[208 湧出詩] 鵺の鳴くころ、秘密めいた泉で

それはぼくだって、幸せになりたいさ。結局はそれだけのことだろ。

遠い星から送られてくる思考の連鎖に、即興の形を与えてやることができれば、心は少しばかり落ち着いて、闇の中、静かに踊り始める。

それでぼくは、今日もこうして無為の時を過ごし、それが徒食であれ自然であれ、とにかくそいつを絶対的に肯定してしまうことで、目の端ににじむ涙を成仏させる、大海原へと向かうガンガーの流れへと合流させる。

放り出してしまえば、それでいいんだ。

ばらばらになってしまって、まとまりを持つことのできない言葉の群れが、どこからともなく湧いてくるので。

ぼくだけじゃない、誰だって幸せに生きたいと思ってる、そうだよね。

もちろん正しい方法なんて、本当はないんだ。

でもね、憂鬱な時間の正しい過ごし方は、憂鬱な気持ちをそのまま認めてやること。

口の中に金属の味が拡がったとしても、ただそれを認めてやればいいんだ。

そうしてきみはきみなりに、低空飛行の技術を磨いて、曲芸的に空を飛び続けながら、いつか深い眠りにつくのさ、それが究極の一歩手前の真実の、ハッピーエンドの入り口なのさ。

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