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不登校先生 (39)

退職の手続き、自分で全部進めていくのは初めてだ。

退職の意向を伝えてから、7月に入り、一週間ほどした頃、

校長先生より連絡が入った。

「ととろん先生、お加減はどうですか?先日ととろん先生の意向を聞いたうえで調べて分かったことをお伝えしようと思って連絡差し上げました。」

「ありがとうございます。よろしくお願いします。」

「はい、まず、先日私にお伝えしてくださったとおりに、病休期間ののちは、昨年度の年休の繰り越し分を当てて、お休みをとるようにして大丈夫とのことでした。そのように事務処理をしておこうと思いますが大丈夫ですか?」

「ありがとうございます。そのようによろしくお願いします。」

「そして退職の件ですが、こちらも、7月末日で大丈夫との確認が取れましたので、そのように手続きの準備をしようと思います。」

「はい、お手間をかけてしまいすみません。」

「いえ、退職に当たっては、退職願の様式がありますので、それを一度ととろん先生に郵送で送りますから、ご記入の上返送してください。」

「わかりました。届き次第返送します。」

「あと、再確認になるのですが、今年度の任用で付与された年休も消化することは可能なので、8月いっぱいまで年休を使ってからの退職もできますが、7月いっぱいで大丈夫ですか?」

「・・・はい、お伝えいただきありがとうございます。ですが僕は講師なので、8月末までそちらに籍を置いたままでいると、夏休み中から、代替を探すことができなくなり、これ以上校長先生にご迷惑をかけるわけにはいかないと思うので、7月末での退職にさせてください。」

「わかりました。それでは7月末日退職ということで進めていきます。」

「ありがとうございます。」

「あともう一つ。職場の先生方には、私の方から退職の旨お伝えしてよろしいですか?」

「は、はい。自分では伝えられないと思いますので・・・」

「そうですよね、退職のことを先生方に言ってほしくないかもしれないと思い、確認しました。では私の方から伝えておきます。」

「重ね重ね申し訳ありません。よろしくお願いします。」

「では、退職届が届きましたらご記入、返送よろしくお願いします。」

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淡々と、でも細やかに、話は進んだ。

数日後届いた、退職届の様式は非常にシンプルですっきりとした内容で。

真ん中に【退職願】と書かれていた。次に退職希望日の記入があり、

【以下の理由において退職を希望する】と書いてあった。

そしてその下に「退職を希望する理由について記入してください」

と書いてあり、空白になっていたので、退職の理由をまとめていった。


        『精神疾患(うつ病)の療養のため。』


一言で言えばそうである。だが、それだけで伝えられるものだろうか。

しばらく考える。この退職願の意味について考えてみることにした。

↓次話




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