読書レビュー メタバース さよならアトムの時代
面白さ★★★★★
オススメ★★★★★
難しさ★★★☆☆
ページ数:272
ひとことで表すと……これからの世界の可能性に触れる本
この本では、これからもしかしたら主流になっていくかもしれない、メタバースという概念について様々な角度から解説されている。
これから主流になっていくかもしれない、と書いたが、著者は2022年の段階で、将来確実にそうなると予想している。残念ながら2年後の現在、まだその流れは見えてこない。主な理由としては、やはり一般へのヘッドマウントディスプレイの普及率が低いままであることが考えられる。
著者は日本発のメタバーススタートアップを企業しており、その会社ではVRイベントなどを手がけている。著者はVRが広まる要因として3つあるとしており、それは「ゲーム」「イベント」「エロ」の3つである。その中で、著者のポリシーに反しない最も当たる可能性のあるイベントにターゲットして実施したらしい。確かに、現状一般的なVR導入の契機としてはゲームとエロが多い気がする。個人的にはこれに企業のDXを加えられると思う。
この本では、メタバースがこれからどうなっていくか経済的な面から産業構造など様々検討されていて、非常に興味深かった。著者の想像するメタバースの未来を読みながら想像して、面白いと感じると同時に、タイトルにあるアトム(物質)に別れを告げることは人間の性質として現実的なことなのか、そこまでまだ想像しきれない。
どうなるにせよ、これからの時代を考える上で検討するべき技術であり世界だと感じた。まだメタバースについての認識が薄い人にも意識してもらうことが重要だと思った。
今回の本:メタバース さよならアトムの時代 著 加藤直人 集英社 2022
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