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猪崎城(京都府)~福知山のハノイの塔?

 京都府福知山市の城といえば、もちろん福知山城が挙がります。

 しかし、福知山市内には別の城跡もあります。福知山城の北2キロ弱ほどの距離にある猪崎城は、史跡として整備され見学もしやすい中世城郭です。塩見氏という丹波の国人の城でしたが、明智光秀が丹波を攻略した際に落城。城主の塩見家利は討ち死にしたといいます。

 今回の旅では、福知山駅でレンタサイクルを借り、福知山城~猪崎城を回りました。
 福知山城から北進し、由良川を渡ります。途中には、明智光秀が治水のため築いた堤防の一部「明智藪」もあります。

 城跡は整備が行き届いており、大切にされていると分かります。案内板の下部が草におおわれていますが……

 舗装された道を登っていくと、左手に曲輪が段状に重なっているのが分かります。緩やかな斜面を削り、舌のような形の曲輪を連ねているのです。

 曲輪のひとつから上を見上げると、ひな壇のように見えます。

 標高は64mに過ぎず、すぐに本丸まで登れてしいまいます。綺麗な円形の本丸からは、福知山市街を一望できます。

 猪崎城は砦レベルの小さな城跡ですが、面白い形状をしています。本丸の一段下には腰曲輪があり、ぐるりと土塁が一周しています。

本丸から見下ろした所

 土塁の残存状況は良好です。経年劣化によって低くなっているため、本来はもっと高低差がありました。

 ここの土塁が、猪崎城最大の見所といえます。

 さらに一段下にも腰曲輪があり、やはり一周ぐるりと回っています。ちょうど、ゲームの「ハノイの塔」のような形状なのです。

上から二段目に立ち、三段目を見下ろす

 また、周囲は切り立った崖になっており、容易に攻め上れません。

 福知山城のついでに足を延ばしたのですが、期待以上に面白い城跡でした。アクセスも悪くないので、お勧めの山城です。

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