わかるよ、賢太 『日曜の夜ぐらいは…』
「わかるよ」なんて簡単に言ってはいけない。
過去に、昨日何があったかなんて全く知らない人に、「ちょっと疲れてて・・」と言ったら、「わかるよわかる」と即座に言われて閉口したではないか。
え?
あなたに私の何がわかるの?
何を知ってると言うの?
ふつうの関係なら特に気にすることもなかったろうけど、その人は、共にグリークケアを学ぶ仲間で、ことさらに人の思いには敏感に、言葉選びは慎重に、注意深く相手の話を聞くことを心がけているはずの人だったから、落胆が大きかった。
勝手に期待してすみません、だけど。
あの子は今もあの調子で看護師してるのかなあ。
あれ、話が逸れた。
そうだ、賢太だ。
『日曜の夜ぐらいは…』でカフェプロデュースをしている。
安定の岡田脚本で、とっても楽しく見ているのだけど、この人はいい人?大丈夫?と思う人物もいて。
みねくんはいい人そうだけど、賢太はちょっとわからなかった。
何せ爽やかなイケメン。
語り口も柔らかく、人の心にそっと潜り込んで来るような。
こんなイケメンがいい人ってある?
こんな人の良さそうな人が、ほんとに本当にいい人ってことある?
そう思っていたら、ズバリそれが賢太の悩みだった。
「カフェプロデュース?なにそれ、チャラいな。」
「まあイケメンだから楽勝か。」
「女騙す感じ?」
などと友達に言われて浮かない顔をしていた。
あるよね、ある。
イケメンにはありそう。
「違うクラスの時はどこぞのお嬢様かと思ったけど、同じクラスになったら全然違った」
すみませんね、授業サボってばかりで。
煙草吸って。(高校時代)
お嬢様じゃなくて。
「色目使ってる」
「ぶりっこしてる」
「あちこち手出ししてる」
めんどくさいので、一年間、クラスの男子と口をきかなかった。
それでも事態が変わらなかったので(よそのクラスからわざわざ悪口を私の机に書き込みに来る)、黙っているのもばかばかしくなって、用事があって男子に話しかけたら、その子、キョトンとして、しばし固まった。
「び、びっくりした。akarikoさん、男子と話すんだ」って。
そんなに特別じゃなくても、ほんのちょっと目立つだけで疑われる。
というか、やっかまれる。
賢太の気持ち、経験してきたこと、やっぱりわかる気がする。
そういうシチュエーションまで掬い上げる岡田さん、本当にすごいな。
会話の一つ一つが細かくて、めちゃくちゃ自然で引き込まれる。
もちろん、役者さんたちがみんな上手だからなんだけど。
どうやら賢太もいい人そうなので、次回からはもう少し安心して見られるかな。
反対に、どう見てもダメそうな人たちがワラワラ邪魔しに現れそうな気配で怖いけれど!