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「ああ、すみません、ギア入れ間違えました!!」

青木崇高に間違いはない。
そして、「同情するなら金をくれ!」の安達祐実の尖りっぷりは健在。

NHKドラマ『3000万』に射抜かれました。

初め、え?才能ありそうな息子にピアノを買ってやれなくてお金を作るために無理しちゃう話?と想像しながら見ていたのだけど違った。
冒頭で一家が不測の交通事故に遭い、息子が乗ったままの車を乗っ取られて大ピンチに陥るのだけど、あろうことか、その先で息子が大金が入ったバッグを盗んでしまう。
それを知ってからの夫婦の右往左往。

返さなきゃ。
気が動転していて気が付かなかったけど、こんなの持ってきちゃってました。
そう警察に言おう。
あくまで息子が盗んだことは隠して。

なのに、警察署で引っ張っていかれる少年を目にした夫は尻込みして、真実を告げることなく、そのまま持って帰ってきてしまう。
しょうがない。
とりあえず一時的に保管しておこう。
保管するだけ。
手は付けない。
頃合いを見て返しに行く。

そう話し合う夫婦。
だが、どうやらそのお金の出所が危険なものであるらしいことが見えてくる。
強盗とか裏組織とか。
そんなの怖くて置いておけない。
元の場所に捨てに行こう!

そう決めて、深夜、夫婦で車を走らせる。
が、いざ捨てようとすると、何やら人の声が聞こえる。
大金の存在を知っている男たちがバッグを探しているところだった。
慌てて逃げようとするものの、車の操作を誤り見つかってしまう。

男たちは夫婦の車の中を見て、「あのバッグじゃないっすか?」と気付く。

The End.

と思いきや、バッグの中に入っていたのは紙幣ではなく、元ミュージシャンだった夫の、使われることなく残っていたライブチケット。
内心、驚く妻。
「謝ってください!」そう言って男たちを帰らせ、危機を切り抜ける二人。
そして、タガが外れた妻は、ギアをバックに入れたまま、猛スピードで男たち二人に急接近。
ビビる二人に向かって、運転席から顔を出した祐実ちゃん、

ああ、すみません、ギア入れ間違えました!

ぶっ飛んでる!
快感!って感じ。(これはドラマも人も違う)

「家にあるんだよね?」
「ある。いくらだっけ?」
「三千万!」

壊れる二人。
青木崇高と安達祐実
もう最高!

ハラハラドキドキを三回四回繰り返して、ひゃあ、すごいもの見た!とゲラゲラ笑ってしまった。

調べたところによると、NHKの脚本開発プロジェクトから生まれた作品で、脚本家たちは海外ドラマや韓国ドラマをさんざん見て、どういったストーリーが視聴者の心を掴むのかを研究し尽くしたらしい。
そこには一定のセオリーがあるのだろうが、その「型」にこそ、人は弱いのかもしれない。

ものすごく久しぶりに、求めていた面白さに出会えた気分。
次回が楽しみ。
もめにもめて、混沌として、どうしようもなくなるのはわかっているんだけど、そのどうしようもなさがめちゃくちゃ楽しみ!

P.S.
制作側の裏話も興味深い。


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