新編単独行の感想を書いたバイヤー猫
更新者前書き
noteの皆さんご無沙汰しております。
バイヤー猫が「単独行」を読んで感想を書いたみたいなので、私が記事にします。
ジメジメと非常に嫌な季節ですね。私は夏、真夏が大好きなものですから、秋の匂いを感じると、ああ一年が終わったな、俺何か今年したかな、と思ってしまいます。
今回バイヤー猫が読んだのは、単独行。メタルギアソリッドのスネークさん的な登場人物が出てくるのでしょうか。そもそも小説なのでしょうか。一体どんな本か、気になります!私!
加藤文太郎さんの簡単なプロフィール
1905年~1936年まで活動された登山家。大正から昭和にかけて活躍しました。
複数の人数で協力して登るのが常識だった、山岳会の常識を覆し、単独行によって数々の登攀記録を残した。
単独登攀の加藤、不死身の加藤という異名を持つ。
新編単独行 感想
新編単独行 加藤文太郎 著
あらすじ
戦前の登山家。高峰の冬季登山が一般的ではない時代に単独で厳寒の北アルプスを駆け抜け「不死身の加藤」の異名をとった加藤文太郎の遺稿集(エッセイ•論考、紀行•記録)。新田次郎の小説『孤高の人』のモデル。
『孤高の人』(文庫上下巻2014年読了済)の文太郎は、山の為なら他者との交流が疎かでもやむなし、もしくは単独行にこそ登山の意味があるという不遜な印象があった。
孤高の人も面白い本だったし、加藤文太郎という人物が丁寧に描かれている分、加藤文太郎像が出来上がっていて、小説読了直後に本書を読むと戸惑ったかもしれない。小説は孤高というのが強調されている。
本著『単独行』の加藤文太郎の文を読むと口下手で、人に気を使い、迷惑をかけたくないから一人で登る。
本当はスキーや岩が得意ではないから、誰かと一緒に登りたい。得意ではないから迷惑をかけてしまう、だから一人でという堂々巡り。
しかし山に打ち勝ちたい、山から知識を得るのは単独行が最良だといった単独行の自負もある。
それでも遠くに人を見るとエホー(山の挨拶、呼びかけヤッホーと思われる)と呼びかけずにはいられない。まったくの独りという訳でもなく、居合わせた人と交流をしているし、ときには悲しい誤解もあるけれど、それでも決して孤独ではない。
そう、山に挑む加藤文太郎は孤高ではあるけれど、孤独ではない。
フライ饅頭ってなんだろう?三角点ってなに?とわからないことを調べながら、少しずつ読んだ。
山の記録や功績は知識不足で分からなかった。それでも加藤文太郎という人が山の虜になっていること、そして山にいるときの生き生きとした文章がとても愛おしい。
不死身の加藤の最期は友人との登山で単独ではなかった。小説は単独ではなかった為に…という描かれ方だったけれど、自分としては単独で最期を迎えなくて良かったと思ってしまう。孤高の人と単独行合わせて読んでほしい本。
評価
バイヤー猫に評価を聞いてみたところ
評価は★★★★★
だそうです。初の五つ星です!
更新者あとがき
加藤文太郎さん知らなかったです。一人で登り始めた理由はとても可愛らしい理由ですね。口下手で人に気を使ってしまうため、一人で登り初めた。そんな彼が不死身の加藤、と異名がつくのは何ともかっこいい。憧れてしまいます。
口下手なのを取り繕うと、変なテンションと距離感で話しかける私と比べたら、いっそ一人で山に登る方が良い、と人としての格を見せつけられた感じが・・・。
また最後は友人との登山で亡くなるっていうのも、幸せだったのかなと思います。
次はどんな本を読んでくるのでしょうか。皆さん台風にはくれぐれもお気をつけください!