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色んな人の俳句を読みたいと思ったら、アンソロジーを読もう!『天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック/佐藤文香 編著』

色んな素敵な俳人がいて、色んな句集が出ているのもわかったけど、そんな一気に全部買えないし、どう探したらいいのかわからないよ😔、と思ったそこのあなた。

とてもおすすめの俳句アンソロジーがあります。
2017年発行『天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック』です。

若手俳人の佐藤文香さんによる編著です。
何を隠そう私もこちらのアンソロジーでたくさんの素敵な俳人を知りました。詩客の俳句時評や、Twitterでの俳句鑑賞を書く時なども、本当にお世話になっております。
以下、Amazonの紹介文を引用します。

1968年以降に生まれた、いま最もイケてる作家による現代俳句アンソロジー!
自身も気鋭の若手俳人である佐藤文香が撰者となり、【おもしろい】【かっこいい】【かわいい】の章ごとに18人ずつ計54人の作品から選句。
頼れる俳句の先輩・上田信治、小川軽舟、山田耕司と対談した「読み解き実況」も掲載しています。

季語があって5・7・5なのに、なんでこんなに自由なの?
季語がなくて5・7・5じゃないのに、こんなになんで俳句なの?
すごい、これが今の俳句か!
若々しく伸びやかで、花鳥諷詠にとどまらない題材のバリエーションをもち、切なかったり笑えたり、俳句に詳しくない人でも楽しめる新しい俳句を、結社の枠をこえて集めてみました。

初めて俳句に触れる人も、すでに俳句に親しんでいる人も、ぜひ、本書のなかから好きな作品を探してみてください。
俳句の世界へようこそ。俳句は俳句をやってる人にしかわからない、そうでしょうか。
そのジャンルについて全然知らなくても、本当に面白いものに出会えば、興奮しませんか。
願わくはこの本で、今のあなたにとって最高の一句に出会ってほしい。(「まえがき」より)

(掲載作家)

【おもしろい】
福田若之/生駒大祐/北大路翼/阪西敦子/鴇田智哉/高山れおな
小津夜景/相沢文子/宮本佳世乃/小川春休/西山ゆりこ/トオイダイスケ
小川楓子/野口る理/中山奈々/村越敦/黒岩徳将/宮﨑莉々香

【かっこいい】
堀下翔/藤田哲史/藤井あかり/髙柳克弘/村上鞆彦/榮猿丸
五島高資/九堂夜想/田中亜美/中村安伸/曾根毅/堀本裕樹
岡田一実/十亀わら/鎌田俊/矢口晃/三村凌霄/大塚凱

【かわいい】
小野あらた/外山一機/西村麒麟/田島健一/関悦史/津川絵理子
日隈恵里/長嶋有/矢野玲奈/髙勢祥子/津久井健之/澤田和弥
南十二国/佐藤智子/神野紗希/越智友亮/今泉礼奈/山岸冬草

Amazon紹介文より

ねねね、面白そうでしょ!
あらかじめ【おもしろい】【かっこいい】【かわいい】に分類されているから、探しやすいし各俳人さんごとに、佐藤さんとゲストの方が対談形式で評をしていたり、あるいは佐藤さんの個人の評があったり、俳人の方を掘り下げて知る参考になります。何より、どれも愛に溢れていて、読んでいて楽しい。

そして、まえがきを読むとわかるのですが、佐藤さんはこのアンソロジーを、既に俳句をやっている人に向けてというよりは、俳句にまだ触れたことのない人に向けて、俳句を知らない人に向けてのガイドブックとして編んでいるのです!少しだけ引用させてもらうと、こんな感じ。

そこで本書は、「現代俳句ガイドブック」としました。今、私たち比較的若い俳句作家が面白いと思う作品が、このジャンルのなかでどう面白いか、どう新しいかを、ふだん俳句を書かない人にもわかるように紹介しようと努めたものです。この短さで、これだけの多様性が生まれるのか! と思っていただけるだけでも嬉しいです。

『天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック』佐藤文香 編著

めちゃめちゃ熱くないですか!?
私も、この本が、佐藤文香さんの想いが、もっとたくさんの俳句の外の世界の人に届いたら嬉しいと思って、こちらで紹介させていただきました。

さて、上記のAmazon紹介文の俳人リストを見て「現代の俳人ってこんなにいるの?」と思われた方もいるかもしれません。ふっふっふ。素敵な方はまだまだもーっとたくさんいます!それでも、一冊でこれだけ多くの方の句が読める場は、他になかなかないと思います。

その他、収録作家の分布図(マッピング)などもあります。同じ図の中に、昔の有名俳人も参考としてマップされているので、彼らの分類を見てとても勉強になったりもしました。(へー、波郷ってここなんだ。あ、万太郎はここなのか、なるほど〜 等)

それぞれの世界観がぎゅっと詰まっている句集もとても良いものです。
でも、まずは色々と出会いたい、自分が何を好きかもわからないから色んなタイプの句を読んでみたい、という方に、俳句の入り口としてのアンソロジー、超おすすめです。


なお、他にも俳句アンソロジーは色々あります。
少し発行日が古いものになりますが、こちらもオススメです。

2010年発行 新撰21 (セレクション俳人 プラス) 


2011年発行 超新撰21 (セレクション俳人 プラス) 


2012年発行 俳コレ

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