紙カフェレター その7に続く

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