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初めての大腸内視鏡検査(2)

下剤を飲み終えて二時間後、クリニックへ向かう。
予め30分前にクリニックに着くよう指示されていたようで、待ち時間がけっこうあって、その間ずっとドキドキドキドキドキドキしていた。
ひとつ気がかりだったのは、鎮静剤を使うこと。全身麻酔のあと、ひどい麻酔酔いをした経験があるので、気持ち悪くなったら嫌だなと思ったのだ。だが、検査直前に医師と相談するときには、この極度の緊張が続くよりは鎮静してもらった方がいいと気持ちが固まった。医師も「そんなに強い作用はないから大丈夫」と言う。実際、「眠くなるお薬いれますね」と言われたが、全然眠くならず、モニターに映し出される自分の腸内探検を楽しんでしまった。薬が入った瞬間、額のあたりが一瞬もわっとしたので、確かに鎮静剤は使われたのだろうが、ドキドキが鎮まる程度の効果で、ふらつきもしないし、気分も悪くならなかった。ホッとした。

肝心の検査自体は、全く痛みもなく違和感もなく、本当に楽だった。「悶絶する苦しさ!」なんていう口コミを目にすることがあるが、医師の腕によるのか、使用する機械によるのか。とにかく、何の苦痛もなく、あっという間に終わった。

予想外だったのは、検査後のお腹の痛み。チューブを通すことでガスが入るのだろう、検査台から下りてリカバリー室に移動した直後から、もうずっとお腹が痛い。自然におさまっていくものではあるが、これはけっこうつらい。夫が半休をとって迎えに来てくれたので、何を入れたのか重くなっていたリュックを持ってくれて助かった。歩く振動が腸に響くから、一歩一歩本当にゆっくり。そろそろそろそろ。

検査の結果、小さなポリープが一つあり、切除してもらった。ちょうどよく痛むお腹のあたりにあったので、「腹痛はそのせいですか?」と聞いたら、「関係ありません」。そうだよな、かなり進行した腫瘍があっても痛みは出ないらしいもの。
それ以外はとてもきれいな腸だということで、ひと安心。それまではネガティブ炸裂して、よくないことばかり考えていたので、つくづくこの性格に呆れてしまう。杞憂というではないか。心配する必要のないことを心配するのは、本当に心の無駄遣いなのだよ。疲労を生むだけ。

腸が何でもないとしたら、腹痛の原因、すっきりしない便通の原因は何?となるが、そこで医師から渡されたのが『IBSという病気かもしれません』という製薬会社の冊子。要するに、過敏性腸症候群
やはり。
自分でいろいろ調べている中で、その可能性は視野に入れていて、でも、多分それだなんて安易に自己判断して、重大な病変が隠れていたら大変と思い、今回内視鏡検査に踏み切った由。検査を受けたうえで、医師がその可能性を指摘してくれたことには、とても納得がいく。医師は、前回の問診で、恐らくそうだろうな・・と思っていたはずなので。

それにしても、神経性頻尿なうえに、過敏性腸症候群かもしれないなんて、どんだけ繊細、神経質、心配性なんだか・・・・
六十過ぎて遅いかもしれないけれど、自らストレス呼び込む性格だけは改善したい。(昔、精神科医のおじが、「二十歳過ぎたら人は変わらない」と身も蓋もないことを言っていたけれども)

現在、一番のストレスは、母との同居生活だと思う。でも、母もずいぶん変わって(八十過ぎても変われるじゃないか!)、こちらへの歩み寄りを感じるので、あまり母のご機嫌を気にする必要はないのかもしれない。私は私で、私の好きなように。せっかくだから、もっと自由に生きてみよう。

検査から一日。まだ腸の違和感は残る。左脇腹の腹痛も若干。でもそれは、怖い疾患のせいじゃないとわかったのだから安心して。今日は消化のよい食事を丁寧に作ろうと思う。→(3)に続く


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