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不登校先生 (12)

今が夜なのか昼なのか

自分が眠っていたのか起きていたのか。

だめだ、

何にもはっきりとわからない。

何にもする気がしない。

・・・・・・・・・・・・・・・

診断書を渡して、家に帰りつくと。

そのまままベッドに座り込んで、

・・・・・・・・・・・何もする気がしない。

自分の呼吸が浅く小さく耳に聞こえる。

静かだ。部屋の中の空気がそのまま時間も停止させているかのように。

紺色のカーテンで閉め切っている窓からは、日差しはほとんど入ってこず、

日中でも、だいぶ暗い部屋の中で、

ただ座り込んで、

ひとまず自分が命をつなぐために、

考えていたいくつかの手順をクリアできたことで、

どうしようもなく砕け散った中で必死に、冷静に、僕を動かしてくれていた

理性の僕も、心の中でボロボロで、

ここまで来たらひとまず大丈夫だと安心したのか、

エンストした機械の様に

ガクンと、動きを停止した。

完全に僕の心は、パソコンで言うスリープ状態になった。

小さな灯だけは灯っているけど、

心の中は真っ白に砕けた心のかけらで出来た砂浜のようで。

動きを止めたもう一人の僕は、

氷の彫像のように傷だらけの姿を完全に停止させて

全身の端から、ぽろぽろと崩れ落ちた、心のかけらが

砂浜のようになった心の平面に静かに溶けていく

そんな心の状態が、そのまま部屋に広がったように

ただ、ただ、呆然と、座って、何も動こうとしない。

お腹も減らない。眠っているのか起きているのかもわからない。

・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・コレガ、ムキリョクカ・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・

今はこのままでいいんだ。小さな灯のおかげで、

自分の心が確かにあることだけは、

分かっているから。

今はこのままで。

始まったぼくのうつ病との日々は、不登校の時間は、

強がることも虚勢を張ることも全く通用しない。

誤魔化すことも、妥協することも全くできない。

何にもない、何にもしない時間は。

こんなにも永いのか・・・・・・。

視線で、ただただ、壁時計の秒針を見つめている。

時間だけが過ぎていく。

何にもしない。したくないとも思わない。

動かない。動きたくないとも思わない。

自分自身が、ブリキのおもちゃにでもなったかのように。

↓次話


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