映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』 | 時貞への嫌悪と憎悪で深夜に気が狂いそうになった件
『日本アカデミー賞』で優秀アニメーション作品賞を受賞していたので、配信開始を楽しみにしてた『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』。
国民的アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』のエピソードゼロである衝撃作。
そしてPG-12指定作品。
子供向けの作品じゃないんやで、という気迫を感じたPG-12。
ただ、個人的にはR-15です。
あらすじはこちら。
戦後の暗い影に押し潰されそうな、なんとも重たい映画でした。
昭和33年の東京を描いた映画『ALWAYS 三丁目の夕日』のたった2年前の設定とは思えないほど、希望とはかけ離れた空気感。
あらゆる場所で充満する煙草の煙のように、不満や鬱憤、重苦しい空気が日本中を覆い、煙草の煙の中で続く誰かの咳が、他人を気遣うことができない余裕のなさ、冷たさを浮かび上がらせていました。
自分さえよければ、
自分の一族さえよければ、
そのおこぼれを貰えるのであれば、
残酷で残虐で理不尽で、相手の尊厳を踏み躙る行為をすることは厭わない。
猟奇的な発言と行動を繰り返す龍賀一族に吐き気がしましたが、もしかして人間というものは(私も含めて)、突き詰めるとやはり自分さえよければいいという思考になってしまうのかもしれないと考えるとぞっとします。
※映画の内容に触れますので、ご覧になっていない方はとりあえず映画を見てから龍賀家の悪口を言い合いましょう。
龍賀一族に支配され、哭倉村は村全体が侵食され、もはや後戻りできない状態。
腐ったリンゴが樽全体をだめにしてしまうように、腐り切った龍賀一族が村に住む人々たちの感覚を麻痺させ、腐らせてしまっているのです。
そんな閉鎖的で嫌な奴が多い村で、見ているこちらの救いとなるのが、亡くなった龍賀家の当主•龍賀時貞の孫である龍賀沙代と、同じく時貞の孫である長田時弥の2人。
排他的な龍賀一族の中で、沙代と時弥は外から来た水木を排除せず、健やかな笑顔で、東京について興味深々で聞いてくるかわいい存在でした。
沙代のことは、一刻も早く東京に連れ出して広い世界を見せてあげてほしかったし、時弥のことは、時弥の純粋さが失われる前にどうにかこの異様な龍賀一族から救ってあげてほしいと思ってました。
ですが、一切逃げ場のない、圧倒的な絶望をこの映画は私たちに見せてきます。
なんと沙代は、死んだ龍賀一族の当主•時貞(祖父)の子孫を残すため、時貞の手籠にされていたんです。
しかも沙代の母親は守ってくれるどころか「沙代がちゃんとお父様(時貞)の子を身篭っていれば」なんて抜かしてました。
孫に手を出すとか、自分の子供を父親に差し出すとか、もう狂ってるとしか思えない。
腐ってる。完全に腐ってる。
こんな地獄がこの世にあるのか?
挙句に沙代は強い怨念により妖怪に取り憑かれ、母や次期当主となった長田、一族の人たちを殺害。
水木と共に村を出ようとするものの、水木に全て知られていると気づくと絶望し、霊力を爆発させて多くの人を殺害、最後には一族の人間に斬られて死亡。
……おいおいおいおい!!!
なんてもの見せてくれてんだよ!!!
沙代、かわいそうすぎるだろうが!!!
あの子は本当は何も悪くなかったのに、最後は妖怪になって挙句に殺されるって……涙!!!!
水木も頼むからもうちょっと上手くやってくれよ。
沙代を幸せにしたいとか、そういうの全然ないのわかるよ。ただの同情なのもわかるよ。
でもそれを隠さなすぎでしょうが!
その目線逸らすのやめてもらっていい?
少しも演技できないんか!
沙代の絶望を深めてどうすんだよ涙!!!
そういや、時弥は?
もう私はなんとしても時弥だけでも守りた………
え?なに?この気持ち悪いやつ。
まさか、まさかーーーー
時弥、時貞に体乗っ取られてるじゃんかーーーーー涙!!!!!!
時弥もういないの?!
嘘でしょーーーーーーー涙!!!!
……ということで、あの可愛らしい時弥は、時貞の入れ物として作られ、魂を奪われて、肉体をあの気持ち悪いクソジジイ(時貞)に取られてしまったのです。
しかも時弥の魂は今頃地獄にいる、とかクソジジイが嫌な顔で言い出して、私は深夜に怒りで気が狂う寸前でした。
うん、時弥の魂がもうないならこいつ(時貞)死んでいいや。
もはやこいつが何でこんなに強いのかよくわからないけど、もうこいつをやらないと寝れない。
早くこいつの頭カチ割ろう。
時貞への嫌悪感と憎悪で私の精神と忍耐が限界を迎えようとしたところで、水木と鬼太郎のお父さんがどうにか時貞をやってくれました。ありがとう。
よかった……あいつが死ななかったら寝れないところだった。それどころか、あいつが生き延びたら悔しすぎて精神崩壊するところだった。危なかった……
こんな胸糞悪い奴います?
あまりに自分勝手で、それに対して一族は疑問も持たずに従い、沙代と時弥2人の純粋な心を奪い、心を持つ妖怪に対して長年非常な仕打ちをした。
時貞は永遠に続く地獄で苦しんでほしい。
不死川実弥とかリヴァイ兵長とか飛影とかマッシュとか鷹村守とかヒソカとか王騎将軍とかケンシロウとかワンパンマンとかチェーンソーマンとか、ありとあらゆる強い奴を集めて順番に時貞を痛めつけてやりたい。
沙代が一族の人間を殺すシーンの残虐さ、
秘薬Mの製造方法、
龍賀一族の異常性、
体を奪われてしまったまだ幼い時弥、
吐きそうになった時貞の気持ち悪さ。
これR-15ですよね。
保護者の助言•指導があっても小学生以下の子にこれ見せられないです。
親の助言と指導必要すぎだし、説明難しすぎ。
時弥、今度生まれ変わる時はうちの子になりな。
沙代も、うちにおいで。
みんなで幸せになろう。
おしまい。
昭和は本当にみんなタバコ吸ってるよね、と話したら夫が「お菓子が美味しくなかったんよ」と言ってました。
……そうなの?