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亡き母の手づくりは尊い

 先月から60代女性経営者の方のご自宅を、一軒丸ごとおづけしています。鎌倉の自宅から片道1時間半掛けて作業に伺っています。去年、一軒丸ごとお片づけさせていただいた「女性経営者」(経営者繋がり?)の方からのご紹介です。家を建ててから20年経ったので、気になるところをリフォームされる、とのこと。それに合わせて「モノを減らして、スッキリホテルライクに暮らしたい」とご希望です。

30代と50代オーバーは『整理』が違ってくる

 「総じて…」と枕詞をつけますが。30代は家族拡大期。結婚し子供が生まれ家族が増えるのと同じようにモノが増えるスピードもアップします。子育てと仕事に超多忙な日々が、目まぐるしく過ぎていきます。40代も子育てが楽になっても、仕事の責任が増えてきます。忙しさには大差はありません。50の声を聞くと、加齢と共に若干疲れやすくもなってきますから若い頃のように無理が効かなくなるのです。だから50代オーバーの皆さんには重い荷物は「降ろして楽になりましょう」とお薦めしています

アラフィフ以降の片づけは、即決が結局…楽だ

 さて、何が言いたいのかと言うことですが子供が増える年代と、子供が巣立つ年代でそれぞれ整理収納の仕方が異なる! 何十年も掛けて溜めてきたモノを「この先もそのままにしておきますか?」。このままにすると決断を先送りするだけのこと。30代40代ならば先送りにしてもある程度はリカバリーするのを頑張れますが、50オーバーはそうはいかない! 「今が一番若いのだから、今やってしまう」のがいい。先に送ったら数年後に…「もっと疲れる」作業となって、覆いかぶさります。

before_体を入れるのが大変
before_使い勝手が💦


大きい収納はどうする? (体が入る場所を確保しよう)

 クライアントさんは、(体が丸ごと入る)「階段下大収納」から作業をはじめました。「捨てるものは捨てたから、もうないと思う」とのことでしたが。全部モノを出して俯瞰したところ…下記を大量に手放すこととなりました。(大きな収納は…技と経験値が必要です! 大抵の方は見た目のキャパでしまうので💦 使いにくい。見た目より、キャパはずっと小さい)

〔手放した〕
B5ファイル類:会社で使うか?と思い保存していたが、B5はもう使っていないし、これからも使わない…でほぼ処分。

コード類:テレビやパソコンを買うたびについてくるコード類。本体はもう存在しないのになぜかコードだけ残る。家の中にないテレビや家電やゲーム、多すぎる通信系のコードは処分

お母様の刺繍の材料、毛糸類(材料):亡くなられたお母様は手芸の名手でおられたようです。美しい刺繍のタペストリーや布地、バッグなどがFITSケース詰められていました。ご自身は手芸はしないため知人の「編み物の先生」に引き取り手を相談されるようです。

お母様の一眼レフカメラとレンズ:80代を過ぎてからカメラを趣味にあちこち撮影旅行に出ておられたとか。クライアントさんもご家族も使わない、とのことで「カメラのキタムラ」に持ち込むことになりました。

やっぱり全部出す

〔場所を移動〕
○お母様の手作り作品:驚くほど丁寧に刺繍されたバッグや、手編みの手袋、ポーチなど大量に保存されていました。何よりご自身が使いたい!と言うこと。そしてご友人にプレゼントしているそうです。心のこもった可愛い贈り物ですね。しまったままでは、もったい無い!すぐに出せる奥の方へ移動しました。

○お正月の漆器や食器:高価で、大切なものですから。かなり使いやすい場所に置かれていました。年に一度の出番(必ず)ですので、奥でも取りやすいところへ移動しました。

 近々、キッチンをリフォームされますので「階段下収納」も変わるかもしれませんね。ですから七割程度の収納にとどめました。

 私自身が「使っているものだけ」を身の回りに置く!を実践しています。それで楽に暮らせるようになりました。60代のクライアントさんにもぜひそのスッキリ、軽やかさを体感していただけると嬉しい、と思います。まずは第一歩です。

after_行動とモノを丁寧に重ねていく

母はいつまで経っても偉大です

 お母様の手づくりはご自身では使い切れない、だけど捨てたりできない…。一人娘のクライアントさんだけでなく誰もがそう思います。手づくりの品は…貴重です。刺繍なんてあんなに手が掛かることなかなかできません。だから大切な友人やお世話になっている人にちょっと差し上げると「喜んでもらえるの」と嬉しそうにお話ししてくださいました。

after_お母様の作品は一番奥のFitzケースに。すぐに取り出せます。

 なんと!私にまでプレゼントしてくださいました。帰宅後、ハタチの娘に見せたら「可愛い!いいね。今度貸して」ですって。階段下で眠っていたバッグが本来の役割で活躍しています。天国のお母様とは直接は関係ない人たちが手づくり作品でハッピーになっていることは間違いないでしょう。亡くなっても誰かをほっこりさせている、ってお母さんの手仕事って偉大だなぁとしみじみと感じます。

椰子の木の刺繍!「湘南に住んでる!」という理由で選んでくださいました。可愛いでしょ?

 子どもは母の手づくりは離れ難いのです。だから「誰かを幸せにする」、と思うことができたら…少しは手離れもできるのかもしれません。

(その日のクライアントさんからのコメントです)
『やはりお手伝いしていただくと捗ります‼️ 背中を押していただけるだけでも助かります。私は大したこともしていないのに疲れました…笑』

(「気持ちに寄り添うこともとても大切!ですが、オーバー50の方には自分ごと!と捉え「背中をそっと(時にちょっと強めに)押す」ことが肝心だと考えています)


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