当事者なのにどうすればいいかわからなかった~聴覚障害者が働くスタバにて~
ちょびっと遠出をして、平岡瞳さんの個展に行ってきた。
前に郵便局のフェアで購入したポストカードと切手がとても好きで、今回もあればなあと思ったけれど、グッズはあまりなくてちょっと残念。
それは次回の紙博に期待しよう。
せっかく国立まで行くのだから、この機会に・・と、聴覚障害者が働くスタバに寄ることにした。
いつもレジで注文するときは緊張するけれど、今回は同じ聴覚障害当事者同士なのだから困ることはないだろう・・と思ったのに、いざ店員さんを前にすると、どうコミュニケーションをとればいいのかわからず戸惑ってしまった。
私は難聴だけれど、就職に至るまで健聴者と変わらず過ごしてきたし、少なくとも二十代までは通常の会話に困ることはなかった。
ふつうに話せるし、条件によってはまだ聞き取ることができる。
実際、夫との会話は、声に慣れているせいもあって、補聴器なしでも問題ない。
美容院や病院などで、予め聞こえづらいことを伝えると、途端にしゃべらなくなって、身振り手振りで下手なパントマイム??を始める人がいて、いやいや、まずはふつうに喋ってくれよ・・と辟易していたのだが、自分が聴覚障害者を前にするとはたしてどうだろう・・、話せないのである。
聞こえないと言っているのだから、話しちゃだめなんだろうと思ってしまう。
相手の障害の程度がわからないにも関わらず。
私ですらそうなのだから、健聴者ならなおのこと、どうしていいのかわからないだろうな、と何だか初めて気付かされた。
悪く思ってごめんって感じ。
結果的に、スタバでは、まず注文したいケーキをスマホに打って店員さんに示し、ドリンクはメニューを指さした。
店員さんが指さしシートでホットかアイスか?と聞いてきたので、ホットをさし、ついでにサイズも指し示す。
ゼスチャーで、「ここで食べますか?」と聞かれたので、O.K.と頷く。
無事完了。
手話ができたらもっと楽なのにな。
いまさら覚えるのは大変だと思い、全くその気になれなかったのだけど、健聴者が聴覚障害者とコミュニケーションをとるためにわざわざ学ぶぐらいなのだから、聴覚障害当事者が知っておいて損はないだろう。
ちょっと心を改めて、簡単な手話はわかるようになりたい。
さらに今後の課題。
自身の難聴をわかってもらうために、サポートしてもらうために、何をどうして欲しいのか、的確に相手に伝えられるように準備しておこう。
私なりの指さしカードを作ったり、サポートして欲しいことを書いたメモを持ち歩いたり。
「耳が悪いので」と言うだけで、適切なサポートを期待するなんて無理だ。
誰もが口パクになって手をあわあわさせてうろたえてしまう。
悪気はないのだ。
それが自然な反応。
聴覚障害者同士で交流をはかることも大切なのかもしれないな。
サイニングストアに行ってみてよかった。