不登校先生 (60)
この半年は人生の中でもかなり異常な非日常だった。
そんな風に、自分で自覚できるようになってきた10月。
体の激しい凝りをきっかけに、整骨院への治療を再開できた。
心療内科の先生からも、
「うつの療養にも効果的だと思うのでぜひ行かれてください。」
と言われた、久しぶりに行けてから二週間は毎日通ってほぐしてもらう。
そうすると、これまで眠れない、眠りが続かない状態だったのが、
一度眠ると、深い眠りにぐっすりと入ることができるようになった。
体と心はつながっている、当然のことなのだが、改めて実感する。
そうなると、ようやく、自分がうつになる前から付き合っていた病気に、
眼が向くようになる。
詰めて整体に通い、週に一度の心療内科の診察のルーティーン。
ひと月たとうかという10月末、この頃になると、お風呂を沸かすことも、
自炊を行うことも、意識を強く持たなきゃできないということがなくなってきた。
すると、頭になんだか大きな腫物ができてきたのだ。
左耳の上に、大きなこぶのような浮腫のようなできもの、
ニキビ体質なので、頭にできたニキビかと思いぐっと押してつぶそうとするが、
つぶれず、腫れてきた。手元に薬もない。
気になる皮膚の痛みは、整体よりも長くかかりつけになっている皮膚科に行こう。
うつになる直前まで、乾癬と、右のふくらはぎの治療に行っていた、皮膚科の先生の所に診察に足を運んだ。
「だいぶ空いてしまったのですが、実はうつになってしまって。」
「それは大変だったですね。どれどれ、、、これは大きなおできですね。」
「だいぶ痛みもあるのですが。」
「ととろんさん、乾癬の薬とかシャンプーはどうされていましたか?」
「普通通りに使っていました。」
「うん、おできには実は乾癬の薬は、逆効果になってしまうんです。」
「あ、それじゃあ、どんどんひどくしていってたんですかね。」
「ですね、でもこうして診察に来てもらえてよかった。ひとまず、おできが鎮まるまでは、頭皮の感染の薬は使わずに、今日処方する薬を塗ってください。あと飲み薬の抗生剤も出しておきましょうね。」
やはり、信頼している先生にしっかり診てもらえると安心できる。
「先生、そんなわけで、今自分は療養中なので、光治療も詰めて通います。」
「わかりました、光治療は、予約なしで来てもらって大丈夫ですので、いつでもどうぞ。」
11月、いよいよ動けるようになった体で、
まずは自分の病気の治療に取り掛かり始めた。
働いている時には、どうしても時間は作れなかったので、
この機会を良いチャンスと考えよう。
そう思って動き始めることができ出した。
一つずつ、日常を取り戻そう。
少しずつ、確実に。
↓次話
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