【双極性障害 うつ病】自分が安定していると他人も安定しますよね

 こんにちは、ととです。
 私のことを知らない方はこちらからお読みください。

 双極性障害11年目。
 近頃の通院では、もうほとんど「治療」というほどのことはしていません。
 医師に調子をたずねられて、具合が悪いところがあれば薬を増減するくらい。(といっても増えることはほとんどなくなりました)

 経験上、治療に専念すれば、10年くらいである程度、元気に「安定」して過ごせると思います。
 もっと早い人もいるかもしれませんね。
 10年が長いか短いかは、その時々、考え方によって違いますが、個人的には、過ぎてしまえばあっという間でした。

 もし「仕事を辞める」という覚悟があのときできていなかったら、私は今でも苦しんで、希死念慮とともに生きているのか、いないのか。
 自分のペナルティをカバーしながら、他の物事に従事するというのは、私にとっては今も難しいことです。

 それでも、普通に生きていくぶんには、「しあわせ」だと考えられるようになりました。

 それは、幸か不幸か、一人になりたくてもさせてくれなかった、周りの人びとのおかげだと思います。
 この文章を読んでくださっている当事者のあなたは、きっとどうあがいても一人になることはできないでしょう。
 必ず誰かの支えがあって、今を生きている。
 それを忘れてはならないし、その人たちが私たちを思ってくれているぶん、できることは恩返ししていきたいものですね。

 私の場合は家族の理解があったからこそ、ゆっくりとした時間を過ごすことができたと思います。
 原因不明の発作があっても、混乱してあらゆる物を放り投げても、遠くの町まで遁走してしまっても、我慢強く見守ってくれた。

 躁状態、うつ状態。

 あらゆる病的なケースは、私たち当事者を苦しめますが、それを見ている近しい人たちへの精神的負担は相当なものだと。
 恥ずかしながら10年以上も経ってやっとわかるようになりました。
 
 だから、私が最近考えていることは「不安定な状態を他者に見せない」ということです。

 躁状態で頭の回転が速い、何でもかんでもやってしまう、無敵感が出てきたり、喋りすぎたりすることに「気がつく」こと。
 うつ状態でなんとなく頭が回らない、動きたくない、落ちている物を拾う気にもならない、お風呂も歯磨きもしんどいことに「気がつく」こと。

 1日の中で、どこかで立ち止まる瞬間があるんです。
 例えば、お風呂の中とか、散歩に出ているときとか、ソファで横になっているときとか。
 そこで「あ、いまは躁っぽいな」とか「うつだな」って気がついて、自覚が生まれる。
 そうなったら、あえて近しい人たちから距離を取ります。

 つまり、悪い状態を見せないってことです。
 これって、結構大事だと思います。

 発症初期のころは、「私はこんなに調子が悪いんだよ。かわいそうでしょ」「障がい者なんだからわかってくれよ」「なんで私ばっかり不幸なんだ」とかなんとか、自分勝手なことばかり考えていたように思います。
 そしてそれを態度や言葉で他人にアピールする。
 それも無意識に。

 そんなことをされれば、相手は心配せざるをえないし、少しでも出来ることがないかと焦燥感にかられ、悩みます。
 結果、支援してくれる人たちは確実に疲弊していますよね。

 だから、まずは「自己管理」が徹底的にできるようになること。

 つらいときは休む。
 食べられなくても栄養は摂る。
 お金の使い方を考える。
 睡眠をしっかり摂る。
 スマホ、特にSNSやゲームにのめりこまない。
 適度な運動をする。

 自分がどこで「安定」を感じるかを知ること。
 そして、調子が悪くなっても、自分自身で立て直すことができること。
 それでもできないとき、つらいときに、「今は難しいです」と伝えられること。

 私は、安定している自分を見てもらいたいです。
 だから、一人になって回復する時間も大切にしています。
 
 そしてまた、周囲の人たちに対して笑顔で、あるいは自分にとっての「普通」の状態で対峙する状態をイメージして、休むんです。
 
 よく言いますよね、相手は自分の「鏡」だって。
 最近は、そういう意味の事柄がよく理解できます。
 自分がにこにこしていたら、いつの間にか周りの人たちが笑っているんです。
 人間って、そういうものなんです。
 単純な生き物なんです。
 
 だから、悪いときはとことん一人の世界にいてもいい。
 風呂なんて入らなくてもいい。
「死にたい」って考えてもいいし、書けばいい。
 でもそれは、態度として、言葉としては身近な人に絶対に出さないこと。

 そしてまた、調子が戻ってきたら、皆とニコニコすればいいんです。
 
 そういうことが、意識的にちょこちょことできるようになってきたら、「寛解」という言葉が近くなってきているのかもしれませんね。

 もちろん、あなたのペース、あなたの「安定」が一番大事。
 でも、もう一歩踏み込んでみる余裕があるのならば、周りにいる大切な人たちをどうやって「安定」させてあげられるか、考えてみるのもいいかもしれません。
 私もまだまだです。
 じっくり時間をかけていきましょう。

 それでは、また。
 
 
 
 


いいなと思ったら応援しよう!

とと
響いたときにでも、応援いただけると励みになります。