昭和50年代、お調子者、痛みで教わる
今日も、とーちゃんなのだ。
昭和の話をすると、意外にも、「スキ」をしてくれる方もいるようなので、
じゃあ、今日は、昭和の話でもすんべ。
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今の小学生が、どんな感じかわからん。
とーちゃんの、小学校高学年のころ(昭和50年代)を思い返すと、
悪ガキ?というか、相当なお調子者だったと思う。
ちびまる子ちゃんでいえば、山田くんやはまじぐらいお調子者だった。
当時、我が6年3組には、
「ブル捜査隊」
というものがあった。
授業前の朝、
職員室から出てくる、担任のブルドッグに似た先生を、
数名の男子生徒(ブル捜査隊員)が、校舎内の角々に立ち、
その先の、男子生徒に伝えてゆく。
これが、名付けて「ブル捜査隊」なのだ!
時代は、
「太陽にほえろ」や「Gメン75」など、
刑事もののTVが、すごく流行っていた。
当時、ボクら少年のあこがれは、「刑事」だったのだ。
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話をもどす。
そう、朝の職員会議なるものが、たぶん職員室であったのだろう。
毎朝、同じ時刻に、ブル先生は職員室から出てくる。
1階の職員室が見える、廊下の一番奥で、
1人目の捜査隊員が、監視する。
そして、職員室から出てくるブル先生を、発見すると、
次の廊下の階段前に立つ、2人目の捜査隊員に、
「ブル発見!」と伝え、1人目はダッシュで、2人目の方へ走るのだ。
(たぶん、皆の頭の中では、太陽にほえろ「追跡のテーマ」が流れていた)
そして、1人目と2人目が、階段下で待機。
そこで、ブル先生を発見すると、
次の階段の上階に立つ、3人目の捜査隊員に、
「ブル発見!」と伝え、2人はダッシュで、階段を上る。
そして、3階の教室前で待つ4人目の捜査員に、
同じように伝え、最後に教室に4人が駆けこみ、
教室のクラスメイト全員に伝える。
という、
なんとも、子どもじみた「刑事ごっこ」を、
毎朝していたのだ。
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ある朝、異変が起きた。
ブル先生が、通常ルートを離れ、トイレに入ったのである。
そこに、ブル捜査隊が潜入。
個室に入っている、ブル先生に、トイレの外から、
あろうことか、
「ブル、ク〇してる~!」
と、何度も、言ってしまったのだ。
時代背景を言えば、
ボクらが小学生のころは、小はOKだが、
なぜか大をすると、クラス中で言われるような時代だった。
なので、小学生にとっては、学校でク〇をすることは、
ある意味、ご法度だったのである。
で、そんな勢いで、
大人のブル先生に言ってしまったものだから、
さあ、大変!!!
そのあと、教室で待ち受けていたのは、
ブル捜査隊のうち、3名の捕獲だった。
教壇前。後ろにはクラスメイト全員。
そこで、人が一人分開くぐらいに、等間隔で並ばされた。
そして、そこで起きたのは、
何十発の、往復ビンタだった。
もちろん、要領の悪いとーちゃんは、その3人の中にいた。
バチン!バチン!
ビンタの音が、教室中に響く。
何十発のビンタ。
ボクらの両頬は、みるみる腫れあがった。
ボクら「ブル捜査隊」は、その日、
捜査隊の3人も、ブルドッグになったのだ。
先生の取った行動は、
当時では、当たり前だったと思う。
悪いのは、ボクら。子どもながら、十分にわかっていた。
そこで、教わらなければ、
たぶんボクらは、何をしても許されると学習し、
将来、とんでもない大人に、なってしまったことだろう。
家に帰ってからも、父のえいちゃんと、母のマミーには、
「先生のビンタは当然だ!」と、
再び、家でも怒られたことを思い出す。
今は、絶対に許されない。
体罰は、犯罪である。
とーちゃんは、もちろん今は、絶対に体罰は反対だ。
もう一度言う。
平成・令和の今、体罰は絶対反対である!
けれど、昭和50年代前半の当時は、
そうされても、仕方がなかった時代。
と、同時に、
絶対的に悪いのは、ボクたちだと思っている。
今考えると、先生の手も、相当痛かったのではないだろうか?
ごめんなさい。ブル先生。
そんなことも、考えてしまうのだ。
昭和は、はるか昔。もう二度とは、来ない。
一方で、
なんだか、こんな痛い思い出さえ、
いい時代だったなぁ・・・と、
懐かしく感じたりもするのだ。