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狐塚冬里
2014年12月19日 23:03
いやなんだ。きみがいないと認めるなんて。ずっと一緒にいてくれるって。あの言葉はうそだった?きみの言葉を信じてここまできたのに。何度心を折られ膝をつきそうになっても、きみのその言葉があったから前へ前へと足を進めたのに。それなのにどうして今、きみはここにいないの。心を覆い尽くす闇に低い呻き声を上げ、ニヒツはその細い体を濡れた地面の上から苦労して持ち上げた。まだ、冷たい雨は止まない。