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小説の書き方

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2020年11月の記事一覧

【通信講座】 小説「ドランクンヘヴン」 質疑応答

【通信講座】 小説「ドランクンヘヴン」 質疑応答

(作者より)
講評とアドバイス、どうもありがとうございました。私の小説をここまで読み込んで、批評されることが今まで無かったため、感激しました。私は以前から書き手として、良質の読み手を求めていました。今回講評をいただいて、その望みがかないました。また、たいへん勉強になりました。思いきってお願いして、本当に良かったです。厳しい言葉をいろいろいただきましたが、どれも的確で、納得できるものでした。
特に文

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【通信講座】 小説「ドランクンヘヴン」 講評

【通信講座】 小説「ドランクンヘヴン」 講評

大友克洋『童夢』、スティーヴン・キング『キャリー』のような趣向だと思ったら
万城目学『鹿男あをによし』だった。
あるいは、『君の名は。』『天気の子』の不完全な模倣だった。
 
着想、素材に個性的なひらめきを感じはするし
先が読めず、とにかく最後まで興味を持続させることができたが
定型(類型ではない)を踏まえていないレトリック、プロットが
そのずれかたが致命的なものではなく、非常に微妙であるためにか

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【通信講座】 小説「Time To Heal The Earth」 講評

【通信講座】 小説「Time To Heal The Earth」 講評

構造がおもしろい。
最後の「海夏」のパートだけなら
凡庸な「Twitterマンガ」的スケッチにすぎないが
このように既存の形式を乗り越える方法があるとは思わなかった。

『【通信講座】 小説「美ら海に漂う愛」 講評』で

最近の小説に顕著な
「Twitterマンガ」化がとてもよく分かる。
設定、人物、状況はあるが
ストーリーがない。
関係性そのもの、雰囲気そのものを書こうとしている。
なにも起こら

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【通信講座】 小説「Lolita Lollipop」 講評

【通信講座】 小説「Lolita Lollipop」 講評

おそらく、また
自信作を受けとったのだろうが
私にはほめるべきところが見いだせない。
残念でならない。

ロリータなコスプレイヤーの中でも、群を抜いて私の顔は童顔で。
私の背は152cmで。
しかも私、Fカップで。
まさにアニメから飛び出てきたようなルックス。

そして、私は夢可愛い、エロを目指した。
パステルカラーのファンシー色の、エロ。
コスプレは続けていくけれど、私はもう少し自分を解放したい

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【通信講座】 小説「隊列」 講評

【通信講座】 小説「隊列」 講評

練達した筆致であり
構成は厳格で
作者の志向する文体がどのようなものか
とてもよく伝わってくる。

読みやすく、分かりやすいが
残念ながらおもしろくはない。
「隊列」「門番」「マネキン」「黒装束」など
作品に登場するシンボルはすべてが類型的で
その意味するところは
あたらしいイメージとむすびつきはしない。
したがって、技術的側面以外の
問題意識、主題、社会的価値(なぜいまこの作品を書いたのか)を評

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【小説の書き方 139】

【小説の書き方 139】

人間が互いになんの関係もない二つの陣営にわかれるのは、悪い書物の中においてだけです。
現実にはすべてが互いにからみ合っているのです!
人生においていつも同じ一つの役を演じ、社会においていつも同じ席を占め、同じことをして、それで満足するのは、まったく取るにたりない人間、改良の余地ない零のような人だけでしょう。

パステルナーク