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石さまざま
2024年11月10日 10:28
はじめに本稿『可能性の哲学』は、ある意味で言えば織田作之助『可能性の文学』と相通じている。それは題目を似せてつけたわたしにその原因の一端があるだろうが、ひとつ内面から沸々と湧き出てくる素直な言葉であったと思うのだ。日本における近代エゴの問題はあるときから非常にデカダンの雰囲気を醸し、われわれはその空気に収まるうちにユーモアや冷笑、はたまたそれら全てによる諦観をみずからの拠り所に据えたのである。畢