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読書レビュー からだの錯覚

 面白さ★★★★★
 オススメ★★★☆☆
 難しさ★★★☆☆
 ページ数:253

 ひとことで表すと……からだに起こる不思議で面白い錯覚現象について知れる本

 この本では、ラバーハンド錯覚というゴムの手がまるで本当の自分の手であるように感じる錯覚現象を代表に、様々な身体感覚に関する錯覚を紹介し、その不思議で面白い現象について知ったり、ものによっては実際に体験することができる。

 ラバーハンド錯覚とは、まず衝立で自分の手を見えなくし、見えるところにゴムでできた手を置く。そしてゴムの手と実際の手に同時に刺激を与えることで、まるでゴムの手が本当の自分の手であるように感じる錯覚現象である。この実験で被験者は実際の手がゴムの手の位置にあるように感じられ、またそのゴムの手をハンマーで殴ると本当の手ではないのにとっさに手を引っ込めてしまう。

 このような錯覚現象について、この例以外にも多種多様なものが紹介されており、実際に体験してみるとその感じ方に不思議で面白い感覚を得ることができる。この本でも触れられているが、自分の身体の感覚について、視覚的な部分は歪めずらいが触覚的な部分は簡単に騙されるというのはよく見ずに物を取る時などなんとなく日常生活でも感じられ、直感に合っていて納得感があった。

 このような錯覚はVR空間での自分の感覚など、昨今のデジタル技術の発展にも寄与する重要な要素であると感じ、更に学びたくなった。

今回の本:からだの錯覚 著 小鷹研理 講談社 2023

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