首都感染 高嶋哲夫
これが2010年に書かれたものであることに驚きました!!!
新型インフルエンザウイルスとコロナウイルスとの違いはありますが
いま全世界に起こっていることが
まるでそのまま描かれていました
首都を封鎖するなんて、なかなかできるものではないですが
それが有効であることもわかります
そんな中、有効なワクチン
有効な治療薬 M-128
が開発され終息へとむかう
そして背景にある人間模様が印象的でした
主人公優司と由美子の関係がうまくいってよかった
「まず、不特定多数の人が集まる所には行かない。それには、不要不急の外出を避けることがいちばんです。やむをえず人に会うときには、対人距離をしっかり保つことです。飛沫は一メートルから二メートル以内に飛び散ります。それに、手洗い、うがいを徹底する。咳エチケットはご存知でしょう。くしゃみをするときにはティッシュで覆うとか、マスクをするということです。マスクは自分のためでもありますが、他人のためでもあるのです」 優司は一気に述べた。小学生用の注意事項だが、これらのことを守るのは簡単なようで簡単ではない
→これが、すでに2010年で述べられている、すごい!
「人間のやることだからさ。情に流され、怠慢に満ちている。だがどんなに注意しても、どこかでミスは起きる。針先ほどのミスも数秒後には鉛筆になり、バットになり、人が通れるくらいの穴になる。最初のミスを責めたり詰るのではなく、ミスを共有し、検討してよりミスのない方向に導く。謙虚になれということさ。新型インフルエンザの場合、感染は飛沫感染と接触感染だ。この二つを徹底的に注意すればいい」 〈
→少しでも例外を作れば、そこからウイルスが拡散していく
まさにそのとおりだ
ウイルスは自力では生きていけない。他の生物の細胞に入り込み、そこから増殖することが存在目的なのだ。宿主を殺してしまっては、ウイルスは生存できない。宿主との共存が存在のための必須条件なのだ。ウイルスは進化し、共存出来る状態に自分自身を変えているのかも知れない。
いま流行中のコロナウイルスは
SARSやMARSほど強毒性はなく
むしろ人に感染して生き残る
したたかなウイルスだ
ウイルスも生きる術を探っている
〈この世界を震撼させたパンデミックはおおむね終息しました。今回のパンデミックで人類は、大きな悲しみを共有しました。しかし世界中の英知の結集と結束、広い慈愛の精神により、乗り越えることが出来ました。だが、この地球上のどこかでは、まだ見えざる敵が私たち人類を滅ぼそうと狙っているのです。このパンデミックは、私たちは私たち同士による愚かな争いに力を使い、心を悩まされるのではなく、心を一つにしてさらに強力な敵に向かう準備をすべきだという教訓を残してくれました。今後も人類はどのような試練が立ちふさがろうと、克服できると信じます。私たちは希望という言葉を人類共通の武器として進んでいくことでしょう。神と共に〉 カオは深々と頭を下げた
人類がずっと繰り返してきた歴史なんだなと
実感しました