2020年3月の記事一覧
[投げ銭夢想詩]闇と光の語り歌
空はどこまでも蒼く澄みわたり
乾いた風が心地よく肌を
撫でていたのに今は
優しい霧が目の前にどこからか
気づく間もなく立ちこめて
頬にひんやりと口づけする
闇に包まれてもはや
左も右も分からぬどころか
上下の感覚すら失い果てて
途方に暮れる異邦にたたずむ
四方を見渡す絶望が溢れる
いつものゴールで目に水溜めて
流れた水は砂漠の片隅に
ささやかな溜まりを作り
旅人をもてなした
そしてきみは
投げ銭短詩:確率と解釈としての世界
人に与えられる幸運と悪運の総量は
かなりの部分が確率的に決まる
前世でいいことをしたから良く生まれ
前世で悪いことをしたから悪く生まれる
そんなふうに素朴に感じられる感性の
持ち合わせはない
だからこそ悪運に見舞われる人生を
祝福するのだ
悪運を乗り越える力があればお前は
幸運だけの生ぬるい人生を送っている誰よりも
強くなれる
強くなって他の誰も知らない高みにまで達する
お